目次
9月はウーバー配達人をやっておりました。
はじめに
最近何かと話題のウーバーイーツ。
黒や緑の大きなリュックを背負って自転車乗っているあれです。
あの登録センターがスタジオのすぐ近くにあるのですが、私はUBERという会社には興味津々だったこともあり、4月くらいに配達人登録をして、黒バッグをもらっていました。
しかし、それっきり放っておいたのですが、さすが最新テック企業、やたらメールが来ます。
このメールを受け取ってから1週間以内に初回配達をすると1000円あげます、みたいな通知。
しかも、日に日に金額が増加し、ついに1配達で7000円となったので(通常配達料とは別のボーナス)、すかさず駅前のレンタル自転車(通称赤チャリ)を借りて配達に行ってきました。
そうしたら、すぐに、10回配達完了すると、追加で5000円ボーナスという通知が来たので、そのまま10回配達。
ただ、10回配達して終わるかと思いきや、久しぶりに自転車で街をうろうろしたのが疲労しつつも気持ちよく、しかもゲームみたいでなんか新鮮で、ちょっと面白いなと感じてしまいました。
特に、スタジオにこもって悶々とブログを書くのに飽きたときなど、良い気晴らしになるし、それでお小遣いになるのであれば一石二鳥と思い・・・
そのままイオンに行って勢いで電動自転車やらヘルメットやらを購入し、帰宅してもアマゾンで、サイクルグッズを大量購入。
という感じで初日から10万越えの大赤字で、妻の冷たい視線で初めて冷静に。
というわけでとりあえずはその赤字分だけは取り返そうと、9月はブラジリアン柔術にもいかず、ブログも更新せず、隙間時間にひたすらウーバー配達をやっていて、9月の1ヶ月で250配達を達成しました。
何事もやってみないとわからないとは本当で、配達する傍ら、勉強もかねて自分も注文者として利用したり、配達人と注文者の両方を経験することで、ウーバーイーツというサービスがよくわかりました。
というわけで、最近名前をよく聞くけど、どんな感じなのと思っている人向けにその本質や裏側や小話を書いてみます。
以下では、ウーバーイーツの仕組みを解説しますが、契約関係や報酬体系の詳細などのテクニカル情報の詳細は別のサイトを見ていただくとして、注文してみようかなとか、配達人になってみようかなと思っている人たちに向けて、実態的な部分を書いてみたいと思います。
また、下記で書いているのは全部が全部自分の体験談というわけではなく、あれこれ調べていくうちに知ったこと(実際に体験したわけではない)も、啓蒙の意を込めてたくさん書いているのでご注意ください。
それにしても、非常に勉強になりました。
前提知識編
ウーバーイーツとは
ウーバーイーツとは何か、ここから詳述する気はないのですが、まったく知らないという人もいるかもしれないので概要だけ。
これは、配達人の側から書くとわかりやすく、ウーバーの登録センターに行って登録すると、例のカバンがもらえ、配達人用アプリがアクティブになります。
そして、暇なときにアプリをオンにして待っていると依頼が来て、どこどこのレストランにピックアップに行ってくれと指示が出ます。
そこで、そのレストランに行って、注文番号を伝えて料理を受け取ると、今度は、誰々の下へ配達してくれと言う指示が出るので、そこまで行って客に料理を渡すというサービスです。
つまり、一般人が暇なときに、流しの配達人になれるサービスであり、自前のデリバリー設備を持っていないレストランとしても、ウーバーイーツに加盟すると、出前注文を受けることができ、注文ごとに、ウーバーのAIによって近くを流している配達人が割り振られ、その配達人が料理を取りに来て注文者のもとへ届けてくれるというサービスです。
これにより、都心部では、今まで出前をやっていなかったたくさんのレストランの料理が出前注文できるようになっており、急速に普及しています。
これからは所有ではなくシェアの時代、なんていう流行りの言葉を使えば、従来のように店舗が自前で出前のための設備や人材を所有しなくても、加盟店全体で流しの配達人をシェアすることによって、出前を可能とするサービスと言えるかもしれません。
また、従来の出前サービスと異なり、最低注文料金とかもなく、ジュース一つでも配送料さえ払えば持ってきてくれます。
よくある誤解
なお、よくある勘違いとして、ウーバーイーツを買い物代行サービスや出前サービスと思っている人がいますが、それは間違いです。
レストランが料理し、「ウーバーイーツが配達してくれる」サービスではありません。
独立事業者としての加盟レストランがあり、同様に独立事業者としての配達人がいて、ウーバーイーツはそれらをマッチングするサービスを提供しているだけです。
すなわち、ウーバーイーツというのはレストランと配達人のマッチングを業としている会社です。
まあ、ここら辺を話し出すとややこしくなるばかりで、しかも、だからどうしたという結論が見えにくいので、深追いしませんが、大事なことを一つ。
注文したものと違う商品が届いた場合、それは基本的に違う商品を用意したレストランの責任。
注文者としてはウーバーイーツアプリを利用しているので、中華料理屋Xにラーメンを注文した場合、「ウーバーイーツに中華料理屋Xのラーメンの出前を頼んだ」という認識になりがちで、ラーメンではなくチャーハンが届いた場合、ウーバーイーツに対して、注文したものと違う商品が届いたと文句を言いたくなる気持ちは理解できます。
しかし、それは間違いです。
あくまで、ウーバーイーツはアプリを提供しているだけで、注文者はウーバーのアプリを経由して、中華料理屋Xにラーメンの出前を頼み、それと同時に、中華料理屋の依頼を受けてウーバー社が近くにいる配達員をマッチングしているというのが正解。
そして、受託した配達人としては、中華料理屋にピックアップに行き、これですと料理を渡されたら、それを注文者の下へ運ぶ。
つまり、注文番号が一致している限りにおいて、袋の外観的に明らかに注文内容と違うとかでない限り(カレー10個なのに袋が小さいとか)、レストランから渡されたものを届けるだけで、封された袋や箱をガサガサ開けて中身を確認したりはしません。
したがって、注文内容の間違いがあっても、配達人に文句を言うのはとんだ筋違いですし、また、ウーバーに文句を言っても、すぐに返金をしてもらえますが、レストランに料理を作り直させてもう一度届けさせるとかはできないです(ユーザーが注文をしない限り、ウーバーにレストランに料理を作るように命令する権限はない)。
報酬体系
これも概要だけ。
配達人がもらえる報酬は下記です(都内の場合)。
1.受け渡し料金305円(固定)
2.距離に応じた料金97円/km(従量性)
つまり、1配達ごとに、305円+97円×移動距離がもらえます。
この移動距離はGPSによるアプリによる自動測定で、不正確だと不満を言っている配達人も多いですが(私もそう感じますがGPS自体が精密ではないですからね・・・)、個人的な感覚では過大になっている場合も多く、その場合でもいちいち問い合わせてくるなというスタンスなので、個人的には文句はないです。
ここで大事なことがあって、移動距離とはレストランから注文者までの距離であり、自分の今いる現在地からレストランまで料理を取りに行くための移動距離には料金が発生しません。
したがって、遠いレストランからの依頼は不利となっています(依頼を受けるかどうかは配達人が決定できる)。
また、完全歩合制であり、いつでも配達可能な状態で街をふらついても、依頼が来ない限り1円ももらえません。
したがって、収益は時間帯や曜日次第で大きく変動します。
注文の多い麻布・六本木・銀座当たりで流していても、いざ依頼が来て料理を受け取ったら配達先が勝どきとか晴海なんて場合、届けた後に、晴海のレストランからの依頼というのは中々ないので(ないわけじゃないけど)、店舗が多い地域に戻ってくるまでのロスタイムが生じたりと、運もあります。
なお、報酬は週払いで、日曜日締めで、二日後の火曜日には前週1週間分の報酬が入金する(もっとも海外送金になるので登録口座により少し遅れるらしい)。
また、レンタルサイクル(赤チャリ)でやっている人をたくさん見て、あれで採算合うのかと疑問に思っている方もいるかもしれませんが、ウーバー配達人は赤チャリを月4000円の固定料金で使えます。
3者間レビュー
これは、外資っぽくて面白いですが、注文ごとに、注文者、レストラン、配達人は、3者間で相互にレビューします。
つまり、配達人も、レストランと注文者を評価します。
料理をピックアップに行ったのになかなか料理が出てこないとか、料理の梱包がいい加減の場合、配達人はレストランに理由と共に低評価をつけることができ、これたがたまるとウーバー本部からレストランに指導が入ります。
また、料理を受け渡す際に暴言吐かれたとか、住所登録が不備だらけで配達に時間がかかった場合には、配達人から注文者に理由と共に低評価をつけることができます(理論上は悪質な客はアカウント停止になるはず)。
しかし、まだまだサービスの普及期なので、3者とも、一定以上低評価が積みあがったものをサービスから締め出すような事態は発生していないようです。
また、注文すると、自分の注文について、調理中なのか配達中なのかわかりますし、配達人の位置はGPSでリアルタイムにわかるので、レストランで料理ができるのをまっているのか、配達人が道に迷っているのか、信号で止まっているのかなどは分かります。
つまり、配達が遅い場合には、レストランが悪いのか配達人が悪いのか区別がつきます。
また、スープがこぼれた状態で届いた場合も、レストランの梱包が悪いのか配達人の扱いが悪いのか、注文者が判断することが求められるともいえますが、現状、基本的に注文者の怒りは配達人に向くようです。
もっとも、注文者からすると、自分の住所を知られていることから、万が一のことを心配して、低評価をつけない人も多いようですが、低評価をつけても、相手側に反映するのはタイムラグ(1日以上空いたりすることもあるみたい)があって、配達人からすると、誰に低評価つけられたかはわからないようになっています。
もちろん、1件しか配達してないのであれば分かりますし、予測がつく場合もあります。
ちなみに私は250配達中、1件だけ低評価をつけられたことがあり、それについてはあの配達だなと確信を持っていますけどね・・・
私は六本木という街が昔から好きじゃないので、人付き合い以外では近寄らないのですが、さすがに六本木ヒルズへの配達で迷子になれば怒りますよね。
でも、六本木ヒルズのクラブって書いてあって、住居とオフィスの入り口は知ってるのですが、クラブってなんだと迷子になり、六本木ヒルズの周りの守衛の人とかに聞いたのですが、「クラブってどこですかね?」、「クラブ?、ここら辺にクラブなんてたくさんあるからクラブだけじゃわかんないよ(笑)」と言った返答ばかりで、ずうっとヒルズの周りをぐるぐる回っていました。
なお、ここの3者間レビューが上手く機能しない点については別記事にしました。
余談はさておき、ここら辺から少しづつ、本質的な話に入っていきたいと思います。
ウーバーイーツの本質
ウーバーイーツに関しては、注文者にしろ、レストラン側にしろ、配達人にしろ、ウーバーイーツというサービスの本質を理解することが一番重要です。
まず、ウーバーイーツは、社員もレストランも配達人も、ウーバーのAIの支配下にあります。
これは奴隷状態とかそういう話をしたいのではなく、徹底的にアプリに指示をされる一方、アプリに用意された項目以外は何もできないし、自分の裁量を差しはさむ余地はありません。
次に、配達人に関してですが、これは登録すれば誰でもなれます。
バッグへの料理の積み込み方や接客マナーなどについて、徹底した研修があるわけでも、手厚いサポートがあるわけでもありません。
というより、ほぼそういうものは無いです。
要するにポイントは二つ
1.完全にAIドリブンで効率的な処理が最優先。
2.どこの馬の骨が料理を持ってくるかわからない。
でも、だからこそ、安くて便利なわけです。
ある意味、100点を目指すサービスではなく、70点でいくサービスです。
ここを理解しないと関与者全員が不幸になりますし、理解できない場合は使わない方が良いです。
例えば、注文者側でアプリを開くと自宅から近いレストランがたくさん出てきて、レストランごとに、配達見込み時間が[20分から30分]なんて表示されています。
しかし、その時間はAIがビッグデータに基づいて算出しているとの触れ込みですが、おそらくまだビッグデータと呼べるほどデータはなく、マップ上の距離などから機械的に出している場合や過去の限られた配達の実績を表示しているだけの場合も多いっぽいです。
したがって、曜日や時間帯による道の混雑状況、坂の多さや、自転車や原付利用に起因する迂回の必要性、タワーマンション入館の面倒さなどは考慮されていません。
試しにアプリを開いてみればわかりますが、車を運転するなどある程度土地勘がある人なら、「あの場所からこの時間じゃ配達できないだろ」っていうレストランが結構出てきます。
そういうのは自分で訂正できないとみんな不幸になります。
30分とアプリに表示した以上は何が何でも30分以内に届けろ、それがプロだろなんて言うタイプの人は使わない方が良いです。
レストランがどれだけ迅速に調理して料理を用意しても、注文と同時にすぐ近くを流している配達人がいるとも限りませんし、また、配達人が迅速に運んでもAIの総定時間には間に合わない可能性は普通にあります(そもそも店も配達人もアプリ上に配達見込み時間がどう表示されているかは知らない)。
私も、ある日、仕事終わりに軽くやっていこうかなと思ってアプリをオンにしたら、ピックアップ先に『31アイスクリーム東京タワー店』というのが出て、私のスタジオから東京タワーはすぐだし、アイスの配達なんて近場だろうから、ラッキーと思って自転車で取りに行きました。
そうして、久しぶりに中に入った東京タワーの二階で大量のアイスを受け取り、受け取り完了処理をして、出てきた配達先を見てびっくり(料理の受取処理を完了するまで注文者の情報はユーザー名以外一切見れない)、届け先はなんと青山一丁目の結構渋谷より。
確かに、地図上は、東京タワーから青山一丁目は真っすぐ一直線で3㎞くらい。
AIは20分くらいで到着と計算したかもしれません。
でも、その一直線は、飯倉片町、ドンキ前、ミッドタウン前、乃木坂と、いわゆる六本木のメインストリートを端から端まで通り過ぎなくてはいけない。
金曜の夜で、歩道も車道もぐちゃぐちゃだし、うっかりバッグや自転車をぶつけたらヤバそうな人や車であふれかえってるし、かなり時間がかかりました。
幸い、受け取った人はタワーマンションの高層階の住人らしく、すごい遅くなったのに、お疲れ様と笑顔で受け取ってくれましたが(基本的にお金持ちは怒らない)、このような、距離ベースの単純計算通りに配達がいかないケースはしょっちゅう起きます。
また、どこの馬の骨が持ってくるかわからないというのもその通り。
自分の注文が、ベテランの配達員に割り当てられ、バッグの中に温かいものと冷たいものをきっちり分けつつもしっかり固定し、揺らさず迅速に運んでくるかもしれませんが、その逆に、たまたまその日から配達を始めた大学生が割り当てられ、散々道に迷って遅くなった挙句に、弁当の中身は寄るは、スープはこぼれるは、届いた料理の状態も悪いなんてことも起こり得ます。
そこは選べません。
さらに、何らかのトラブルが起きたときに、カスタマーセンタとしては返金処理やお詫びクーポンの提供をすることはできても、カスタマーセンターの方でレストランに連絡して至急で代わりの商品を届けるように手配するとか、そういう親切な対応はしません、というかできない。
このように、事務処理は徹底的にAI利用、さらに、どこの馬の骨が持ってくるかわからない、という特徴がありますが、だからこそ安くて便利に今までできなかったことを実現しているわけです。
そこをもって、文句を言う人のリテラシーが低いのか、こんなサービスを提供してるウーバーのプロ意識が低いのか、そこは価値観次第であり、どっちが正しいとかではありません。
しかし、プロ意識が低いと思う側の人は使わない方が良いと思います。
あんなサービス使う人の気が知れないなどと散々非難しながらも、外出できない台風の日などにプロモーションやキャンペーンに負けて利用して、台風だろうが何だろうが、20分で配達って書いたんだから時間内に持ってきなさいよと、玄関先で配達員に延々とプロ意識がどうのこうのとお説教するのは本当にやめてほしい。
何の解決にもならないし、誰もハッピーにならない。
また、プロ意識の養成と言った研修の充実や、配達員のサポート体制の拡充なんて方向に進み、つまり、顧客満足度100%を目指すなんて本気でやりだすと、一部のクレーマーに振り回され、結局コストが跳ね上がって、慢性的に配達人不足になったり、注文は最低2000円以上からお願いしますなんてなりかねません。
ウーバーイーツというのはそういうサービスなんだと、その本質を理解した上で使わないとイライラすることばかりだし、低料金と便利さを享受しつつも文句を言い続けるなんてやると、どこかで不相応な負担を受ける人が登場し、このままでいいと思って満足している人たちまで不幸になってしまいます。
なお、どこの馬の骨が配達してくるかわからないと言いましたが、これは何も配達人の事だけではなく、レストラン側も同じで、誰でもレストランとして登録できるし、レストラン側への教育や研修もありません。
したがって、何にも考えてないレストランが、売上を伸ばそうと考え登録し、適当にアマゾンで買ったプラスチック容器に入れて配達人に渡すなんてことも普通にあります。
さて、段々深入りしていきます。
風評と実態と裏側
トラブルにあったら
これ何処に書こうかと思ったけど、大事なので最初の方に書いておきます。
ウーバーイーツを利用するうえで一番大事なこと。
それは、戦わないこと。
真摯な対応とか誠実な謝罪とかを求めても絶対に満足する結果にはならないです。
その反面、ウーバーは外資のテック企業らしく、文句をつけると秒速で返金してくれます。
返金やクーポンで満足できないどころか、返金であっさりと済ませようとする姿勢にかえって腹を立てたり、「責任者だせ」なんて思うタイプは絶対にこのサービスは使わない方が良いです。
上述したように、関与者全員アプリの奴隷でロボットのようなアクションしかできません。
ウーバーというのはプラットフォームを提供しているだけで、レストランは当然独立の事業者ですが、配達人も独立の個人事業主。
だから、ウーバー相手に、あの配達人(or レストラン)どうにかしろと、クレームをつけても、ウーバーとしてはアカウント停止措置はできても、配達人を説得して注文者に謝罪させるとか、料理を作り直させて再度配達させるとか、そういった指揮命令権限のある雇用関係のような行為は配達人及びレストランに対して何もできません。
どんなにウーバーに文句をつけたところで、既存注文の返金処理はできても、ウーバーがレストランや配達人に命令することはできないので、もう一度新しい料理を持ってこさせるには、注文者自身が再度アプリから注文するしかないです。
そんなのおかしいという意見は理解できるし、その気持ちを否定する気は全くありませんが、できるかできないかと言えば、仕組み上できないので、戦うだけ時間の無駄です。
その結果、ウーバーイーツの利用にあたって絶対に覚えておかなくてはいけないことは、以下の1つ。
配達が異常に遅れて料理が冷めている(ダメになっている)とか、スープがこぼれまくっているとか料理がぐちゃぐちゃになってとても食べられるような状況ではない、という状況に遭遇した場合。
その時は、必ず料理を受け取って、写真を撮って、ウーバーに連絡(写真を見せる場面は現実的には想定できないけど念のため)。
これをやれば、廃棄するのは面倒ですが、確実に秒速で100%返金されます(ここで交渉的なものは基本的に発生せず、言えば返金してくれます)。
利用する以上は、それで済ませて、悪質な配達人やレストランとは、最短の関与で終わらせるのが一番です。
やってはいけないのが、受け取り拒否。
こんなの受け取れないと玄関先で配達員に料理を突き返すという気持ちは分かり、理論上は受取拒否は可能です。
しかし、これをやった後、ウーバーに、届いた商品がぐちゃぐちゃだったため受け取り拒否したので返金してください、と連絡しても揉めることになるかもしれません。
まず、証拠がない。
また、上述したように、配達人に料理を突き返して、こんなの受け取れるわけないでしょ、ちゃんとしたものを持ってこい、というのも無理な相談(気持ちは分かりますよ)。
とすると、ある意味配達人にも何もできないので(個人で損害賠償とかしない限り)、受け取り拒否というのは、注文者としてのアクションとしては不明瞭なことになる。
もちろん、意思表示としては明確で、配達人の現実の行動としては、ぐちゃぐちゃな料理をどこかのゴミ箱に捨てればいいだけ。
そして、連絡を受けたウーバーとしてもすいませんでしたと言って返金すればいいだけ。
ぐちゃぐちゃの料理を受け取る義務なんて注文者にあるわけないのですから、こうなるべきなのですが、現実にはこれはベストケースシナリオでしかない。
もう一度言いますが、関係者全員アプリの奴隷。
そうして、アプリ目線で考えると、ぐちゃぐちゃの料理を受け取り拒否されて、配達人が手に持っている状況というのは、注文がアクティブのまま、ステータスが「配達中」でスタックしてしまう(次の業務に移行できない)。
そこから先に進むには3択しかなく、
1.注文者がカスターマーセンターに事情を説明して注文をキャンセル処理してもらう、
2.注文者が受け取らないということから配達人が配達不能キャンセル処理、
3.配達完了扱いにする、
の3つ。
1がまさにベストケースシナリオですが、「こんなの受け取れない。今からウーバーに連絡してキャンセル(返金)もしくは再配達してもらうので、これは処分してください」と、自分でキャンセル処理を引き受ける旨の宣言を配達人に伝える必要がある。
そして、配達人がその処理を受け入れて初めて話が終わる。
続いて、2の配達不能処理というのは、インターホン押しても注文者が不在とかの場合の処理ですが、これは注文者に責任があることになるので、返金処理が面倒なことになる。
しかし、1の想定通りならず、受け取り拒否した時点で、逆ギレした配達人がアプリ上この処理をしてしまうと、注文者の手元には証拠がないし、話はややこしくなる(怒り狂ったとしても証拠がないのでウーバーとしては些細なことで受け取り拒否したクレーマーと区別がつかない)。
注文者が1を選択した場合、配達人としては、注文者がカスタマーセンターに連絡して(これがつながりにくい)、ウーバー側がキャンセル処理するまで、自分の受託業務はアクティブなままで次の作業に移行できないのでストレスがたまることになります。
そこで配達人が逆ギレしておかしな行為に出た場合に、証拠がない分、厄介なことになります。
とすると、結局は3番が一番無難で、配達完了にしたうえで、料理はぐちゃぐちゃだったので返金しろと写真と共にウーバーに連絡。
そして、この場合は、よくあるトラブルであり返金処理も迅速なので、この選択肢が一番合理的(配達完了扱いが感情的に気に入らないとしても)。
また、配達完了処理にすると、配達員は次の業務に移れるので、配達員を数十分間宙ぶらりんの状況において逆恨みされるリスクがないです。
なにより、配達員と見解が食い違うなんて話になると面倒なので(そうなったら証拠なしにウーバーを説得することは不可能)、証拠を自分で押さえて、とっとと返金処理を終わらせてしまうことが重要。
理屈上受取拒否はできるのですが、やらない方が無難です。
ウーバーイーツは怖い
ウーバーイーツは登録すればだれでも配達人になれるので、どんな奴が家まで来るかわからず怖い。
この不安は正当なもので、何も間違っていません。
その通り。
もっとも、そういった不安がある場合には回避策もあります。
ウーバーイーツの場合、必ずしも玄関先で直接受け渡しをする必要はありません。
配達人に部屋を知られるのが嫌であれば、部屋番号を書く必要は無く、配達メモ欄に「エントランスで受け取りますので、建物についたら連絡ください」「郵便受けの上においてください」などと書いておけば対応してくれます。
また、顔を合わせるのが嫌であれば、配達メモ欄に、「玄関前に置いておいてください」「ドアノブにかけておいてください」などと書いておけば、インターホン越しでのオートロック開錠のためのやり取りは必要ですが、配達員はお弁当を玄関先に置き、アプリのチャット機能などで「置きました」と伝えて、配達完了にします。
もっとも、アマゾンで置き配指定した場合と同様ですが、配達員は玄関前に弁当を置いた場合、後のトラブルを避けるため、部屋番号が写るようにスマホで弁当が前に置かれた玄関の写真を撮る人も多いです。
これは、後から受け取っていないとか言い出す輩が少なからず存在するために行う止むを得ない措置で、これに文句をいうのは筋違いです。
これが嫌であれば、直接受け取るか、ウーバーイーツの利用は避けるべきと言えます。
なお、個人的には、玄関前の置き配を指定する場合には、最初から配達メモ欄に書いておいてくれると嬉しい。
インターホン越しに相手は私の風貌を見ているわけで、玄関先にもっていってピンポン鳴らしてから、注文者に、「玄関前に置いていってください」と言われると結構へこみます。
一度、モスバーガーの袋を持って玄関のインターホン鳴らしたら、ドアが1センチくらい開き、「そこに置いて帰ってください!」と女性にヒステリックに叫ばれ、ドシン!とドアを締められた挙句、わざとらしく鍵をガチャンガチャンと閉められたことがあって、ちょっと傷つきました。
逆ギレするわけではないですが、どこの馬の骨が持ってくるかわからないから怖いというのはその通りですし、警戒するのもわかりますが、だからと言って、なにも配達人の恨みを買うような真似をすることはないのにと思います。
そこまで信用できないなら利用は控えた方が良いです。
(まあ、そういう怯えた人の場合、住所が特定されているということで、報復を恐れて何があっても絶対に配達員に低評価をつけてこないので、ある意味ラッキーとも言えますが)
個人的には、コミュニケーションが発生する以上は、笑顔で接した方がトラブルにあう可能性は低いと思いますけどね(これは私の認識が甘いのかもしれないけど)。
なお、パンツ一丁で受け取る男性はたくさんいるし、Hな漫画に出てくるような、パジャマの上着だけ羽織ったような格好で受け取る女性もたくさんいる。
届く食べ物はぐちゃぐちゃ
これは、ネットでもよくニュースになるし、注文したことがない人たちが一番気になるところのようです。
個人的な経験に照らせば、料理がぐちゃぐちゃの状態で届くことはほぼないです。
実は、2年前のサービス開始当初は、いろいろトラブルがあったらしいです。
しかし、当時利用していたのはIT起業家などの、ウーバーの本質を理解している人達。
この層は、ぐちゃぐちゃの料理が届いても、むやみに配達人に文句を言ったりはしません。
どこの馬の骨が配達するかわからないというサービスの本質を理解している人達ですから、クレームはレストランに言います。
こんな容器じゃ、荒い運転する奴がいたらグチャグチャになるにきまってるだろ、ちゃんと梱包しろと。
店と客とのそういった応酬と蓄積を経て、今ではどこも、びっくりするくらいきっちり梱包してくれます。
特に数の出るチェーン店や人気店はどこもしっかりしてます。
例えば、私がよく配達した浜松町のカレー店は、よくあるタイプのご飯とカレーで二つに区画分けされたプラスチックの容器ですが、ふたをした後、ラップで包み、そこからさらに十字にテープを巻いてくれます。
マックも、ただの持ち帰りとは異なり、ドリンクの蓋は2重にしてくれますし(コーヒーなどは、冷たい飲み物用の半透明の蓋をして、その上にコーヒー用の蓋をする)、ドリンクとそれ以外などでは紙袋だけでなくビニール袋も分け、万が一にもドリンクが食べ物にかかったりしないようになっています(通常のテイクアウト用とは明確に違う対応をします)。
他にも、スープ系は、横になってもこぼれないような頑丈な容器に入れてあるお店も多いです。
しかし、だからと言って100%完璧かと言えばそうではないです。
ここがおもしろい。
まず、寿司。
私もウーバーの配達を経験して初めて知りましたが、寿司の宅配というのはノウハウがあって、シャリも固めで、握りも強めにするらしいです。
そして、容器にある程度詰めて入れる。
しかし、そういったノウハウを知らず、流行りに乗ってウーバーイーツで宅配もやろうかと考えた寿司屋が、店で出すのと同じ握りをして、綺麗に皿に並べて配達員に渡す場合、自転車で運んだら、どんなに気を付けても100%ぐちゃぐちゃになります。
他にも、中華料理屋で、チャーハンとか餃子だけにしておけばいいのに、ラーメンまでウーバーのメニューに入れているのに容器が適当な場合もある。
自転車で運んだらこぼれるに決まってんだろ、と言いたくなるような適当な梱包をするレストランに限って、サービスの本質を理解していなくて、配達員に対して、絶対に揺らすなとか、プロとして丁寧かつ迅速に運んでくれとか、ごちゃごちゃ言ってくる。
界隈の常識として、汁物が紙袋に入っていたら大ハズレ。
しかし、梱包が適当なレストランに限って、こぼれたりする責任を配達人に押し付ける。
また、実際にこぼれた場合、最近は利用者も多くなってきたこともあり、全部配達人のせいにする注文者も多く、レストラン側に改善要求をしないから何も変わらない。
自転車で運ぶ以上、梱包が甘いレストランに当たってしまうと、それなりに丁寧に運んでもぐちゃぐちゃになってしまうのは当然です。
そして、そこはレストランに低評価をつけて改善を促すべきで、目の前の配達員に怒りをぶつけても何にもなりません。
もちろん、運転が荒い配達人が時々もいて、注文者から理不尽な低評価を一定以上もらうと、他人からの評価なんてまったく気にしない鉄人が誕生するらしく、数こなすこと第一で、料理なんて適当にバッグにぶっこんで、ロードバイクで車道を暴走するようになります。
まあ、個人的な経験上から考えるに、めったにないと思いますが、原因が配達員か店かはさておき、時にはハズレを引くこともあるくらいの心づもりで利用した方がよいサービスです。
また、注文者としては、ラーメンやつけ麺などの汁物を頼むのは要注意。
汁物がこぼれた時には、梱包が甘かったのか(レストラン側の問題)、配達人の運搬に問題があったのか、注文者としてはレビューで区別することが求められます。
その結果、適切な改善につながります。
理論上はそうなるはず。
しかし、これは建前で、注文者からすると、実際にはどっちが悪いかはわからない。
そして、配達人側からもその事情はわかるし、配達人への理不尽低評価が無くなることなどありえないのなんて百も承知。
その結果何が起こるかというと、専業配達人などのガチ勢ではない、副業組は揉めそうな配達は避けます。
ちょっとでもやばそうだと思ったらキャンセルします(料理を受け取る前のキャンセルは基本的に配達人の自由)。
私も、ラーメンとかは基本的に配達しません(とはいえ、きっちり梱包してくれ安心して配達できる店は配達します)。
ある意味副業組は、みな本業を持った社会人ですから、そういった社会人スキルを持った人ほど難易度の高い配達を担当するべきなのですが、実際は逆に、隙間時間にやる副業でトラブルに会うのは御免なので、副業組の場合、社会人スキルの高い人ほどややこしそうな配達はとにかく避けます。
また、専業組の経験豊富なベテラン勢にも、面倒な配達は一切引き受けないという人はたくさんいます。
したがって、注文者としては、丁寧に運んでほしいなとか、ハズレの配達員に当たりたくないなと思う注文ほど、望んでいない結果になる可能性が高いことは覚悟した方が良いです。
汁物だろうがなんだろうが、メニューにある以上はちゃんと配達してこい、ウーバーがきちんと対応すべき、というのはその通りなのですが、現状の仕組みがある限り、リスクが高い料理は、注文者の想像以上にリスクが高くなっています。
そしてそのリスクは少し想像力を働かせれば避けられる。
これに対して、いやいやその考えはおかしい、サービスメニューにある以上きっちり対応すべきで、私は声を上げ続ける、という真面目な注文者が声を上げればあげるほど、スマートな配達員は配達を避け、状況改善は遠のくかもしれません。
今は汁物関連でトラブルが多いです個人的には、どこの馬の骨が持ってくるかわからないが、だからこそ安くて便利というウーバーイーツにおいて、汁物を売ろうとするレストランと汁物を頼もうとする注文者が早くいなくなってほしいと思います。
時間通りに届かない
配達時間については不満を言っている人も多いですが、近場でかつピークタイム(昼や夕飯時)であれば、間違いなく想定時間内に持ってくると思います。
そこは安心していいです。
もっとも、最初に説明したように、お届け目安時間が結構いい加減な場合もあるので、そこは要注意。
地理的に、こんなところから本当に30分で届くのかなと不安になるような場所からの配達はそれなりに覚悟した方が良いです。
天候が悪い場合は、そりゃ遅れます。
あと、駅前や大きな交差点などの繁華街を通らなくてはいけない場合も自転車だと人混みにまみれて遅れます。
さらに、深夜や早朝など、近隣を流している配達員が少ない場合、引き受ける配達人見つからなければ、レストランで料理が出来上がっても、誰も取りに来ないのでそれが原因で配達が予定より大幅に遅れることもあります。
まあでも、そこらへんは、ある程度覚悟すれば予想の範囲に収まります。
しかし、このサービスの性質上、どうしても避けられないのが、配達を割り振られた配達人が新人の場合。
スマホを自転車に固定するホルダーをもってなくて、いちいち自転車を止めてポケットからスマホを出して道を確認したり、挙句に道に迷ったりして、配達が遅れることがあります。
ネットで、「ウーバーイーツ 遅い」で検索すると、よく出てくるのが、配達人が家の周りをぐるぐるしているというパターン(配達人の位置はウーバーアプリがGPSで追跡しているので、注文者はアプリで配達人が今どこにいるのかリアルタイムで確認できる)。
この、家の周りをぐるぐるというのは、配達人ならよくわかる。
これは、注文者の家がタワーマンションの場合なんだと思う(一軒家の場合、経験上、家の人が出てきて手を振ったり、迷ったと思ったら注文者がすぐに対応してくれる)。
マンションの位置が分からないのではなく、業者用の入り口が分からない。
港区で配達していると、注文のほとんどがタワーマンションですが、タワーマンションの場合、エントランスでインターホンを押して、オートロックを開けてもらい、エレベーターで部屋まで行くという、単純なものではありません。
配達員にとっては2択で、住人と同じエントランスから入り、コンシェルジュデスクで受付をするパターンと、業者はエントランスから入れず、裏口や地下にある防災センターのようなところで受付してから搬入用出入り口や専用エレベーターを使わなくてはいけないパターン。
これが、マンションごとに異なるため、初めて行くタワマンの場合、必ず手間取ります。
単にマンションの裏側に入り口がある場合でも、タワマンの場合、住人が自転車で入っていくための入り口とか、ペット同伴者用の入り口があったり、簡単にわからない場合も多い(+敷地がでかい)。
さらには、地下駐車場入り口の黄色い踏切みたいな設備の横にあるインターホンで防災センターを呼び出し、踏切を上げてもらって、自転車で地下に進み、駐車場の奥に行くと防災センターがあるなんて場合は、最初は絶対に分からない。
(なお、ネットにはバイク便の人達などが、タワマン別入り方の一覧などをアップしてくれているので、迷ったら素直に、「マンション名 入り方」で検索するのがベスト)
そして、タワマンの住人のほとんどは自分のマンションにおける業者の出入りルールなんて知らない。
そこに意識のギャップがあり、すぐ近くに来てからいったい何やってんだと、お怒りになられるケースがあります。
もっとも、アプリの配達人へのメモ欄に、「メインエントランスから右側に回り混むとファミマの前に管理人室があるのでそこの指示に従ってください」的なメモが書いてあることも多く、そういった場合はすごいスムーズにいきます。
大きなマンションの場合、配達メモ欄にヒントを書いてくれていると数分くらい配達時間は変わってくるので、注文者の方は是非ご利用ください。
なお、わからなかったら、チャットなり電話なりで聞けばいいじゃないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、現状ウーバーイーツの利用者はタワマン住みのお金持ちが多く、ホリエモンのようなタイプを想像してもらえばわかり易いかもしれませんが、そういう人たちは、忙しいから利用しているのであって、注文してからもやることがある。
その反面、リテラシーが高く、ウーバーイーツへの期待値も低いので、配達時間なんてよほど異常じゃなければ気にせず、仕事などに没頭して待っている。
その結果、多少遅くなってもいいから自力で持ってこいといった感じで、チャットや電話で道を聞いたりして手を煩わされるのを何よりいやがり、そういう配達人に低評価をつけるというタイプの方が多い。
なので、配達員としてはなるべく自力でたどり着こうとします。
しかし、中には、暇で、注文してからずっとGPSを見ているタイプの人もいて、道に迷ったのになんですぐに聞いてこないのかとお怒りになられるのですが、こちらとしてはランダム2択なのでどうしようもない。
(そもそも、英会話レッスンの道案内じゃないけど、日本人に口頭で道案内できる人がどれだけいるか不明だし、なにより私のような東京生まれ東京育ちで電車生活メインの人間としては、東西南北で道案内するタイプはさっぱり理解不能で恐怖でしかない)
ちなみに、下記は配達人泣かせの麻布のとある高級マンション。
グーグルマップに表示される入り口から業者は進入禁止で、ロシア大使館とアメリカンクラブをぐるっと回って別の入り口にたどり着かなくてはいけない。
熟成案件
熟成案件というのはウーバー配達人ならだれでも知っている面白い言葉。
上述した寿司屋のような、梱包が甘いレストランの場合、どう運んでもぐちゃぐちゃになったり、汁物がこぼれたりするのですが、最近では仕組みに詳しくない利用者も増えたので、多くの場合、注文者の怒りは配達員に向き、配達員に低評価をつけます。
他にも、ウーバーの配達人をやたら下に見たがる勘違いレストラン(料理のピックアップに行って店内に入ると、邪魔だから入ってくんなと怒鳴ってくる)、ウーバーなんて外で待たせておけばいいんだよと店内を優先して配達用の料理が出てくるのが遅いレストランなどがあります。
こういったレストランの場合、配達員としては、料理がぐちゃぐちゃとか配達がおそいとか、責任を転嫁されて、客やレストランに低評価をつけられるリスクが高まります。
そこで何が起きるか。
そう、配達員がそこのレストランからの依頼を受けなくなるのです。
私なんてまだ250配達しかしていませんが、既にいくつかブラックリスト入りレストランがあります。
ウーバーアプリ上に依頼が来て、一旦受諾して初めてレストラン名が分かるのですが、その時点ですぐにキャンセルします。
なんといってもウーバー配達人は歩合制の個人事業主ですから、依頼を受けるかどうかは自由です。
(もし、キャンセルの自由が無いのであれば、それは指揮命令系統が存在する雇用関係に近くなり、束縛時間に対する時給を払えなんて方向に行きます。)
そうすると、悪名高いレストランの場合、注文が入り、料理は出来上っても、ある程度経験のある配達人はみんなピックアップをキャンセルし、一向に配達人が決まらないという事態が発生します。
そして、カウンターの上に出来上がった料理が30分ほど放置され、やっと取りに来る配達員はそのレストランのことをよく知らない新米配達人。
追加で散々道に迷った挙句、焦って自転車を飛ばして、届いた料理がぐちゃぐちゃという事態が起きる。
しかも、配達人には注文者が注文した時間を知ることは基本的にできないので、注文してから1時間以上経過したのもしらず、「どうも、ウーバーイーツでーす!」などと、精いっぱいの笑顔で料理を渡します。
その結果、配達が滅茶苦茶遅れた上に、届いた料理はぐちゃぐちゃ、さらに、配達員はすみませんの一言も言わなかったと、ブチギレて、SNSに怒りをアップします。
このように、配達人が料理を取りに行った時点で既に30分くらい経過してしまった案件を熟成案件と言い、一定以上経験を積むと、店員の態度とかでなんとなくわかるようになるのですが、ある程度経験のある配達人は皆、詳しくない地域のレストランで熟成案件を引くことを恐れています。
特に、配達員は注文が入った時間を知ることができないという仕組みは早めに直してほしいところで、先日、とある中華料理屋から依頼があり、私としては、依頼が来てから3分くらいでピックアップ完了し、10分くらいで届けたので、これは高評価もらえるだろと、お持たせしましたーと言いつつにドヤ顔で渡したのですが、渡すときに注文者が滅茶苦茶キレてる時がありました。
店で商品を受け取ったときに、レシートみたいな店用の紙が弁当に貼ってあって、私の方でかばんに詰めるときに、邪魔くさいと取ってポケットに入れていたので、帰りのエレベーターで慌ててその紙を見たら、注文時間は11時05分、私が取りに行ったのが11時45分くらいで、届けたのが11時55分くらい(しかも焼きそば一個)。
そりゃキレると思うのですが、その件はたまたま紙が貼ってあって分かっただけで、配達人は基本的に注文時間を知らないので、熟成案件であっても、自分が道に迷ったとかでない限り、注文者に渡すときに、「遅くなってすみません」とは謝りません。
ウーバーの配達員はどんなに待たせてもすみませんの一言も言わないなんて風評がありますが、1時間を超えるような案件の場合、間違いなく熟成案件で、届けた配達人は謝らないと思います。
だってどれくらい待たせているかは知らないんだもん。
そこは許してください。
というより、配達人が悪いかのかどうかはちゃんと判断してほしい。
なお、ブラックリストという言葉が合うような変なレストランもありますが、例えば大戸屋のように(ヘビーユーザーならだれでも知っていると思いますが)、梱包は完ぺきなのですが、いったん厨房がスタックすると、料理の出てくるのが異常に遅くなるレストランもあります。
大戸屋なんかで、店に到着して注文番号告げて、店員にあと10分くらい待ってくれなんて言われたら絶対に10分では出てこないのですが、その待ち時間に対しては誰も一円も払ってくれないので、配達人は自分から注文をキャンセルして店を去ります。
そして、そういうことが起こりえるというだけで、昼時などは、なるべく配達は避けるようになります。
配達人としては、店でボーっと料理が出てくるのを待つというアイドル時間をさけたいのもそうですが、何より、熟成案件を掴まされ、最速で配達したのに、理不尽低評価をくらうというのをとにかく避けたいのです。
こういった悪循環を生み出すのが熟成案件の怖さですが、この根源は、遅れた原因を適切に判断しない注文者にあるともいえます。
そして、次に悪いのは、配達人が近寄らなくなるような事態を生み出しているレストラン。
しかし、注文者の多くは、配達人やウーバー本部は叩くのに、なぜかレストランには優しかったりする(出来上がった料理を誰も取りに来てくれなくて、かわいそうとか、被害者とか、本当は厨房がキャパオーバーになった時点でネット経由の注文をレストラン側が止めないといけないのに、それを適時適切にやらないレストランこそが元凶)。
ダブル配達と真逆ダブル
これも、注文者は知っておいた方が良い話です。
例えば、先月にケンタッキーがウーバーイーツ用の大盤振る舞いのキャンペーンをやっていて、内容は、ウーバーイーツ用の500円のセットを配送料0円で提供するというもの。
つまり500円で、店で食べても得なセットが追加料金なしで家に届く。
案の定、ランチタイムや夕飯時に注文が殺到。
ピークタイムに特定のレストランに注文が殺到すると何が起きるかと言うと、街中の配達人を片っ端からそのレストランに集めるわけにはいかないので、ダブル配達、つまり配達人が、レストランから2個分の依頼を受けるという事態が起きます。
つまり、配達人は、レストランから、注文2個分の料理を一度に受け取ります。
その場合、配達人としては、その内の一個を、まずアプリに表示された1件目に配達し、それを完了すると初めて2件目の配達先が明らかになり、そこに向かうことになります。
配達人としては、1件目を完了するまで2件目の配達先はわかりません(どっちを先にするとか自分で決めることは一切できない)。
この場合、2個目の注文を受けるかどうかは配達人の選択なのですが(もちろん拒否することもできる)、ウーバーの配達人は完全の歩合制で動いていますから、1件配達したからと言って、次の注文がすぐ来るとは限らず、その点一気に2件受注するダブル配達というのは基本的に美味しい話です。
また、仕組みを考えると、特定のレストランに注文が殺到している時には、ダブル配達を使った方が全体最適には近づきます(たぶん)。
しかし、簡単に想像できるように、ダブル配達の場合、2件目の客でキレる人が多い。
なんで自分を後回しにしたのかと。
特に、仕組みをよく理解していない人の場合、一件目の配達が先にあるという事態を理解せず、「お前、全然違う方角に行って油売ってただろ、こっちは全部GPSで見えてんだ!」とキレたり、配達人が欲を出して2件配達を選んだと勘違いし(拒否する権利がある以上間違ってるわけではないのですが、全体最適には不可欠な処理)、「欲出して2件分の料理ピックアップしてんじゃねーよ」とキレたりします。
玄関先でキレられるかどうかはさておき、基本的にダブル配達をすると、配達人は2件目の客から低評価をつけられる確率が高いです。
さらに、基本的にダブル配達というのは2件が同じ方向で起きるのですが、先ほどのケンタッキーのようなやりすぎキャンペーンの場合、処理できなくなって、真逆ダブルということが起きる。
つまり、1件目がレストランから2件目の道のりの途中にないどころか、店を起点に1件目と2件目が真逆にあるケースを真逆ダブルと言います。
真逆ダブルの場合、それぞれの家がレストランから2kmの距離に家があるとしても、配達人は真逆の1件目に寄ってからくるので、店から6km位かけてくることになる。
私も一度、新橋のケンタッキーから、最初は赤坂6丁目に届け、2件目は八丁堀ということがあり、2件目の配達完了にものすごい時間がかかりました。
これが、悪名高き真逆ダブル。
さすがにそれ以降、ダブル配達の受諾はしなくなりました(ちなみに八丁堀のお客さんは、私が赤坂から猛スピードで飛ばしてくるのをGPSで見ていたのか、お疲れさまと労わってくれて、低評価はつけられなかった)。
全体最適を考えると、ベテラン配達員こそがダブルを受諾するべきなのですが、ダブル配達は2件目の客から理不尽な低評価をもらう可能性が極めて高く、その結果、一定以上経験のある配達人にはダブルは絶対に受けないという人が多く、ダブルを受けるのは新人のみという事態になっています。
これは、「市場の失敗」じゃないけど、レビューシステムが機能しない面白い例だと思います。
AIは全体最適を考えているのに、注文者は自分のことしか考えず(当然だけど)、その怒りが配達員に行く結果、ベテラン配達員がダブルを避け、全体最適が遠のく。
もうちょっと抽象的に言うと、高評価率の高いベテラン配達員というのは、厄介なレストランを避け、面倒なダブル配達を避けることで、高評価を達成しているとも言え、しかし、どこかで特定のレストランに注文が集中という歪みを解消しなくてはならず、それはある意味新人の犠牲に成り立っているといえるのかも。
高評価率100%のドライバーがいたら、その人は優秀な人ですが、間違いなく面倒な案件は避けていると言え、本当は、高評価率90%くらいで、来た依頼を全部受けてこなしている人こそがシステムを支えているともいえる。
とりあえず、注文者としては、有名チェーン店系でお得過ぎるキャンペーンがあったら、ダブルに当たるリスクは覚悟した方が良いと思います(個人的にケンタの次に大戸屋かモスバーガーあたりがやりそうな気がする)。
クレームとクレーマー
以下では、クレーマーにならないための小話を紹介します。
住所間違い
ウーバー配達をやって一番びっくりしたのがこれ。
確かにウーバーアプリはちょっとわかりにくいところがあるのですが、だからと言って、ここまで住所を間違って入力する人が多いとは思わなかった。
(下衆の勘繰りですが、ネットに散見される、配達が遅いというケースの大半がこのパターンなんじゃないかと思います・・・)
特に、住所入力の時に、GPSをつかって現在地の候補が出てくるのですが(全然正確じゃない)、それを訂正しないでそのまま載せる人の多いこと。
また、住所欄に何も書かず、マンション名欄に番地を書く人も多い。
さらに、ウーバーの初利用でどんな輩が持ってくるか不安だからといって、住所をぼかして書く人もたくさんいます。
番地を最後まで書かない、マンション名を書かない。
不安は理解しますが、それじゃ届けようがないってば。
多少間違ってても届けられるだろうと思う人もいると思うので詳細を解説します。
ウーバーの配達人用のアプリは地図機能があり、グーグルマップと連携しているので基本的に正確です。
しかし、地図アプリならではの厄介な問題があります。
例えば、グーグルマップに、東京都港区と入力すると何が起きるか。
港区全域が色分けされるとかではなく、港区役所にピンが立つ。
このように、港区六本木1丁目などの中途半端な住所を入れても、そのエリアの適当な場所にピンが立つ。
この機能が仇となり、マンション名が分かれば番地を最後まで入力しなくてもわかるだろうと、芝大門1-2-3なのに、芝大門1-2と入力すると、1丁目2番地のどこか(この仕組みがよくわからない)にピンが立つ。
また、住所に変な入力をして、グーグルマップが読み取れないけど、別枠に用意されている郵便番号欄に105-0012とか入力していると、これまた、郵便番号に基づいて、地図にピンが立つ。
配達人としては料理を受け取り、配達先が地図上にピンが立ったら基本的にそこに向かいます。
そしてそこに着いて初めて気づくわけです。
ここじゃないと。
その時に、マンション名を書いておいてくれれば、すぐにマンション名で検索しなおしてたどり着けますが、マンション名がないと、その場で注文者に電話かチャットをしますが、住所を正確に書かないタイプの注文者の連絡のつかなさは基本的に高い。
また、配達人は新人時代に、このピンずれの事態を数多く経験するので、私もそうですが、ある程度慣れてくると、アプリが自動で立てたピンに向かわずに、必ず、地図アプリに注文者の住所・番地を手入力して検索しなおすという作業をする人も多い。
しかし、これをやっても、番地が途中で終わっていたり間違っていると変なところにピンが立ちます。
そして何より、たどり着いたときにマンション名が一致するのが一番大事です。
マンション名が未入力の注文者にチャットなどでマンション名を聞くと、番地からわかるでしょなんて答えが返ってきますが、こちらからすると、番地が正しく入力されているかどうかの保証がまったくないので、建物名だけは確認しないと怖いわけです。
このように、住所を正しく入力しないと配達が数分以上遅れるので、マンション名を含め正確に入力した方がよいです。
番地が正確ならマンション名は不要というのはその通りですが、配達人としての経験に照らすと、マンション名が空欄の人が、番地を正確に入力しているかどうかはかなり不安。
商品間違い
これは、注文したものと違うものが届いたり、一部足りない場合。
これで配達人にキレるのは、ただのクレーマー。
仕組みを理解していないのにもほどがある。
マックのハッピーセットにおもちゃが入ってない、アイスティーじゃなくてアイスコーヒーが入ってた、大盛頼んだのに普通盛だった。
怒るのは分かるが、なぜ配達人に低評価をつけるかなあ。
注文者の代わりに買い物してくれる買い物代行か何かと勘違いしているのか。
こちらは、レストランに行って、注文番号は確認するけど、中身は確認しません。
そもそも、袋をガサガサ開けるわけにいかないし、上述したように最近は梱包も厳重だから、中身なんてわからない。
基本的にレストランから渡されたものを届けるのが配達人の仕事(他の注文者と混同しないように注文番号は確認するし、注文の概要は見れるので、1人分か数人分かくらいはチェックしますが、中身はチェックしようがない)。
玄関先で料理を渡したので帰ろうとすると、「ちょっと待って」なんて言って、これ見よがしに、袋をがさがさ開けて中身チェックする人がいますが、中身が違うとクレーム言われても、そんなのウーバーのカスタマーセンターに言ってくれとしか・・・
配達メモ
配達人へのメモ欄に、よくわからないことを書いてくる人も多い。
記事の最初の方に、よくある勘違いとして書きましたが、おそらく、レストランが料理して、「ウーバーイーツが配達するサービス」という理解をしているのかな。
そして、配達員をウーバーの従業員か何かと勘違いしているから、配達員に注文の補足を伝達しようとしているのかと思います。
配達人は、注文者の注文に基づいてレストランが用意した料理について、レストランから注文者まで配達することを、レストランから委託を受けた独立の個人事業主(そのマッチングをウーバーがやっている)。
そして、配達メモは、注文者が配達人に伝える事項を書く欄です。
まあ仕組みの詳細はさておき、配達員が配達メモを見れるのは、レストランから料理を受け取って、ピックアップ完了処理をアプリ上でした後。
料理を受け取る前は、ピックアップ先のレストランの情報しか見えず(厳密には注文者のユーザー名も見れる)、配達メモは見れない。
そして、配達メモは、玄関先においてくれとか、エントランスで受け取るとか、会社の受付で内線1111に連絡してとか、そういった配達に関するメモを書く欄。
したがって、時々配達メモに、「日本人の配達員でお願いします」とか、「外国人の配達員はやめてください」とか、かなり危ないこと書いてる人いますが、何の意味もない。
それどころか、料理を受け取った後にそのメモを見た外国人配達員の恨みを買うだけ。
また、「ケチャップ2つ」とか、「ドリンクは氷抜きでお願いします」とか、書く人が結構いるのですが、それはレストランに言ってくれ。
商品をかばんに詰めてから言われてもどうしようもないです。
仕組を理解して正しく使いましょう。
ウーバー配達人は接客スキルがない
そんなことはないです。
ただ、原因は思い当たる。
これは配達という仕事をして初めて知ったのですが、皆さんは配達業者が来て、家のインターホンが鳴ったときどうします?
個人的にびっくりしましたが、マンションのエントランスのインターホンで、部屋番号押して呼び出したとき、相手がピッと通話ボタンを押して、「はーい」って出るのは半分以下。
私(部屋番号入れて呼出)ピンポーン、住人「はーい」、私「ウーバーでーす」、住人「お願いしまーす」開錠っていうのが標準なのかと思っていましたが、これは半分以下。
2割くらい、通話ボタンを押さずに開錠する人もいますが、これはまあ分かる。
問題なのは3割くらいはいるであろう、ピッと通話ボタンを押すものの、無言の人。
なんなのこれ。
しかも、高級マンションのインターホンだと、液晶画面があって、住人が通話ボタンを押すと、画面表示が「呼び出し中」から「通話中」に代わるので、住人が無言でも、こちらから「ウーバーでーす」と言える。
しかし、よくあるシルバーのタイプ(赤いランプが点灯するやつ)の場合、相手が通話ボタンを押したことは、ピッていう音しか気づく方法が無いのですが、マンション前を車が通っていたり、他の住人が出入りしているとこの音が聞こえない。
そうすると、相手は出て、じっとこちらを見てるのですが、こちらとしては、居ないのかなとじっと待ってる。
そうしてると、ちょっと相手方の物音が聞こえたりして、相手出てるんだと気づいて慌てて名乗ることもありますし、気づかないまま、相手がやれやれと言った感じで開錠することもある。
ウーバーの配達員はウーバーだと名乗らずに無言で気持ち悪いとか、まともな挨拶スキルがないとか、ネットで批判している人がいますが、「はーい」って出てくれれば、「ウーバーです」と名乗るに決まってるし、そこで無言の配達員なんて100%いない。
自分は一言もしゃべらないけど、挨拶しろなんていうのは、そっちの方がどうかしてると思います。
でも、ウーバーの配達員は挨拶スキルがひどいとかいう人って、たぶんこのケースなんだと思う。
あと、玄関先で受け渡すときも、ドアを開けて「どうもご苦労様です」「ちょっと入り口で迷っちゃってすみません」なんて会話しながら受け渡すこともあるし、ドアは開けるけど終始下を向いて無言のまま一切目を合わせずに受け取る人もたくさんいる。
中にはドアを数センチしか開けずに手だけ伸ばして、手探り状態で料理を受け取ろうとする人も結構いる。
まあ、これは女性だと、化粧してないとか、具合が悪くて寝込んでいてパジャマ姿とか事情があるんだろうから理解できる(芸能人?)。
ただ、ネットで、「先日ウーバーの配達員をマンションで目撃したけど、料理を手だけ伸ばして受け渡ししていて、信じられない、目を見て笑顔で受け渡すのがプロの配達員なのに、やっぱりまともな人材を使っていないんだろう」なんて批判している人がいて、いやいや、いろんな人がいるんだよと。
配達人によるキャンセル
これも面白い仕組み。
配達人は個人事業主であり、ウーバーとは正規・非正規問わず雇用関係はありませんから、ウーバーから配達人への指揮命令権限はありません。
つまり、配達人はウーバーからの依頼を受けるかどうかは自由だし、途中でキャンセルするのも自由。
もっとも、ウーバーから依頼があったときに、最初は2段階です。
1.最初は現在地からの移動時間のみ表示
2.受諾して初めてレストラン名と住所が出る
つまり、レストランまでの移動については1円も払われませんから、ここから10分の距離のレストランから依頼がありますという第一段階でもまず、拒否ができます。
遠すぎると。
そして、ここから3分の距離から依頼がありますと来て、それなら引き受けると応答したところ、表示されたのが悪名高いラーメン屋だったとします(当店のらーめん容器は大変こぼれ安くなっておりますので、絶対に揺らさないでくださいとか配達人向けにメモがあったりする)。
そこでも、そのレストランなら行かないとキャンセルできます。
問題はレストランから料理を受け取った後に配達を止める場合。
まず、住所不備で配達先が分からないとか、注文者がインターホンを押しても出ないような、配達不能の場合。
この場合はルールがあり、配達人はアプリ経由で注文者に電話をしなくてはいけません。
そして、電話すると、アプリ上10分タイマーが起動します。
そして、10分の間に追加で2回電話しなくてはいけないのですが、そのまま10分間連絡がつかない場合、配達をキャンセルしてもOk。
その場合、正規の配達料がもらえますし、カバンの中の料理は廃棄(自分の胃の中に廃棄してもいい)。
新人は、住所不備でもある程度近づいて散々探し回ってから10分タイマーを回し始めますが、ベテランになってくると、住所不備の状況を見て、これは時間とられるケースだと直感で感じたら、向かう途中で電話かけて、タイマー回し始めます。
初めて注文した人で、注文してからずっとゲームかなんかやっていて、30分後にもうそろそろ来るかなーとスマホを見たら、着信3件と共に、ウーバーアプリ上に、配達員がたどり着けなかったため配達はキャンセルされましたなんて出ているかもしれないので、利用初心者は要注意(それは注文者都合のキャンセルなので料理は届かなくてもお金とられる、たぶん)。
また、それ以外に配達人の自己都合キャンセルがあります。
この取り扱いはちょっと外資っぽくて新鮮。
ウーバーイーツの配達人には、一定上の好成績者にゴールドパートナーという称号が与えられます。
(まあゴールドパートナーになっても収入は変わらないのですが、ウーバーイーツ利用のクーポンがもらえたりする)
面白いのがそのゴールドパートナーになる条件。
3つあり、
1.3か月間で500配達以上
2.直近100件で高評価率98%以上
そして、3つ目が面白い。
3.過去3か月間で、配達人都合のキャンセルが5件以内。
つまり、料理を受け取ってから自分都合で配達を放り出すという、配達人都合のキャンセルを、3か月で5回までは、ゴールドパートナーですら認められるということです。
これは外資っぽい規定で、要するに配達人にだって事情があるということ。
配達中に、保育園から、子供が熱を出したと連絡があるかもしれません。
その場合に、「今牛丼の大盛り一個を麻布十番まで配達している途中なので、これを届け次第保育園に行きます」なんてやらなくても、カバンの中身を廃棄してすぐに自分の生活を優先していいわけです。
この場合、もちろん注文者は迷惑をこうむりますが(当然返金される)、そこは同じ社会の住人としてお互い様です。
注文を途中で放り出すとは何事か、プロなら家族を犠牲にしてでも完遂しろなんて誰も言いません。
3か月で5回以内であればゴールドパートナーになれますし、それ以上やってもすぐに首になることはなく、やるたびに損害を賠償しろともなりません。
一定以上やりすぎると警告が来て、それでも改善しない場合にアカウントが停止になるというだけです。
一番最初に書いたプロ意識とリテラシーのジレンマではないですが、こういうサービスが日本に受け入れられるのか、個人的に興味深いですが、自分達の首を絞め合ってる日本社会を変えるきっかけになればいいなとも思います。
配達小話
悪質な配達員
先日大量の中華料理をとある撮影スタジオに運びました。
到着したら、既に入口のところで外国人の配達員が待っていて、スマホを見せてきました。
注文この人じゃない?と。
スマホを確認すると、同じ名前だったので、同じ人ですねと言いました。
そうしたら、その外国人の配達員が、いま電話しても連絡つかず相手からの応答を待っていると、起動中の10分タイマーを見せてくれました。
ああそうなんだ、連絡つかないんだと思いつつも、でも目の前の半開きのドアの向こうで、数人の女性スタッフが衣装をもって行ったり来たりしています。
その外国人配達員に、中の人に声かけたの?と聞いたら、していないと答えます。
なので、私はドアを開けて、中にいる女性スタッフの人達に、ウーバーですけどと声をかけたら、すぐに、ありがとうございますと言って、何人かが料理を受け取りに来ました。
なので、もう一人来ていますよと伝え、外国人配達員と一緒に料理を渡しました。
私が渡したのは大量の中華料理。
しかし、その外国人配達員が渡したのは、どこぞのすごい高そうな弁当2つ。
おそらく私が配達したのがスタッフの分で、その高級弁当はモデルさんとかの分なのでしょう。
そこで分かりました。
ああ、コイツ、わざと声かけないで、おそらく電話もワン切りして10分タイマー起動させて、配達キャンセルにして、弁当自分のものにする気だったのだと。
ちょっと日本語に不備があったので、中に入っていくのをためらっていただけかもしれなくて、真実は不明ですが、こういう配達員がいるのも事実です。
タワーマンションのコンシェルジュデスク
港区を中心にウーバー配達をやっていると、ほとんどの配達先は高級タワーマンション。
高級タワーマンションの中を見るなんて普通はできないので、不動産屋とか隠れてやってるんじゃないかと思うところもありますが、いろいろ比較するとおもしろいです。
まず、コンシェルジュデスクの対応(以下は極めてサンプル数の限られた主観的な観測ですが)。
上述したように、タワーマンションの場合、業者はエントランスから入れず、裏や地下の搬入口から入らなくてはいけない場合が多いですが、食べ物のデリバリーの場合、エントランスから入っていい場合もあるので、張り紙とかがない限り、とりあえずエントランスから入っていくことが多いです。
その時の対応で、タワーマンションのカラーが分かります。
まず、超がつくような港区でも屈指のタワーマンションの場合。
この場合、裏口から入らなくてはいけないのに間違って正面から入ってしまった場合でも、コンシェルジュがすごく丁寧に対応してくれ、次回からどうすればいいのか建物外観図などを示しながら丁寧に教えてくれます(全部じゃないけど)。
そして、あるスーパーマンションでは、今回は初回ということもあり、料理が冷めてしまっては元も子もないですからといって、正面から通してくれました。
次が芝浦などのベイエリア。
ここら辺は、間違いなく高級ですが、超高級でもなく(お前はどの立場なんだと突っ込まれそうですが)ファミリー層が多いからか、皆フランク。
しれっとエントランスから入っていくと、「兄ちゃん、右回りに行くと管理人室があるからそこから入って」なんて、笑顔で言われます。
問題は、超高級エリアからちょっと外れたところにあるタワーマンション。
エントランスから入るなり、「業者なのになに正面から入ってきてんの!」と怒鳴りながら、手で追い払うような態度を取られます。
要するに、コンシェルジュが業者相手に威張ってる。
たぶん、これ、住人が威張ってるから、そうなってるんだと思う。
あと敷地内に自転車や原付を置いてはいけないというマンションがいくつかあって(超高級にそういう理不尽なところはない)、敷地外の歩道とかに停めて歩いてマンションの敷地の中に入っていかなくてはいけないのですが、意味もなく時間がかかるし、そうなら出前も禁止しろと言いたいです。
自転車はまだいいけど、バイクの人達は駐禁リスクがあって本当に困ると思う。
あれはいったい何がしたいんだろうか。
タワーマンションのセキュリティ
これも面白いと思いました。
これは、高級かどうかではなく、管理会社の能力がもろに出てる気がします。
個人的に一番しっかりしていると思うのは、デリバリーの業者も正面エントランスから入らせるタイプのマンション。
コンシェルジュデスクで受付すると、コンシェルジュが部屋に内線をかけ、ウーバーを呼びましたかと聞き、住人から確認を取ると、コンシェルジュがオートロックを開け、その先の業務用のエレベーターを指示するパターン。
これは少数派ですが一番確実な方法だと思います。
その点一番多いパターンは、形式ばっかりでちょっと怪しい。
典型的なのは、裏側の防災センターで受付して、搬入口から入って業務用エレベーターを使わせるパターン。
ここで、防災センターで受付するときに、面倒くさいマンションがあり、名前や電話番号を書くだけでなく、免許証を見せろとか、中には、防災センターの人が、記入した電話番号に電話するから、スマホが鳴ってるところを見せろなんて言うのもある。
面倒ですし、厳重そうな気もします。
ただ、そういったところのほとんどで、受付を済ませると、タッチキーを渡される。
何が問題かって、記帳するときにどの部屋に用があるか、201号室などと部屋番号を書くのですが、本当にその部屋に呼ばれているかどうかのチェックがない。
もちろん、タッチキーが有っても、インターホン鳴らして入ってなんて言われますが、でかいタワーマンションの業者用の入り口なんて、佐川、ヤマト、郵便局、アマゾンなどがしょっちゅう出入りしていて、入るのなんて簡単。
こういうのは、管理会社がやってる感を出しているだけのような気もします。
また、中には、コンシェルジュデスクに綺麗なお姉さんが二人とか座っていたので受付しようと行き、私「ウーバーですけど」、コンシェルジュ「ウーバー?、なんですか(笑)?」、私「宅配できたのですが、受付は・・・」、コンシェルジュ「受付?、エレベーターはあちらですけど(笑)」みたいなところも複数ある。
何のためにあんた座ってんだと言いかけましたが、まあ、楽なので、お言葉に甘えました。
部屋が埋まってないから内覧客用に綺麗なお姉さん配置してるだけで、全部売れたら受付は無人になったりして。
カレーと牛丼
ウーバー配達をやって分かった発見の1つに、日本人は本当にカレーが好きというものがあります。
カレーを運ぶことは本当に多くて、しかも、街にはカレー屋がたくさんある。
私も、何年も働いているスタジオの近くにこんなにも知らないカレー屋があるとも思いませんでした。
しかも、よくわからないカレー屋のカレーを遠くに運ぶことも多く、カレー好きがいろいろ吟味しながら試してるんでしょうね。
ウーバーやって面白かったことの一つですが、自転車でうろうろすると、よく知っていると思っていた地元を再発見できます。
へー、こんなところにこんな店があったのかと、自分が配達した店に一人で食べに行ったことがすでにたくさんあり、六本木や麻布に良く届ける店があると、必ず行きます。
また、レストランというよりただのマンションの一室みたいなところもある。
しかもその店(?)は、パスタ専門店とか、チャーハン専門店とか、複数の名前を使っていて、ピックアップに行くと、ただの厨房しかなくその中でにぎやかに色んな料理を調理しているのですが、注文した方は、今度この店行ったみたいねなんて話してるのかと思うとちょっと面白い。
行っても店ないよ(まあ店なくてもいいし、何も悪くないんだけど)。
でもかなり注文出てるから美味しいんでしょうね。
また、牛丼を届けることも本当に多い。
タワーマンションの受付であれこれ記入したり、偉そうなコンシェルジュに免許証見せたりしながら、カバンに入ってるのは、吉野家の牛丼なんだけどなあ、と思うことはよくあります。
お金持ちでも食べるものはみんな一緒なんですね。
さらに、高級タワーマンションで、間違えたりして住人用のエレベーターに乗ってしまったこともありますが、いざ乗ってみると、共用スペースでタバコ吸うなとか、共用スペースの備品紛失の件とか、エレベーター内でペットに排泄をさせるなとか、ゴミ置き場に粗大ごみ置いたの誰だとか、注意事項を書いた張り紙だらけのエレベーターというのはちょいちょいあります。
また、ホットモット大門店のから揚げ弁当1個を勝どきに届けたことがあって、そんなにホットモットのから揚げが食べたいのかと疑問に思いましたが、届けた先のマンションの目の前にオリジン弁当がある。
オリジンのから揚げでいいだろとも思いましたが、もう食べ過ぎて飽きたんでしょうね。
そういう気持ちは、ちょっとわかるところがあり、ウーバーイーツこれから相当普及するなと確信しました。
タピオカ
タピオカを運ぶことは多いです。
しかも、1個だけ。
あのでかいバッグにタピオカ1つ入れて運んでいるウーバー配達人はたくさんいます。
しかも、長距離配達が多め。
三田の慶応大学の周りにはいくつかタピオカ屋がありますが、そこから、広尾、白金高輪、麻布、赤坂と、30度を超える陽気の中、坂道だらけの港区を汗だくになって、高級タワーマンションの40階とかで待っている綺麗なお姉さんのために、タピオカ1つを配達することはよくあります。
左翼文学ではありませんが、「見よ、これが資本主義だ」とつぶやきたくなります。
今後の話
レビュー制度の未来
前述しているように、ウーバーイーツでは、注文者、レストラン、配達人が3者間で相互にレビューします。
配達人も、レストランや注文者を評価します。
しかし、現状、レストランに低評価が集まると、ウーバーの方で改善を促すという流れがあるようですが、配達人は、低評価が集まっても特にペナルティはないです。
もちろん、建前上は、一定以上低評価が集まると、アカウント停止になるのでしょうが、現状は普及が最優先で配達人を大募集している状況なので、よほど悪質な場合はさておき、低評価が多くてアカウント停止になったなんて話は聞いたことがありません。
しかし、普及キャンペーンがひと段落し、配達人も十分に集まったら、一定以上低評価が付くと警告が行き、それでも改善しない場合はアカウント停止という処分が、ガンガン始まるんでしょうね。
外資だけあって、一定数以上の配達人が確保出来たら、低評価の配達人を容赦なく排除するとともに、競争を利用して全体の報酬も下げていくんでしょうね。
そう考えると、ウーバーイーツ配達人は結構稼げるという情報が今はたくさん出ていますし、やってみて確かに悪くない稼ぎだなとは思うのですが、今後は非情な未来が待っているような気もします。
まあ、それは仕方がないとして、問題は注文者の方。
現在すでに、クレーマー客はたくさんいて、サービスの仕組みを理解せず、レストランや配達人に理不尽な低評価をつけるモンスターが多数報告されています。
もちろん、その注文者に対しては、レストランや配達人からも低評価をつけますし、ウーバーイーツに幻滅して利用をしなくなってくれて一向にかまわないと考えています。
しかし、何といっても、ウーバーイーツは非常に安くて便利ですから、その便利さに負けて利用し続けつつも、常に文句を言い続けるというタイプのクレーマー客は今後ますます増えていくと思います。
当然、レストランや配達人からその注文者に対する低評価も増えるでしょう。
そこで、ウーバーとしては、いずれ悪質な注文者もアカウント停止にして利用停止にすると思いますが、どの程度強気にやるか、そこに興味があります。
もういい加減、色んなサービスが、一部のおかしなクレーマーのせいで潰されるのはうんざりしている人も多いかと思いますが、日系企業だと、よほどのことがない限り、アカウント停止(出入り禁止)はやりません。
しかし、ウーバーイーツというのは、本質的に、際限ないサービス向上を求めるクレーマーに付き合っていたらきりがないサービスで、仕組みを理解しない客には出て行ってもらうことは不可欠ですから、一定以上の悪質客には、ためらいなくアカウント停止処分をやっていくだろうと思います。
もしかしたら、弱腰でやらないかもしれませんが、それをやらないとサービスを維持できないと思うので、今後のサービス業の未来を示すためにもぜひ強気でやってもらって、リテラシーの高い関係者だけが集まる、良い感じの閉じたサービスになれば面白いなと思います。
そして、それが少数のクレーマーに乗っ取られ閉塞感と疲弊感が漂っている日本のサービス業をどう変えるかは期待して見守りたいと思っています。
世論的には配達員やウーバーを叩く記事が多いし、受け入れられやすいんだろうけど、現実としては、おかしな配達員の割合と同じくらいの割合でおかしな客がいますからね。
こんないい加減なサービスは日本では根付かないなんて意見も強いですが、客も含めて悪質な構成員をばんばん排除すればそこそこのクオリティで回るはずで、その前に、ヤマトで再配達申し込みを何回もやって受け取らずに平然としている客がたくさん放置されているうちにアマゾンの置き配が普及しつつあるように、顧客本位の有料サービス企業がクレーマーに潰される方が先のような気がする。
労働組合の話
最後は労働組合の話。
ウーバーイーツには、ウーバー社、レストラン、客、配達人という4種類の登場人物があります。
この4者は本来対等ですし、職業に貴賤は無いのですが、やはり肉体労働ということもあり、配達人が下に見られがちです。
その結果、上述したように、何らかの歪みが生じると、配達人が不満のはけ口とされることが多く、悪質なレストランやクレーマー客を配達人がいくらウーバーの運営に報告しても、レストランや客をサービスから締め出すようにウーバーが動くことはありません。
その結果、配達人は理不尽のクレームを受けることも多く、ウーバーイーツの持つ新しさと保守的な日本社会とが生み出す軋轢のしわ寄せは配達人に行っています。
だから、配達人の中には、労働組合を作ろうと動いている人たちがいます。
弱者たる配達人の主張について、ウーバー相手に集団交渉しようと。
これは理解できます。
私は、リベラルではないですが、労働組合を否定するほど見境ないアンチ・リベラルではないです。
ただ、一番大事なことは一人一人が毅然とした対応を取ることなんですよね本当は。
おかしなレストランにおかしなこと言われたら言い返すべきだし、クレーマーに理不尽なことを言われたらそれも言い返すべき。
報酬が低かったり、補償が不十分だったりすれば、いつでもやめるっていう態度が重要。
しかし、多くの配達人は低評価をつけられるのを恐れて、言い返さないし、ベテランになってくると、ヤバそうな案件にはかかわらないという態度をとる(それは新人が拾うことになる)。
その一方で、仕事や待遇に不満を言いつつも配達人を継続せざるを得ない状況を自分から選択してるような人もいる。
ただ、弱者が集まっても弱者のまま。
労働組合なるものに参加すると、労働組合なるスーパーマンが、自分のために戦ってくれると思ったら大間違い。
おそらく最初は十分な交渉力を持たず、もっと組合員を増やさなくてはいけないとなり、みんなで勧誘活動を頑張ろうとなる。
つまり、労働組合が組合員のために戦うのではなく、組合員が労働組合のために駆り出される状態が続く。
そして、ある程度年月が経って組合員が増えていくと、古参の組合員がとにかく威張っていて、超階級社会となった、これぞ左派団体という感じのいつもの労働組合になったりする。
そうならないことを願うばかりですが、羊は何匹集まっても狼には勝てない。
数は力ですが、しかし、理不尽な境遇に置かれてもウーバーの配達人をせざるを得ないという境遇の人が集まっても、イケイケなウーバーを動かせるとは思わない。
そして、ここまで来て、じゃあ私はクレーマーに毅然とした態度を取る狼になりますかと言えば、少なくとも私にとってはそんな仕事じゃないんだよなあ、としかならない。
一番最初に、ウーバーイーツの本質は、70点で良しとするからこそ安くて便利なところにあり、そこを理解しないで利用するのはやめた方が良いと書きましたが、それは配達人にもいえ、雇用関係がなく、すなわち指揮命令系統や義務や責任がほとんどなく、好きな時にできてやめたくなったらいつでも辞められるような仕事であり、手厚いサポートなんて期待する方が間違っているとも言えます。
少なくとも、理不尽レストランやクレーマーと闘うほどの覚悟を持ってやる人がどれだけいるか。
私も含め、隙間時間のアルバイトや本業の気晴らしでやっている人も多いと思うので、玄関先で揉めて低評価つけられたり、延々とリテラシーの低い人相手にウーバーイーツの仕組みを説明する手間を考えると、無関与・無関心で通そうとするタイプがほとんどじゃないかな。
それに、今は普及期だから、ウーバー社も配達員にこれでもまだ優しい方で、これから配達員は増加する一方、配達員の報酬はどんどん減っていくだろうし、稼げなくなっていく気もするし。
大局的に考えると、今専業で配達をやっている人達が労働組合を作って実現しようとしている方向と真逆に進んでいる気がする。
ここら辺は、まさに新しい時代の話なので、注意して見守っていきたいと思います。
おわりに
久しぶりに長文記事。
それにしても、何事もやってみないとわからないなと改めて実感した1ヶ月でした。
本当に発見だらけだし、いろいろ学んで、いろいろ考えさせられました。
そんなところをわーっと書いてみましたが、最後まで読んだ人は何人いるやら。
ただ、頼んだことない人は、是非使ってみた方がいいです。
色んな意味で、考えさせられるし、従来の日本型のデリバリービジネスと比較して問題点に感じる部分もあるけど、合理的というか、サービス業の質なんてこの程度でいいのかもなと感じるところもあるはず。
余計なトラブルに当たらなければとにかく便利で、家での食事の幅がものすごい広がる。
住所は正確に入力(マンション名は絶対に省略しない)、受け渡しが不安なら必す配達メモに玄関のドアノブにかけてくださいとか、ポストの上に置いておいてくれとか書く、安すぎるおかしなキャンペーンをやってるレストランをピークタイムに利用するのは避ける(ダブル配達が来る)、まずは朝マックなどのチェーン店系で試してみる。
以上を守れば99%トラブルは起きないでしょう。
また、暇なときに配達やってみようかなと思っている人は是非、アカウントを作る前にご相談ください(大門パートナーセンターは私のスタジオのすぐそばだし)。
私が紹介することでもらえる報酬の半分キャッシュバックしますよ。
副業として気軽にやるには、こんな楽しいバイトはないです。
肉体労働のようで、自転車で街を流すのなんて、上り坂以外は全然大したことないし。
何の束縛もない中で、多数の新鮮な体験が待っています。
最後は、宣伝で終わりましたが、最近話題のウーバーイーツについて、知ってることを全部書いてみました。