レッスンの合間にニュース見てたらへんなニュースを見つけました。
小学生がテストで「3.1+5.9=9.0」としたら減点になったというニュースです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161122-00000062-it_nlab-sci
正解は9.0ではなく9だということで先生が減点したわけです。
脳科学者がこれを虐待だとか騒いでるみたいです。
さらに、コメント欄見ると有効数字や有効桁数がどうのこうのと騒いでいる人もたくさんいるみたいですね。
中には、大学だと9.0と書かないと逆に減点、とか言ってる人もいるようで。
ただ、個人的には9.0と書いた答案を減点するのに賛成。
それどころか減点すべきだと思うのは私だけ?
算数や数学では9と書くのが正解で、9.0と書いたら、???となる感覚のほうが正しいと思う。
9というのは、少数点以下を無理やり書くのであれば、9.00000・・・と0が無限に続く数字を意味する。
ゼロが百万個続いた後に1が来ても、100億個続いた後に1が来てもそれは9ではない。
だから、0が無限にあるのが9。
ただ、無限に0を書くわけにはいかないので、9にしろ、9.1にしろ、9.12にしろ、以下無限に0が続く場合は省略しましょうというのがルール。
有効数字とか有効桁数というのは、物理なり化学なり、いわゆる数学を道具として使うときの概念。
実験装置には精度があって、どこまで精密に測れて、誤差の範囲がどのくらい考えられるのかを明確にするのも科学のうち。
だから、9.0とか、9.00と書いたりする場面がある(もっとも必ず単位が付く)。
9.00と書くのは、小数点第2位までは0であることは計測できているけど、それ以下の部分はわからないという点を明らかにするためにあえてそう書く。
将来、より精密な機械で測定し直したら、9.001かもしれない。
つまり、9.00と書くときは、実験・測定における精度を考えると、小数点第3位以下は不明という意味になる。
ただ、そんな場面は算数や数学では登場しない。
問題にある「3.1+5.9」の3.1や5.9に関して、10年後により精密な機械で測定したら、3.134と5.912かもしれないのであれば、3.1+5.9=9.0と書くべき。
ただ、算数や数学では、数自体の話をしていて、何かの指標について観測・測定された値の話をしてるわけではないので、3.1や5.9と書けばその後には0が無限に続くのだがそれを省略していることを意味する。
だから、3.1+5.9=9が正解だと思います。
この場面で9.0と、1つだけ0を書く意味がない。
なぜ、無限に続く0のうち1つだけを書いたのだろうか。なぜ、9.00と0を2つ書かなかったのだろうか。
結局、計算過程の結果を書き写しただけで、イコールの後に何を書くべきかについて、何も考えてないだけなんだから、減点でしょう。
温度なり速度なり濃度なり何らかの値に関しては9.0という表記はあり得るけど、数の表記として9.0は減点対象が妥当なのでは。
学生実験で、誤差の伝播のレポートの諮問の時に、担当の先生に「君本当に有効数字の概念理解してる?」とド詰めにされた経験のある私には語る資格もありませんが。