LINE Payの使い方:操作方法ではなく仕組みを中心に


複雑でよくわからないLINE Payの仕組みを解説します。

はじめに

最近、テレビなどでもLINE Payの話をよく聞くようになりました。

しかし、いざ調べてみると仕組みが少し複雑ですし、その上、操作方法の説明に重点を置いている記事も多く、かえって分かりにくくなっている気がするので、操作方法は一切なしで、仕組みの部分だけ解説します。

なお、ポイント還元とかお得な利用方法などには言及していないのでご了承ください。

LINE Payの基本的仕組み

LINE Payは基本的にSuicaやPasmoやnanacoと同じようなプリペイド型の電子マネーにかなり近い、キャッシュレス決済方法です。

例えばSuicaだと、物理的なカードがありますから、チャージにしろ使い方にしろ分かりやすいです。

駅の券売機で現金入れてチャージして、使うときは残高の範囲内でレジでピッとやるだけです。

物理カードに加えて、モバイルSuicaというものがあり、おサイフケータイに入れてスマホで利用している人がいますが、あくまで物理カードが先にあるので、まあそれがスマホに溶けていると考えればわかりやすいです。

物理カードのように券売機には入らない分、アプリに登録したクレジットカードでチャージして、その残高の範囲内でスマホをかざしてピッと使用するのが基本的な使用方法です。

実は、LINE Payもプリペイド型なので、あらかじめチャージして、その残高の範囲内で使うという点では、基本的にSuicaなどと変わることはありません。

ただ、Suicaなどと逆で、アプリを使うオンラインの仕組みが原則で、物理カードが例外として用意されているために、分かりにくくなっているだけです。

現在キャッシュレス決済のサービスは複数ありますが、そのほとんどにはクレジットカードが登場します。

しかし、LINE Payはクレジットカードが登場しない数少ないサービスの一つであり、クレジットカードを登録しなくても使えるとかではなく、クレジットカードを登録する方法自体ありません。

したがって、あらかじめチャージした残高を超えて利用することはできず、それはイコール、最悪の場合として、チャージした残高が何者かに使用されることはあっても、不正利用により月末に高額な請求書が送られてきたりすることはありません。

LINE Payの使い方

Suicaと同じなので、チャージして使うだけなのですが、物理カードではなくオンラインアプリが原則のため、券売機に入れたり、レジでかざしたりが出来ず、チャージ方法がややこしいので、まずは使用方法から説明します。

大きく5つあります。

1.バーコード決済
2.物理カード決済
3.おサイフケータイ
4.オンライン決済
5.請求書払い

バーコード決済

LINE Payはスマホアプリが中心の仕組みですから、原則的な支払いはバーコード決済です。

つまり、スマホでアプリを立ち上げるとバーコードが表示されるのでそれをレジで店員に見せると、店員さんがバーコード読み取り機でピッと読み取って終わりです。

店員さんがバーコード読み取り機で読み取る必要があるし、そもそもスマホのロックを解除してアプリを立ち上げるので、何もしないでかざすだけのおサイフケータイと比べて多少手間がありますが、まあ、画面を見せるだけです。

ただ、これだと、レジ側でLINE Payのバーコードを読み取る専用のシステムが必要で、それがなかなか普及していないため、使える店舗が非常に限られているのが現状です。

もちろん、個別的な居酒屋とかを入れると全国で何千店舗とかになるのでしょうが、全国チェーンで使えるところはまだ少なく、例えばコンビニではローソンのみとなっています(ファミマもセブンも使えない)。

さらに、日常的に使うタイプの店はローソンのみといっても過言ではなく、後は、サンドラッグなどの薬局チェーンがいくつかあるので、たまたま地元で愛用しいるドラッグストアが対応していれば便利といった程度です。

本来的にはバーコード決済が原則的な使用方法なのですが、店舗側のレジシステムの改修が必要という点でまだまだ加盟店が限定されており、そこを補強するために物理カードの投入という複雑なことをしています。

物理カード決済

これがちょっと面白い。

LINE Payは登録すると、希望者には物理カードが提供されます。

これが、Suicaのような、ピッとかざすタイプのカードならわかりやすかったのですが、そうではなくてJCBが発行するクレジットカードみたいなカードが発行されます。

これは何かというと、LINE Payを利用できる店舗を一気に増やそうというLINEの戦略で、チャージした残高を使うという仕組みはそのまま、JCBがクレジットカード同様の16桁の番号を持つカードを発行し、クレジットカード決済のネットワークに相乗りできるようにすることで、LINE Payを全てのJCB加盟店で使用できるようにしたわけです。

したがって、このカードがあれば、クレジットカード対応店舗であればどこでもLINE Payは使えます(正確にはJCB対応である必要がありますが、日本国内でクレジットカード利用可能であれば大抵の場合JCBは使えます)。

店側からすると、クレジットカードとまったく同じなので、シャッと端末を通したり、レジに挿したりやり方はレジ端末次第ですが、JCBのクレジットカードに対応している限り利用可能です(もちろん、店側がクレジットカードと同じシステムに乗せて処理するというだけで、後払いになるわけではなく、残高から使うというLINE Payの仕組みは変わりません)。

したがって、スマホに表示されたバーコードを見せる方法ではコンビニだとローソンでしか使えませんが、この物理カードを発行してもらえば、セブンでもファミマでも使えますし、スーパーでも百貨店でもどこでも使えます。

なお、「支払いはLINE Payで」と言ってこのカードを渡すとほとんどの店員さんは混乱するでしょうから、支払いはクレジットカードでと言ってこのカードを渡す必要があると思います。

16桁の番号を持ちクレジットカードと同じ構造なので、もちろんネットでも使えます(月会費のような継続課金は相手によると思われる)。

これが、LINEがスマホ決済にこだわらずに物理カード発行に踏み切ったのにも関わらず、Suicaタイプのカードにしなかった理由で、キオスクやコンビニなんかだとピッとやる方が便利ですが、デパートなどではレジ側にかざすタイプの決済を受け付ける端末がありませんし、何よりいわゆる電子マネーはネットでは使えません。

かといって、LINE Pay対応店舗なんて増やしていくのも大変です。

そこで、クレジットカード扱いにして既存の仕組みに相乗りすることで、LINE Payが使用できる店舗やネット通販を一気に増やしたわけです。

しかも、この方法により、ネット通販やアプリ課金等、従来クレジットカードの利用が前提とされていたサービスにおいて、クレジットカードを持てない若年層がLINE Payを使って利用できるようにしたわけです。

しつこいですが、そうはいってもクレジットカードではないので、後払いではなく、あらかじめチャージした残高の範囲内でしか使えません。

おサイフケータイ

JCBのクレジットカードにはQuick Payという仕組みがあります。

これは、Suicaみたいにピッとやるだけでカード利用できるという仕組みです。

もちろん、クレジットカードですから、ピッとかざして使用するという点で従来のやり方と使用方法が異なるというだけで、通常のカード利用と同じ明細に載って処理され、当然後払いです。

そして、Quick Pay対応のJCBクレジットカードはおサイフケータイを持っていれば、スマホに登録することで、スマホをピッとかざすだけでカードを使用することが出来るようになります。

そして、JCBはLINE Pay用のカードもQuick Pay対応にしたので、LINE Payカードはおサイフケータイであれば、登録可能です。

正確には、ややこしいですが、おサイフケータイ対応のスマホにGoogle Payというアプリをインストールして、支払い方法の追加でLINE Payカードを登録すれば、レジでスマホをピッとかざすだけで支払いをすることが出来ます。

なお、おサイフケータイは今一つ仕組みが浸透していないので、少し捕捉します(技術的な正確性は度外視)。

おサイフケータイというのは、Suicaのようにピッとやるだけで決済する方法ですが、技術的にはFelicaという規格で、非常に近距離ではありますがあくまで無線通信が行われています。

つまり、決済を行うには、スマホ側にFelica発信装置が必要で、レジ側にFelica受信装置が必要です。

したがって、この仕組みを使用するためにはスマホ側にFelicaチップが入っていることが必要で、それがおサイフケータイ対応スマホと呼ばれるものです。

海外製のSIMフリースマホなど、Apple PayやGoogle Payに対応などと書いてあるものがありますが、おサイフケータイ対応とかFelica対応と書いていない限り、海外ではFelicaではなくNFCという別の規格が主流のため、NFCチップは入っていてもFelicaチップが入っていません。

つまり、スマホですからGoogle PayアプリをダウンロードしたりLINE Payカードを登録したりはできるのですが、いかんせん本体がNFC信号を発信してもFelica信号は発信できず、日本のコンビニなどではレジにはFelica信号の受信器しかなくNFC受信機はありませんから、ハードウェアのミスマッチにより使えないことになります。

また、LINE PayカードをGoogle Payに登録して使用するときは、Quick Pay扱いになるので、「LINE Payで」ではなく「Quick Payで」といった方が店員に伝わると思います。

「支払はLINE Payで」と言ってしまうと、通常の場合店員は、ローソンではバーコード読み取り機を手に持ちますし、ローソン以外では「対応していません」というはずです。

そして、ファミマやセブンで使えるはずと主張しても、店員としてはQuick Payボタンを押して対応するのが正解なので、「Quick Payで」といわないと通じないことが多いと思います。

ややこしい。

オンライン決済

これもわかりづらい。

これは、ネット通販で使える方法で、支払い方法でLINE Payを選んで、注文完了をします。

スポンサーリンク

そうすると、LINEに通知が来るので、アプリを立ち上げLINE Payパスワードを入力して決済を承認すると支払いが完了するというもの。

まあ、別に悪い方法ではありませんが、対応ネット通販が少ない。

というより、上述の物理カードがあれば、クレジットカード決済を選べば良いだけで、LINE Pay対応かどうかは関係なくどこでも使えるので、この方法の存続意義自体が怪しい。

請求書払い

これは、LINE Pay対応の公共料金に関して、振込用紙に記載されているQRコードをLINE Payアプリで読み取り、アプリ上で支払いを完了させるというもの。

これは便利ですが、まだ対応している公共料金は少ないです。

残高管理

以上、5つの支払い方法があってややこしいですが、あくまで残高はシステム上一元管理されています。

したがって、物理カードを使用すると言っても、そのカードにチャージされるわけではないので、例えば残高が5000円あるとして、カードで1000円使い、バーコードで1000円使い、おサイフケータイで1000円使うと、残高は2千円であり、どの方法でも、残りは2千円しか使えません。

LINE Payのチャージ方法

これがややこしい。

Suicaのようにカードにチャージするのであれば話は簡単なのですが、バーコード決済、カード使用、おサイフケータイなど複数の使用方法を認めながら、システム上残高が一元管理されているので、システム対応が複雑。

システム対応が複雑というより、そのせいで、店舗ごとに、うちではこの方法でチャージはできますがその方法ではできません的な対応・未対応が入り乱れています。

銀行チャージ

これが原則的な方法。

アプリに自分の銀行口座を登録することで、その口座からアプリ上で引き落としてLINE Pay残高にチャージするという方法。

一番簡単な方法ですが、これを解禁すると、不正利用された際にチャージした分以上被害が増えないというのがプリペイド型の最大の利点なわけですが、最悪銀行口座からバンバン引き出されるという事態が起こり得ます。

もちろん、スマホのロックを解除するだけでなく、銀行チャージ専用の別のパスワード入力(iPhoneの場合は指紋/顔認証)が必要になるため、2重にロック解除されない限り大丈夫ですが、原理上はリスクが跳ね上がります。

とはいえ、クレジットカードを持っていなくても、銀行口座さえあればアプリ上で簡単にチャージ出来て、非常に簡単かつ便利です。

なお、この登録をすると、残高が一定以下になると、自動であらかじめ指定した残高がチャージされるというオートチャージ機能も設定可能です。

ローソンでカードチャージ

これは分かりやすいですが、できるのはローソンだけ。

レジでLINE Payにチャージする旨告げて、カードと現金渡すだけ。

簡単ですが、事実上ローソンだけ。

セブン銀行ATMでチャージ

やり方は二つあって、物理カードを持っている人は、カードを差し込んで現金チャージが出来ます。これは簡単。

物理カードを持っていない人は、ATMの画面に表示されるQRコードをスマホで読み取るとスマホに番号が表示され、こんどはその番号をATMに入力するという方法で、スマホとATMの連携が完了し、後は現金を入金することで現金チャージできます。

ファミマでチャージ

これはめんどくさい。

ファミマのファミポートという機械を使ってチャージする方法で、チケットなどを買う方法と同じような感じです。

まず、スマホアプリでコンビニチャージを選び(名前はコンビニチャージでも使えるのは現状ファミマだけ)、金額を入力すると、受付番号と予約番号が表示されます。

今度はファミポートで、「インターネット受付」を選び、受付番号と予約番号を入力すると、アプリに入れた金額が表示されるので、OKを押す。

すると、レシートみたいなものが出てくるので、それをレジに持って行って現金を払うことでチャージが完了します。

何なんだこの方法は。

バーコードチャージ

これは、バーコード決済の逆です。

レジでチャージする旨伝えて、現金を渡すとともに、アプリのチャージ用バーコードを表示して、店員さんがそれをバーコード読み取り機でピッと読み取るという方法。

これも簡単なのですが、アイングループという北海道中心の店舗でしか今のところ出来ない方法。

以上がチャージ方法。

複雑ではありますが、銀行チャージを当然のように設計しつつも、ほかの方法も何とか拡充しようと頑張っていると評価した方がようのかな。

LINE CashとLINE Money

さて、これまで使用方法とチャージ方法を説明しましたが、じつはLINE PayにはLINE CashとLINE Moneyという2つの会員区分があります。

LINEからLINE Payの登録をしただけだと、LINE Cash会員。

さらに、本人確認をすると、LINE Money会員に繰り上がり、利用方法が増えます。

なお本人確認は、LINE本社に身分証明書のコピーを送付する方法などもあったりするようですが、事実上、アプリ上で銀行口座登録をするのとイコールで、銀行口座登録をすると本人確認は自動的に終了します。

では、LINE CashとLINE Moneyの何が違うのか。

LINE Cashに出できること。
1.チャージ全部
2.10万円以内の決済(一回当たりの上限ではなく総枠)
3.友人からの送金の受取(送金はできない)

これが、LINE Money会員になると、以下が解禁されます。

1.決済の10万円枠の撤廃
2.友人への送金
3.残高の銀行口座への出金
4.LINE Payカードの海外利用

基本的にLINE Cashで困らないようには設計されていますが、やはり銀行チャージと比較すると、他のチャージ方法がどれもいまいちで不便のため、利便性は落ちます。

LINE Payのセキュリティ

まず、LINE Payはプリペイド型なので、基本的にチャージしてある残高以上の被害が出ることはありません。

カードを落としてしまえば、Suicaを落とす場合と同じで、チャージ残高の範囲内であれば簡単に第三者に利用されますし、おサイフケータイ登録していたスマホを落とせば、レジで「Quick Payで」と言ってかざすだけでロック解除不要で使用できますから、チャージ残高は使用される可能性は高いです(HPによると、国際的なセキュリティ認証がどうのこうのと書いてありますが、このリスクは通信の暗号化とか関係なく起こり得ます)。

しかし、第三者の不正利用がある場合、重大な過失がある場合などを除いて、10万円を限度に保証される仕組みがあります。

したがって、LINE Pay登録だけで銀行口座を登録しない状態のLINE Cash会員の場合、そもそもチャージ限度どころか使用総枠が10万円のため、補償金額が不足するということはありません。

パスワードを書いた紙をスマホケースに貼っていた等重大な過失ありと認定されずに「第三者による不正利用」として認定されれば全額補償されます。

問題は、銀行口座を登録して、LINE Money会員になっている場合。

この場合は、理屈上、銀行口座の残高分いくらでもチャージして不正利用される可能性があります。

もちろん、チャージには別の専用パスワードを設定可能ですので、スマホを落としても、ロック解除に加えそのパスワードが破られない限り不正チャージ・不正利用はされません。

とはいえ、理論上は不正利用が起こり得るので、その場合はどうなるのか。

実は、この対応がひそかにマニアからLINE Payが批判を受けているところで、LINE Money会員になると、利用の上限枠を10万円にできるのですが、保証枠は原則10万円のままです。

LINE Moneyアカウント利用規約の第32条不正使用補償サービスの第4項補償限度額の第3号には以下の記載があります。

1事故(一事由または同一原因による一連の事由により発生した損害をいいます。)あたりの補償限度額は、原則、10万円とします。ただし、前二号で定める補償対象となる損害の額(引用者注:損害額から自力で取り戻した分を引いた額のこと)が10万円を超過する場合は、利用者のご利用状況や警察当局による捜査結果等を踏まえ、補償限度額の引き上げを個別に検討するものとします。

つまり、原則10万円だけど、損害がそれを超える場合には個別に検討するという非常にあいまいな規定になっています。ただし書きの前の本文で、10万円の前に「原則」という言葉をしっかり入れているのは要注意。

あくまで補償限度は10万円なのが原則。

しかも、オンラインでの連絡しかできず、クレジットカード会社のような緊急連絡先はありません。

ここがちょっと不安のあるところ。

まあ、銀行チャージはスマホアプリで行いますが、銀行から大金を引き出してチャージしても、スマホだけだとバーコード決済しかできませんから、せいぜいローソンくらいでしか使えないので、そんなに心配もいらないかもしれません。

とはいえ、ituneカードやアマゾンカードを大量に買われる危険性はある。

しかも、クレジットカードの不正利用と異なり、銀行チャージの場合、クレジットカードのように支払いを止めるとかできず、即時に銀行口座からお金が出ていくので、ちょっと怖い。

まあ、一番の方法は、専用の銀行口座をネット銀行かなんかでつくったり、使っていない銀行口座を登録して、残高を少なめにしておくのが一番でしょうね。

そうすれば、原理的に不正利用しようにも残高が無くてできないという最強の防衛策になります。

とはいえLINEさん、資金決済取り扱うんだから、何かあったら即時にサービス停止できる電話緊急連絡先くらいは用意しないとだめだと思うよ。

おわりに

今話題のLINE Payの使い方について解説してみました。

何らかの参考になれば幸いです。

おサイフケータイのところは思い切ってFelica通信とか、NFC通信とか、とんでもない言葉を使いましたが、この記事の読者を想定して、Felicaは今やNFCとは別物ではなく、NFCのタイプFとして・・・云々書いても仕方がないという判断でそうしました。

それにしても、LINE Payは流行るんでしょうか。

個人の信用スコアビジネスへの進出がどう影響するか見ものですね。