マックのモバイルオーダーで思ったこと


これは便利ですね。

先月末から、都内のマックでもモバイルオーダーが使えるようになりました。

さっそく使ってみましたが、これは便利ですね。

何じゃそりゃという人もいるかもしれないので簡単に説明します。

モバイルオーダーアプリをスマホに入れて、クレジットカードを登録しておく。

後は、店舗を選択し、メニューから商品を選んで注文すると、レジでの注文や支払いを行わずに、受け渡し口で直接受け取れるというものです。

店内でも持ち帰りでもどちらでも利用可能です。

もっとも、時間指定とかではなく、もう少し正確に説明すると、アプリからの注文自体はマック店舗から離れた場所であってもできるのですが、そこからワンステップあり、店舗に到着してから、『店舗に到着ボタン』をアプリ上でタップする必要があり、店舗に到着ボタンが押されると店舗側で注文品を作り始めるという流れになっています。

そういう点では、時間を指定して予約注文ができるアプリというより、店舗に到着してそこでアプリ上の処理をすると店舗側で作り始めるという点で、スマホを利用したセルフレジに近いといえます。

もっとも、『店舗に到着ボタン』は、店舗のWifiと連携しているとかは全くなく、単に店側に作り始めていいよと言う合図でしかなく、つまり、店舗に到着する前からそのボタンを押すことは可能なわけですが、『料理開始ボタン』にしてしまうと、待つのを嫌がるあまり早めに押しすぎる客がたくさん出て来て、注文者が到着してないのにもかかわらず、店側としては作り始めて、受け渡し口で「M10番でお待ちのお客様はどこですか!」と延々とやる羽目になるので、店舗に到着してから料理開始の合図をするという、紳士協定的な仕様になっているようです。

私がこのアプリを使って思ったことは、便利だなと思う反面、私が孫さんだったら、Paypayの幹部の首飛ばすだろうなと思いました。

これこそ、Paypayが、実験店舗だけでもいいから真っ先にやらなくてはいけなかったことなんじゃないのかな。

いくら相手がマックとは言え、先にやられるのは大失態だろうに。

そんなことないのかな。

キャッシュレス戦国時代なんて言われています。

そして、スマホを使ったQRコード決済と、ピッとやるタイプのスイカなどを比較して、どう考えてもQRコード決済の方が手間が多く、スイカなどが勝つに決まっているという人もいますが、それは少し違います。

事業者と消費者の関係を考えるとき、決済というのは、チェックインからチェックアウトまでのサービス全体の中の一プロセスでしかありません。

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そのプロセスのみに注目したら、Suicaなどのピッとやるタイプが優れていますが、逆に言うと、ピッとやるタイプは、決済のことしか考えずに設計されています。

飲食店で食事をした後、レジに並んで決済する場面を考えれば、スマホでアプリを立ち上げてバーコードを表示してなんてやるより、スマホをピッとかざすだけの方が早いです。

しかし、飲食店であれば、テーブルごとにQRコードを貼っておけば、レジに並ぶ必要がなく、各自がテーブルで決済できるだけでなく、そもそも、そのQRコードをスマホで読み取ると、メニューやクーポンがが出てきて注文までスマホでできるという応用が実現できます。

つまり、サービス全体の改善をアプリでやろうとしたときには、決済以外にも応用のきくQRコード方式の方が優れている場面がたくさん考えられます。

それこそ、Paypayがやろうとしていることだと思っていたのに、あっさりマックにやられてしまいましたね。

これを例えば病院に応用すると、大病院の想定ですが、スマホアプリから診察予約して、予約時間近くに病院に行きチェックイン処理をしておくと、アプリ上に、診察室何番に来てくれてと通知が来て、診察室に行き、後は家に帰るだけで、処方箋はデータでアプリに届き、代金もアプリに登録した方法で自動で決済されるという、便利な未来が想定されます。

そうすると、実は、決済方式がピッとやるタイプかQRコードかなんて話は本質ではないというか、どうでもいい話で、アプリに登録しておく電子決済用の財布が、後払い方式のクレジットカードなのか、それとも、チャージ式のPaypayやSuicaなどなのかという話であり、電子ウォレットアプリの覇権をどこが握るかこそが戦場だという話になります。

そして、その雌雄を決するのは、どこが、その便利なアプリを作るかなわけです。

そして、あっさりマックが先陣きって独自のアプリをリリースし、しかも、登録できるのはクレジットカードのみ(iPhoneでのみLINE Payが使えるらしい)。

キャッシュレス決済戦国時代なんて言いますし、昨年私もそんな記事書いた気もしますが、大事なことは、顧客のサービス体験を全面的に改善することであって、金の動きから人の動きが見えるとか、ビッグデータの収集だとか、投資家向けの説明に気を取られ、決済を中心に物事を考えているところは負けるかもしれませんね。

なんか、結局クレジットカードが勝つような気もしてきた。

さてどうなるか。