日本でも発生中?
東アフリカで、蝗害(コウガイ)、すなわち、バッタによる農作物の被害がすごいことになっているようです。
蝗というのは、訓読みはイナゴで、日本ではトノサマバッタが大発生する要因が少ないため、古文献に登場する蝗害はイナゴによるものと考えられているようですが(それだからイナゴと読んだか)、中国をはじめとして、世界では、蝗害といえば、トノサマバッタらしいです。
とはいえ、日本でも、昭和まではバッタによる蝗害が北海道を中心に断続的に発生しており、明治時代にはそれなりの大騒動だったらしいです。
そして、現在、そのトノサマバッタがハリケーンなどの影響で、東アフリカで大発生し、そのまま中東まで達しているとのこと。
その数、4000億匹では足りず、一日で訳3万5千人分の食料を食べるらしいです。
ちなみに、最近のサウジアラビアの様子(閲覧注意)。
さらには、中国まで来るらしく、中国は10万匹のアヒル軍を投入するそうです(これネタなのかどうはよくわからない)。
"Duck troops" gather at the border to face locust swarms pic.twitter.com/1J4r3dmmJk
— CGTN (@CGTNOfficial) February 19, 2020
なお、蝗は虫へんに皇と書きますが、これは、昔から食料を食い荒らすバッタが虫の皇帝と恐れられていたという意味ではないです。
皇には、偉大な人という意味がありますが、同時に、広い、大きいという意味があります。
行くという字と合体すると徨となり、彷徨う、つまり、当てもなくウロウロするという意味になります。
心を意味するリッシンベンがつくと、惶という字になり、惶惑なんていって、心があっちこっち行って一向に定まらないという意味になります。
他には、火ヘンがつけば、光が四方に広がる様になり、煌々と燃えるなんて言葉になります。
このように、とどまるところを知らずに、飛んで広がっていくことが昔から知られていたがゆえに、トノサマバッタは蝗と書かれるようです。
さて、そのトノサマバッタですが、面白いことに、普通は孤独相といって緑色で単独行動をするらしいのですが、一定の要件を満たすと、群生相というタイプに変異し、体色は茶色っぽくなり、羽が長く手足は短く、中身スカスカの長距離飛行仕様となり、1日で150㎞移動できるようです。
そして、団体行動をするようになり、すさまじい数の群れとなって、長距離移動をしながら、目にした植物を手あたり次第食い荒らすらしいです。
バッタにこんな特殊能力があったんですね。
とは言え、一定の要件を満たすと、孤独相から群生相へと変異し、単独行動していたのが、団体行動をするようになるという話。
これ、今の日本で起きてますよね。
普段は家の周りしか出歩かないような、単独行動派の孤独相の人間が、いまや群生相の個体へと変異し、群れを成して、ありとあらゆるドラッグストアを渡り歩きながらトイレットペーパーやティッシュを買い荒らしている気がします。
そう考えると、我々もバッタも大して変わらないということでしょうか。
これを言いたかっただけの記事。