私は村上春樹の作品を読んだことは全然ないです。
ただ、今から十数年前の高校生時代に現代文の問題かなんかで読んだ文章で忘れられない作品があります。
『回転木馬のデッドヒート』というタイトルの作品で、高校生ながらうまいことを言う人がいるもんだと感心したのを覚えています。
要するに、デッドヒートを繰り広げているようで、同じところをぐるぐる回ってるだけだろ、ということ。
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なんでこんな話をするかというと、糖質制限に関するネット上の我々素人たちの議論も同じような感じなんだろうなと思ったから。
実際のところ最先端の研究者たちが大論争中のテーマで、我々素人向けに書かれた本というのは、膨大な量のデータの中から、著者が自分に都合の良いデータだけ抽出しているにすぎない。
そして、一般人が入手できるような本を買い集めてそれを集計しようとしても、大した情報にはならない。専門家にかかればデータ解釈一つでどちらにも言えるのだと思います。
1冊の本だけ読んで真実を発見した気分になるほど愚かではないという姿勢を貫こうしてみたものの、かき集めたところで非常に限定されている情報に基づいて何かを言おうとする虚しさみたいなものを感じるようになってきてしまいました。
一般向けに広まっているような情報だけを集めてもなにも言えないという絶対的状況が多分ある。最先端の専門家が激論を繰り広げているのだから当然だと思います。
まさに回転木馬のデッドヒートではないのかと。