大好きな井上ひさしの私家版日本語文法から。
1978年ごろに漢字の略字化運動なるものがあったらしい。
なんとなく想像つくが、漢字は日本の文化だという保守派と、漢字を簡単にしてコンピューター化に対応したり、勉強時間を減らして他の勉強に当てたりしようという進歩派の論争が起こったらしい。
そして、この運動に関して、同じ日の朝日新聞の『声』欄に、真っ向から反発する二つの投書が載ったらしい。
まず、それが二つとも全文紹介される。
案の定、一方は漢字のもつ日本文化としての独自性や重要性を主張し、もう一方は来るべき未来に備えて進歩的に文化保護を捉えていくべきだと主張する。
そして、ふざけた井上ひさしのことだから何をするのかと思ったら、それぞれの文章の文字数を数えたうえで、漢字の文字数を数えて、漢字の使用率を比べる。
そうすると、なんと、進歩派の方が文章全体に占める漢字の使用率が高いというしょうもない話です。
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私は、こういうふざけた話が大好きなのですが、たぶんこれ糖質制限についても言えます。
糖質制限の素晴らしさを主張して江部先生の主張するスタンダード糖質制限を実践する人の方が、炭水化物の重要性を主張しているボディビルダーよりも炭水化物摂取量が多いという事態は普通に起きている気がします。
世の中なんてそんなもの。議論するだけ馬鹿を見るのかも。