私は、つい最近まで、糖質制限派というのは、江部康二先生を頂点とする一派なのかと勝手に勘違いしていました。
しかし、どうやらそうではないということが分かってきました(当たり前か)。
まだ、しっかり読み込んでいないのですが、山田悟先生という、いわゆるゆるい糖質制限というものを勧める先生がいます。
最近出た、『糖質制限の真実』幻冬舎新書という本の中では、新書らしく様々なテーマを猛スピードでぶった切っていくのですが、その中に避けられないテーマとして、そもそも科学的根拠というものをどう扱うかという非常に熱いテーマが出てきます(こういうテーマをしっかりと入れることに私は非常好意的です)。
そして、科学的根拠との付き合い方について、エビデンスレベルという、いわゆる科学的根拠の信頼性の程度の話をします(レベル1が強い)。そして、医者の中にもそこら辺が分かってない人がいて、レベル1の証拠が出てるのにそれ以下のレベルの証拠で反論したりするのは、違和感を禁じ得ない、なんて話をします。
そして、その直後です。
糖質制限についても以前、いくつかの症例を集めた症例報告のレベルで、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』という本を出版し、世の中に訴えてしまった例がありました。本の著者は、その症例報告を論文にもしていませんでした。
そして、レベル2の研究結果があるのにただの症例報告というレベル4の研究結果で挑み、結局、糖質制限自体に疑いの目が向けられることになったとしれっと書いています。
皆さんご存知のように、『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』は江部大先生の著作ですが、短い文であっさりと書いているようで、本のタイトルをわざわざ出すあたりに強烈な主張を感じます。
結局、それなりの立場の人は皆、最新のテーマについては一家言あるといういことでしょうか。
関連書籍を全部読む時間のない一般読者は大変ですが、それはとても健全で良いことだと思います。
どうせ全部読んでも結論はわからないのだろうし。