5月16日の日記です。
Yahooニュースを見ていたら、センター試験の一部科目が記述式になるらしいですね。
みんなででっかい施設に集まって同じ時間に同じ問題解いてしかも機械で採点というのが、一番平等なんですけどね。
センターで基礎的な知識を試して、各大学が記述式の2次試験でそれぞれ必要と考える能力を試す、という現状に問題は無い気がするんだけどなあ。
特に、記述式への変更が提案されているセンター現代文なんて、日本が誇る最高の論理テストだと思いますけどね。
そんな私が、今回提案された新形式のサンプル問題見てみました。
吹き出してしまいました。
一言で言うとよくできてる。
よく作れるなこんな良い問題というすごいサンプル問題でした。
記述式にしたい気持ちがよく分かりました。
どうやら頭の良い人達が考え抜いた末の試験形式変更だったようです。
1問目は、自治体からの住民への景観条例の趣旨提案書と、その説明会から帰ってきた父親と娘の会話が問題文。自治体は景観条例で歴史ある景観を維持保存するとともに、一体感ある街並みを推進して、観光資源となる魅力的な街づくりを目指そうと呼びかけるのですが、その内容によると一部の住宅所有者に自己負担での改修工事が必要になる等所有者に制限が生まれ、その点に難色を示す父親と、自己負担がいやだからと言って反対していても町が過疎化する一方じゃないかと迫る娘の会話です。
かなりリアルで具体的で、割り切れる答えのない難しい議論を題材に、それぞれの主張のポイントと対立点を抽出していくという問題です。
2問目の問題文は契約書。不動産屋が契約書に基いて変なこと言ってきたんだけど、相手が契約書を読み間違えていて、そこを契約書を読んで反論しろという問題。
従来の、小説やら評論文を読んで答えるテストから、大きく内容が変わっています。
結局きいてるのは読解力なんですが、従来のような評論文や小説だと、主観的印象や文章の難解さに飲まれて客観的な判断が出来なくなる場合が多く、だからこそ、客観的思考力、つまりどれだけ「大人」かを問う点では良い試験だと思っていました。
しかし、確かに、実学という観点からは、万人に論理的思考が必要なのであれば、日常的な場面に十分複雑な問題は点在しますから、それらを題材にして、どれだけ日常的コミュニケーションの内容を理解しているかという点を素直にきいた方が良いかもしれません。
どっちが良いかは難しい問題ですが、大事なのは、論理的で客観的でまともにコミュニケーションできる「大人」になることですから、なんとなくでアカデミック性にこだわっても仕方がないのかな。
難解な文章の読解ではなく、日常的なこんがらがった議論を丁寧に読み解く訓練に切り替えるというのは、ありかもしれません。
また、採点とかをやったことある人はわかると思いますが、質問に答えない人というのはとにかく多いので、記述式を導入したいのもよくわかります。
従来のセンター現代文も非常に良い頭の訓練でしたが、この問題を解けるようになるための勉強も間違いなく役に立つ気がします。
これは、海外のテストなどを参考にしたのでしょうか。
とにかく、練られた問題でびっくりすると同時に感心しちゃいました。
30代40代の人で同意してくれる人は多いと思うのですが、最近の若者は皆英語が非常にうまいです。
受験英語は実際には通用しないなんて批判はどこ行ったのか、みんなうまいです。
それと同じで、国語教育もこうして紆余曲折経ながらも少しずつ良くなっていくのでしょうね。従来の試験にも良いところはありますが、どっちを取るかですからね。
ニュースを見た時には、記述式?バカな、従来のままでいいでしょと思ってましたが、サンプル問題みて考えが変わりました。
変化に対して、自分はかなり柔軟なはずだと思っているのですが、年々石頭になっていくんでしょうね。