キャッシュレス決済の展望:AppleとAmazonのアプローチ


あっさり心変わりしました。

はじめに

先日、キャッシュレス決済の基本知識みたいな記事を書きました。

キャッシュレス決済まとめ:Felica、バーコード決済、QRコード決済など

それを受けて、その応用版というか、今後の展望を大々的に展開する長文記事を書こうとしたのですが、なかなかまとまらない。

そこで、ストーリのある話を書くのではなく、論点整理的な記事にしようかとあれこれ箇条書きにして書いていたら、相変わらずまとまらないのですが、やっぱりAppleとAmazonはすごいなと思いました。

キャッシュレス決済の未来はさておき、あくまでユーザー体験を軸に物事を考えるAppleとAmazonの経営戦略というか市場へのアプローチはさすがなだという変な結論に達しました。

なので、その視点で書いてみます。

なお、QRコード決済とは何かとかの基本知識は書かないので、詳しくない人は上の記事をご参照ください。

フィンテックのドグマ

私もそうですが、キャッシュレス決済の将来に興味を持っている人は、フィンテック系のネット記事などを読む中で、大きな波にのまれているような気がします。

ITが世界を変える的な、最初にITが来るストーリー展開と有象無象の技術紹介をはじめとした無意識な技術礼賛。

そして、そもそもITと金融は親和性が高いという、その通りではあるけれども、本質論という抽象的な話。

そういった流れの延長で、これからますますキャッシュレス化が進むという話があります。

1億3千万人のそれぞれが違う意見を持っていると言い出すとまとまらないので、国民を保守とリベラルに分けたり、老人と若者に分けたり、自己責任派と英雄派に分ける。

それと同じで、議論を抽象化してシンプルにするのも大事ですが、その結果、カオスに近い目の前の現実が見えなくなる。

今後キャッシュレス化はますます進むだろうから乗り遅れるなと、キャッシュレス社会へ移行していく過程の中にビジネスチャンスを見つけ、未来の社会の中での自社の立ち位置をイメージする。

まあ、気持ちはわかるんですが、抽象論で話が完結しているせいか、技術が勝手に普及し社会が自動的に変化していくかのような前提になっていて、誰がどうやって変化させていくのか今一つはっきりしなかったりします。

これだけだと、抽象的なのはお前だろとか言われそうなので、以下具体的に見ていきます。

QRコード決済礼賛

キャッシュレス決済の将来を話すと、耳にタコができるほど中国の話が出ます。

そして、この中国トークもバイアスがあります。

確かに、Amazonのレビューなんかを見ると、日本産であればなんでも高品質という信仰を未だに捨てず、中国産とみるや否やすべて粗悪品と決めつけている人はまだまだ見られ、大丈夫かなと心配になります。

しかし、なんでもかんでも二項対立に向かう時代の流れの影響か、そういった人々への反発でやたら中国を持ち上げる人も結構いて、技術力ですでに日本を抜いたとか、HuaweiのスマホはAppleを抜いたとか、本当かどうかは知りませんが、とにかく中国はすごいんだと連発する人もいます。

その一つがQRコード決済礼賛です。

これからはQRコード決済が主流になるとか、Felicaにこだわった日本は間違いだったとか。

本当ですかね。

スマホのロックを解除して、アプリを立ち上げ、店頭のQRコードを読み取り、金額を入力してアプリ上で決済し、決済完了画面を店員に見せて、お会計終了。

これ本当に便利ですかね。

「キャッシュレスこそ未来」教の信者で、どう考えてもスマホ決済が出来なさそうな小さな商店とかで現金を使わない決済ができることから近未来的な高揚感を感じられる人以外は、魅力をそんなに感じないかと思います。

Suicaなどに使い慣れている私たちからすると、決済手段としては面倒だとすら思います。

確かに、Suicaとかクレジットカードは店側に読み取り端末が必要ですから、そういった端末(+専用回線)を導入できない店舗にとって、お釣りを用意したり、現金のやり取りをしなくて済むというのは分かります。

ただ、それは店側の都合。

客としては、千円札を渡して、釣銭早くしろよと思う方がよっぽど簡単。

なんでもかんでもクレジットカードで済ませたい外国人観光客にとっては、小規模商店でもカード決済が事実上使えるようになるのである程度は普及すると思いますが、日本人が使う日が来るとは思えません。

結局、「QRコード決済凄い」的な考えは、キャッシュレス決済が進むという前提ありきで物事を考えていて、それを前提の上で、端末導入できない地方の小規模店舗などでは、Felicaではなく、QRコード決済が進むしかないと考えているだけ(そもそも問題は端末ではなく手数料だと思いますけどね)。

しかも、それが未来のあるべき姿であり、そうでなくてはならないとまで思っている人もいて、そのバイアスが変化の過程を無視した雑な未来像を描かせる。

つまり、ITと金融の親和性が高いとかそういう抽象論を前提に、キャッシュレスな未来を描いてそうなると信じて、それとつじつまが合う形で既存の知識をはめ込んで全体像を整えているだけで、現状からの1歩ずつの変化というボトムアップアプローチ的な推測を一切していないように感じます。

現実の変化

キャッシュレス決済の割合の低さにおいて、日本人の特質として、クレジットカードの利用率が低いことが挙げられます。

クレジットカード自体は何十年も前からあり、高額の買い物や海外旅行では使うという人は多くて、嫌いな人が多いわけではないのですが、日常生活費の支払いに使わない人が多いわけです。

まあ、それがなぜかはさておき、実は使用率は少しづつ上がっています。

その背景にあるのは、サインレスの場面が増えたこともありますが、やはりAmazonとか楽天とかの通販や、映画館で事前に座席を予約するとか、出前の注文と同時に決済とか、便利なオンラインサービスの普及が原因として挙げられると思います。

この場合は、仕方ないというか、そのサービスを利用した方が生活に便利になるから、大きな買い物以外ではクレジットカードをあまり使わない人でもだんだん使うようになります。

やはり、サービスが鍵なのかと思います。

そう考えていくと、QRコード決済で小銭とかいらなくなるとか、レジの待ち時間が減るとか、どうも技術ありきの技術の押し売りのような気がして、ユーザー目線に立っている気がしません。

キャッシュレス決済な未来を思い描き、それをあるべき姿として、日本は遅れてるとか、現金派はどうのこうのといった議論。

その一方で、一部の企業が展開するオンラインサービスにより、現金派の一部も少しずつクレジットカードを使う場面が増えてる現実。

技術が社会を変えるのか、サービスが社会を変えるのか。

具体的に、キャッシュレス決済サービスを見ていきます。

Apple Pay

Appleという会社は、IT系のBIG5の中でも今一つ掴みどころのない会社で、その野心の射程がどこまでかはわかりませんが、もしかしたら、ビジネス的な野心はそんなになく、Apple製品によってユーザー体験を向上させるということしか考えていないのかもしれません。

「これからはフィンテックだ」とか、「IT技術をつかって、旧態依然とした業界構造に胡坐をかいてる大手銀行を追い落とし、金融ビジネスを獲りに行こう」なんてみじんも思ってないのかも。

Apple Payも、これを使うと生活が便利になるよというだけで、その便利さについて、他のどこにも負けないサービスを作ることだけを目的にしていて、キャッシュレス決済比率がどうのこうのとかはどうでもいいのかもしれません。

現金が使いたいなら使えばいい、ただ、Apple Payを使ったキャッシュレス決済はどこのサービスよりも便利で安全ですよ、といった感じか。

もともと、Apple Payというのは、クレジットカードやデビットカードの利用者向けのサービス。

いちいちカードを持ち歩くことと比べて、より安全でより便利であることを目的として設計されています。

意外と知られていませんが、仕組みは下記(簡易化しています)。

ユーザーは使いたいカードを登録しますが、カード情報はどこにも保存されず暗号化されてAppleに行きます。Appleはその暗号の復号して、カード発行会社(正確には決済ネットワーク)を認知し、そのカード会社ごとにその会社でしか復号できない暗号で暗号化し、その暗号情報をカード発行会社に送る。

すると、カード発行会社の方で暗号を復号して、カード保有者を特定するとともに、登録されたiPhone専用の端末固有カード番号を新規に発行し、端末固有カード番号がiPhone本体には格納されます(もちろん暗号化されて)。

ポイントは、実際にApple Payでそのカードを使うとき、使われるのは登録したカード番号ではなく、Apple Pay専用に新規発行された端末固有カード番号であり(そもそものカード番号はどこにも保存されていない)、すべて暗号化されている上に、仮に盗み取られたり流出しても、本来的に登録したiPhone専用に割り当てられた番号なので、そのiPhoneで使用したときに送付されるセキュリティコードとセットでしか決済されない仕組みになっていて、偽造カードや第三者のなりすましによるオンライン決済など他の方法では原理的に利用できなくなっています。

そして、海外版ではNFC利用で、日本でいうSuicaのようにピッとするだけで使えるわけです。

つまり、本来のApple Payの場合(海外版のこと)、ピッとするだけでクレジットカードやデビットカードを利用でき、しかも登録したiPhone本体で認証した場合しかそのカードは使えないことになり、スキミングされたり店側からその番号が流出したりしても、登録したiPhoneの現物を手許に保有してロックを解除できる者以外はその端末固有カード番号は利用できないようになっています。

しかも、使われる端末固有カード番号はApple Pay用に新規発行された専用番号であり、カードに記載されているカード番号はどこにも保存されない仕組みになっています。

このように、すでにクレジットカードを使用していたユーザーにおいて、カードを持ち歩くより、Apple Payを使うことで、より安全でより便利な方法を提供しているわけです。

既存のiPhoneユーザーがクレジットカードを使うときに、iPhoneを持っていることでより便利により安全になることを目指しているのであって、キャッシュレス決済時代の申し子になろうとかそういう野心とは、本質的に異なるアプローチです。

QRコード決済のように、従来クレジットカード決済が端末導入などの都合で利用できない店舗に導入させて、新たな手数料収益を獲得する機会を得ようとか、そういうことは考えていません。

ビジネスチャンスは、ユーザーの利便性の向上にあるという姿勢を貫いています。

Google

GoogleもApple Payと同じ方向を向いています。

Google Payも日本市場だけ見ると、おかしなことになっていますが、基本的にApple Payと同じで、電子マネーではなく、クレジットカードやデビットカードを登録して、NFCでピッとすることで決済する仕組み。

そして、Appleと同じように、ピッとするだけで便利というだけでなく、カードそのものを持ち歩いたりするより、Google Payを利用した方がより安全であることを実現しようとしています。

特に、近日発売のPixel3に搭載したTitan Mにはなかなかの将来性を感じさせます。

詳細は、別記事に書いたのでそちらを参照してほしいのですが、スマホを個人認識端末として使用し、登録したカードと紐づけることで、店頭にしろオンラインにしろ、カード情報が流出しようが、スキミングにより偽造カードが作られようが、そのスマホが無いと決済できない仕組みにしようとしています。

Google Pixel3の目玉はカメラでもAIでもFelicaでもなくTitan Mなのか

そうすることで、クレジットカード利用に、ハードウェア認証を導入し、特定のカードにつき、特定のスマホ現物を持った本人しか決済できない仕組みを作ろうとしています。

結局、実現しようとしていることは、Googleのサービスを利用することで、クレジットカードやデビットカードの利用がより便利にかつより安全になるというサービスです。

Amazon Pay

Amazon PayもApple Payと同じく、ユーザー体験の向上を目指しています。

Amazonらしく非常にユニークで、Amazon Payとか言いながら、自分達は決済サービスで終わる気はないと断言しています。

決済だけ担当しても仕方がない、チェックイン(サービス開始)からチェックアウト(サービス終了)までの全体を改善することこそが重要なのだと。

具体的には、アメリカでは一部の飲み屋チェーンと提携して試験導入をしていて、何をしているかというと、店の到着前に事前にオーダーをできるようにしているそうです。

この発想はちょっと面白いですね。

会社帰りに飲みに行くときなど、今から15分後に4人で行きますなんて場合があります。

その時に、スマホから席キープして、飲み物とかを軽くオーダーしておくことが可能になったり、最終的な支払いはAmazon payで行い、しかも、同僚内で割り勘なんてできれば最高です。

飲食店でなくても、スーパーなんかでも、アリババがやろうとしていますが、総菜なんて言うのは、店に行ってから残っているものを見て買うのではなく、行く前にプレオーダーできれば最高です。

店に行ってからも店内をふらつくのですが、総菜の調理とか刺身の盛り合わせとかは行く直前にオーダーでき、店に行ってからそれを回収するだけ、そして、支払いはアプリで行う。

出来たら便利ですね。

あと、個人的には映画館など、事前に席の予約ができるようになったのは非常に便利だと思いますが、行ってから何故発券をしなくてはいけないのか、いつも疑問に思っています。

このように、オンラインを使ったサービスっていうのはまだまだ途上で、いろいろな理由があるにせよ、改善できる余地はたくさんある。

問題点は決済だけじゃないわけです。

決済にだけ注目するのではなく、決済も含めたサービス全体、チェックインからチェックアウトまでをどう改善できるかを考えていくというAmazon Payの姿勢はさすがですね。

Amazon PayというのはQRコードを使うので、QRコード決済のような扱いをされたりしますが、実態はバーコード決済。

スマホアプリ上でバーコードを表示して(これがQRコードというだけ)、店側は専用端末で読み取る必要があるので、店側に端末の必要ない、いわゆるQRコード決済ではないです。

この店側に端末を求める点において、QRコード決済と比べて不利とか、Amazon Payの将来性に疑問を投げかける人もいますが、相当QRコード決済のドグマに染まっている気がします。

この、いわゆるQRコード決済を導入しなかったのもAmazonにとってはある意味当然で、ユーザーに一手間どころか二手間も三手間も要求する点で、まったく導入する意味がないと思ったのでしょう。

結局、ユーザー体験が向上しなかったら意味がないし普及するはずもないという姿勢を貫いているわけです。

さらに、Amazonの場合は、すでにクレジットカードを登録している人がたくさんいるし、アプリもスマホにダウンロードしている人がたくさんいます。

いまさら、最近のスマホユーザーはアプリ疲れがみられ、新しいアプリをダウンロードしたり、さらにカード情報を登録したりというのは、かなりハードルが高いですから、すでにアプリがスマホに入っているというのは相当強くて、サービスが便利でさえあれば、一気に普及する可能性があります。

Line PayとPaypay

上記のようなApple PayとAmazon Payのユーザー体験重視の姿勢を見てくると、急にLINE PayとPaypayはかすみます。

ユーザー体験の向上なんて言う姿勢はみじんもなく、それっぽい宣伝文句があるだけで、基本的に、新規金融ビジネスに進出して、儲けようとしているだけな感じです。

まず、Paypayについては、地方のお土産屋やラーメン屋のような、現金の取り扱いを面倒に感じているけど、決済端末を導入したり、手数料負担が嫌な小規模店舗を対象に、中国をお手本に、QRコード決済を普及させようとしています。

つまり、キャッシュレス社会という大きな未来像の中で、未開なところを新技術を使って狙いに行くという戦略なんでしょうが、QRコード決済が、Suicaがいきわたった日本で今さら普及すんでしょうかね。

Felicaとかが普及していない中国だからこそ、QRコード決済は普及したのであって、日本においては、上述したようにユーザーにとっては使用するメリットはほとんどありません。

QRコードを使った仕組みにはいろいろ便利なものがありますが、決済に関して言えば、お会計時に、アプリ立ち上げて、QRコード読み込んで、金額入力して、などとやってるくらいなら、現金で払います。

そして、そういう人たちが日本に多くいる限り、導入した店舗も現金から解放されることはありません。

確かに、一部現金を持ち合わせていない外国人観光客には便利かもしれませんが、それだけです。

結局、事業者もユーザーも大してメリットは受けない気がします。

キャッシュレス決済の普及していない分野に進出して、手数料を稼ごうとしているだけで、ユーザー体験の向上こそが重要という根本の視点が欠けているように見えます。

焼き畑農業的な金儲けで、一部の小規模店舗やコンビニにPaypayが普及して、既存の無数あるキャッシュレス決済サービスに新しい一つが加わって、コンビニのレジ横のシールがより複雑になったという結果を引き起こすだけで終わる可能性も高そうです。

これは、LINE Payも同じ。

個人間の送金サービスに進出する夢を見ているだけで、具体的にどう普及させていくかの過程がまだよく見えない。

個人間送金について、日本人みんながLINE Payを使ったら大儲けができるぞという野望はありそうですが、そこまでの道のりについて、ユーザーに対して、まったく便利さや安全性のアピールが出来ていない気がします。

プリペイドカード配ったり、バーコード決済導入したり、これでユーザーが使うようになるのだろうか。

利用方法を増やすことで、利用機会も増えるという考えなんでしょうが、如何せん、数あるうち決済方法の内なぜLINE Payにすべきなのかのアピールが、LINEであること以外弱い気がします。

せっかく、ほとんどのスマホユーザーがLINEを使っているというメリットかあるんだから、Amazonみたいに、積極的にユ―ザー体験の向上を目指していくようなアピールはできないものか。

両者とも、バーコード決済を採用していて、その将来性についてはまだちょっと読めないけど、Apple Payのような、カード現物を使うよりもこっちの方が安全です的なアピールをしていないのは非常に気になる。

セキュリティ大丈夫なんだろうか。バーコードの写メ取られたら終わりだったりして。

まあ、Paypayは孫さん肝いりのプロジェクトらしいし、LINE Payも始まったばかりですから、どうなるかは予測できないですけどね。

楽天Pay

最後に楽天。

なぜ楽天Payだけ別建てにするかというと、私のブログの別の記事を読んでいる人は知っているかもしれませんが、私は楽天贔屓だから。

三木谷さんという人は、通販事業で敗色濃厚なのにKOBOを買収してAmazonに喧嘩売ったり、社内を英語化したり、ヴィッセル神戸にとんでもない金額でイニエスタ連れて来たり、変なところに力むので、経営者としての手腕を批判する人もたくさんいます。

しかし、採算も大事ですが、それを度外視してまでやりたいことがあるというのはとても評価できる(私は株主じゃないし)。

この人は失敗も多いけど、本人なりに実現したい未来がある。それは経営者として大事な素質で、金の亡者のDeNAなんかよりはるかに立派。

それだけに、楽天Payの迷走は気になるのです。

キャッシュレス決済化の波に乗り送れるな的なフィンテックブームに流されてる気がします。

まさに波にのまれているのが楽天Payで、ブーム乗ろうとしているだけで、あれこれ手を広げて何をしたいのかさっぱりわかりません。

通販事業はさておき、楽天銀行と楽天カード事業は上手くいってるし、実際に顧客満足度が高いんだから、AppleやAmazonを見習って、楽天銀行&楽天カードユーザーに向けて、どこよりも便利なキャッシュレス決済を提案するという方向で動けないものか。

銀行ビジネスとクレジットカードビジネスは、まだまだ向上の余地はいくらでもありますよ。どちらも既存大手の殿様商売っぷりにはみんな嫌気がさしています。

(日本はなぜキャッシュレス決済の割合が低いのかって、本当のところは、あの連中の世話にできる限りなりたくないだけだったりして。不正利用時の対応は、昔と比べてだいぶ良くなりましたが、昔はひどかったんだから。銀行なんて今でもそうだけど。)

まず隗より始めよじゃないけど、どうすればフィンテックの雄になれるかとか、どうすればキャッシュレス社会の覇者になるかとか、どうすれば現金主流の業界にキャッシュレス決済を導入できるかとかではなく、既存の楽天カードや楽天銀行のユーザーに、今よりも安全で便利なサービスを提供することに注力した方がいいでしょう。

応援してるんだから頑張ってよ。

おわりに

キャッシュレス決済の展望を描いてみました。

この記事書きながら化学反応の活性化エネルギーという言葉を思い出しました。

ある状態からより安定な別の状態になるルートがあるとしても、その途中の不安定な活性化状態を通過しなければいけなくて、そのために必要なエネルギーが活性化エネルギー。

キャッシュレス決済の話も、活性化エネルギーに着目しないで生成エネルギーにだけ注目しているような話が多い気がします。

個人間送金を国民全員がLINEでするようになったら世界は激変する、みたいな。

問題は、少しずつその方向で進み始める、反応の最初のところ。

ある化学反応において、複数の生成物が考えられるとしても、一番安定な物質ができるわけではなく、最も活性化エネルギーが低いルートで反応は進む。

そこをちゃんとわかっているのがAppleとAmazonで、「現金からキャッシュレスへ」みたいなパラダイム転換の伝導師になろうとしているのではなく、あくまで、目の前の既存ユーザーの体験を向上することに全力を注いでいます。

こう考えてみるとさすがですね。


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