Epic GamesとAppleの大戦争とSony PS5


Sonyが何気に影響を与えている気がする。

はじめに

先日、今世界を席巻している大人気ゲーム「フォートナイト」で有名なEpic GamesがAppleに喧嘩を売って大戦争になっています。

これ、Epic Games対Appleというより、アメリカ対中国の戦争といった感じなので、そこを中心に書こうとしていました。

しかし、昨日から予約解禁となって大騒ぎの11月発売のSonyのPlayStation 5の情報を見ていて、このPS5がこの大戦争に一役買ってる気がしてきたので、そこを考えてみます。

Epic GamesはAppleに突然喧嘩を売ったわけですが、本当のところそれは突発的なモノではなく、相当長期間にわたって、用意周到に準備してタイミングを見計らっていたことが明らかになっています。

なお、私は陰謀論にハマりやすく、IT関係の知識も皆無で、適当なことを言うことで有名なので、くれぐれも信じないようにご注意ください。

戦争勃発

先日、Epic Gamesが、iPhoneやiPad向けのフォートナイトで、ゲーム内の課金はApp Store経由で行わなければならない所、App Storeを経由せずにEpic GamesのHPで課金するとそれがゲーム内で反映される仕組みを突然作りました。

iOSで遊べるゲームというのは、全てApp Storeでダウンロードして、課金もApp Storeで行わなければいけない規約ですから、当然の如くAppleは怒り狂い、フォートナイトいう大人気ゲームをApp Storeから削除して、遊べなくなりました(厳密に言うと新規ダウンロードやアップデートができなくなっただけで、すでにダウンロード済みの人は旧バージョンのままで遊び続けることは可能)。

そうしたら、Epic Gamesは待ってましたとばかりに、Appleの独裁的な態度を風刺した動画を発表するとともに、Appleに是正を求めるように提訴しました。

この、入念に作りこまれた動画が秒速で公表されたこと(最初から準備されていたこと)、提訴も早く、対Appleの訴訟で実績を上げたことのある人を集めた最強弁護士集団が既に組織されていたことから、Epic Gamesとしては、Appleの動きを予測した上で、入念に準備を行っていた上で、あえて規約違反を犯したことが明らかになりました。

戦争のポイント

この喧嘩のポイントは、App Store経由でのデジタルコンテンツの売り上げは3割Appleが天引きするという仕組みです。

つまり、iOSユーザーがフォートナイトに課金すると、その3割は無条件でAppleの収益になります。

これは取り過ぎだというのがEpic Gamesの主張です。

フォートナイトは、クロスプラットフォームのオンラインゲームですから、PC、Andorid、iOS、ほかにも任天堂SwitchやSonyのPlayStationでも遊べます。

そして、PCで遊ぶ場合の課金は分かりやすく、WindowsだろうがMacだろうが、Epic Gamesのサイト上でクレジットカードなどを登録して支払うだけです。

この収益は全額Epic Gamesのものです。

しかし、スマホの場合は話が異なります。

AndroidならPlay Store、iOSならApp Storeでゲームをダウンロードして、課金する場合にはそれぞれのStoreに登録したカードなどで支払うことになります。

そして、その課金の一部は当然のようにStoreの運営者たるGoogleやAppleにとられます。

ここで、AndroidとiOSには大きな違いがあります。

Androidの場合、アプリはPlay Storeでダウンロードするのが原則ですが、野良アプリと言ってPlay Store以外でダウンロードする方法があります。

Play Store以外からダウンロードするのは、発行元の得体が知れない場合があり、一般的に「危険である」と言われていますが、アプリの素性がどうあれ、アプリ製作者としてはPlay Storeを通さずにアプリを配布することが可能です。

ほとんどのAndroidユーザーが、アプリはPlay Storeからダウンロードするものだと思っているので、Play Storeに載せないと誰にも気づいてもらえないというリスクがあり、ポピュラーなアプリで野良アプリはないですが、ただ、アプリ製作者としてはGoogleに上前はねられずにアプリを販売する方法が可能です。

一番有名な野良アプリは、これも大御所、「Amazonアプリストア」アプリでしょうか。

アプリストアのアプリとは何ぞやという感じかもしれませんが、ゲームする人には有名で、アマゾンは、ゲーム課金やアプリ購入用のアマゾンコインと言う商品を販売していて、なんとなくわかると思いますが、10,000コインを9500円とかで売っているわけです。

そして、10,000コインは10,000円分の課金やアプリ購入に使えます。

しかし、課金方法としてアマゾンコインが使用できるのは、Amazonアプリストアからダウンロードしたアプリだけです(ややこしい)。

アマゾンコインはアマゾン独自の課金方法であり、Googleアカウント経由以外の課金方法をみとめるもので、こんなアプリをPlay Storeで配布することは許されず、各種アマゾンアプリ(ショッピングとかPrime Videoとか)はPlay Storeでダウンロードできますが、Amazon アプリストアだけは、アマゾンの専用サイトから直接ダウンロードしなくてはいけません。

とはいえ、この方法だと、ゲーム会社としても課金額の3割をGoogleに上納する必要がなく、数パーセントをAmazonに収めるだけですからAmazonとWin-Winです。

そして、Amazonとしても10,000円分のコインを9,500円とかで販売しても、アプリ発行元からの上納で利益が出る構造になっているわけです。

このように、Android上では、Googleへの上納を回避するために野良アプリとして配布するという方法があります。

もちろんEpic Gamesも、フォートナイトのAndroid版は、Play Storeだけでなく、自社サイトで直接配布もしていました。

Googleの特徴として、野良アプリをいじめはしますが、絶対的に禁止にはしません。

この点、Appleは違います。

iOSでは、野良アプリの配布は禁止され、全てのアプリはApp Store経由での配布が義務付けられ、そして課金額の3割はかならずAppleに上納します。

これを独裁だと、Epic Gamesは批判したわけです。

そして、アプリ自体はApp Storeでダウンロードするわけですが、課金は自社サイトでできるようにして、Appleに上納しない課金ルートを作ったわけです。

しかも、その自社サイトでの課金に関して、App Storeで課金するより2割以上安くしました。

つまり、App Storeでは3割上納する必要がありその分割高である、私たちの自社サイト課金システムの構築は、Appleの利益まで自分達のものにしようという強欲なものではなく、強欲なAppleの不当な取り分をユーザーに還元するためのものだと主張し、さらにサイト上で大々的に書いて宣伝していました。

そして、速攻でAppleがブチギレて、Storeから削除し、そしたら速攻で反撃が始まって・・・という経緯です。

真っ二つの意見

このEpic Gamesの宣戦布告、賛同者が続々と出てきます。

というのも、売上の3割上納と、迂回ルートの絶対禁止はアプリ発行者はみんな不満に思っていたからです。

例えば、上記のAmazon アプリストアというのは、野良アプリを許すAndroidだから可能なわけで、iOSユーザーには無縁の話です。

Appleのプラットフォーム上ではそんな独自課金方法を許すアプリなんて絶対禁止です。

とは言え、App Storeを見ればわかるように、Amazonアプリストアはないですが、Amazon Prime MusicとかAmazon Prime Videoなんてアプリがあると思います。

そう、そこで生じた課金額の3割を、Appleはアマゾンからも徴収しています(デジタルコンテンツの売り上げのみ)。

他にも、音楽アプリのSpotify、動画配信のNetflixなど、あれをApp Store経由でダウンロードして課金すると、3割はAppleが無条件で取っています。

要するに、世界を支配する勢いのプラットフォーマーたちから、3割の上納金を徴収しているわけです(恐ろしすぎる)。

そこで、いくら何でも3割は取り過ぎだと、多くの賛同者がEpic Gamesに賛同していて、議論は真っ二つに割れています。

この点、独自課金禁止の規約は明確で、その規約にサインした上でアプリを配布しているので、規約違反は間違いないので、訴訟にならない気もします。

しかし、「約束は約束」という日本と異なり、海外では、例え契約したとしても、不当な規約に従う必要は無いので、規約が独占禁止法違反などの不当な条項だと認定されれば、訴訟の行方はどうなるかわかりません。

Epic Gamesとは

センセーショナルにAppleに喧嘩を売って、話題沸騰のEpic Gamesですが、タイミングとしては絶妙です。

なんせ、コロナ禍の自粛で家にいる時間が増え、ゲーム人気は高まる一方。

その中でも、フォートナイト人気は格別で、全世界でユーザー数が3億人を超えています(もちろん私もその一人、滅茶苦茶面白ですよね)。

先日は、米津玄師さんがゲーム空間上でライブをやって日本でもニュースになっていましたが、著名ラッパーのTravis Scottの時は全世界で1230万人が同時にログインして視聴するような大騒ぎになっていました。

つまり、Epic Gamesだってフォートナイト1つで、全世界で数億人のユーザーがいるプラットフォーマーなわけです。

そして、このEpic Gamesですが、創業者が株式の51%持っていますが、40%持っているのは、中国のテンセントという会社です。

GAFAを揺るがす存在として、HATと言われるグループがあり、Huawei、Alibaba、Tencentの3つの中国企業ですが、その中の一つであり、時価総額世界ランキングの7位くらいの会社です。

Apple、Amazon、サウジアラムコ、マイクロソフト、Googleの次くらいをフェイスブックやアリババと争っている企業です。

テンセントの主力事業はゲームですが、ソフトバンクみたいな会社で、金融方面の人達からすると、おそらくゲーム会社ではなく投資会社という認識がされているような気がします。

そして、40%持っていて、過半数は創業者が持っていますから議決権比率的に親会社とは言えませんが、まあ、資金面を考えれば事実上親会社みたいなもんでしょう。

要するに、世界中のプラットフォーマーからすらも上納金を徴収するAppleに対して、中国企業の一番の親分が喧嘩を売ったわけです。

3割も払ってられるかと。

しかも、アメリカ側の超大企業の多くも3割の上納には面白く思っていないところが、この喧嘩の複雑で興味深いところ。

ゲーム課金市場

テンセントとしては、ゲームの課金市場を何としてでも手に入れたいわけです。

昨年から動画配信を巡って大戦争が勃発しています。

ディズニーが20世紀FOXの買収を完了して独自の動画配信サービスを始めたり、Appleも独自の動画サービスを始めたり、アマゾンがすさまじい投資でオリジナルコンテンツを作ったり、NETFLIX包囲網の中で、NETFLIXがこのまま天下を獲るのかどうか、大混戦の状況となってきました。

そんな中で、NETFLIXのCEOのインタビュー行われ、この動画配信大戦争をどう見るかと問われたわけですが、NETFLIXのCEOの回答は下記でした。

NETFLIXの敵はフォートナイトである。

世界中で、何らかのモニターを見ている人がいて、その人たちが何をして、何にお金を使っているかを考えたときに、ゲームに費やしている時間と費用が動画配信より圧倒的に上で、その中でもフォートナイトが格別で、あれをやり始めた人はどんどん動画を見なくなる、と。

確かに、言われてみればその通りで、ゲームの課金市場はとんでもない勢いで伸びていて、しかもこのコロナ禍で、新規に始める大人が激増しています。

今のオンラインゲームはファミコンのようにカセットなんてなく、オンラインでダウンロードして遊びます。

しかも、クロスプラットフォームで、端末は問わずに同じゲームで世界中のユーザーがつながって対戦します。

そうすると、アプリストアのようなゲームストアを展開して、課金額の上前をもらうプラットフォーマーに誰がなるかこそが、デジタルコンテンツに関するプラットフォーマーの真の覇者たり得ます。

にもかかわらず、スマホに関してだけは、GoogleのPlay StoreやAppleのApp Storeがのさばっていて、Epic Gamesとしてはどのゲームの課金に関しても3割上納するなんていう既存の仕組みだけはどうしても壊さないといけないわけです。

そして、これはそのまま、中国とアメリカの覇権争いの一部です。

ヘビーユーザー化

Epic GamesがAppleに喧嘩を売ることができた別の理由もあります。

それは、フォートナイトのようなゲームというのはスマホで遊べないこともないですが、基本的に無理があって、ハマっている人のほとんどがそれなりのゲーム機でやっていて、スマホでやっている人の多くがライトユーザーで、Epic Gamesとしては最悪切り捨てても大して痛くないわけです。

確か、フォートナイト関連の課金に占めるiOS経由の売り上げはは1割以下だったと思います。

要するに、ここまでフォートナイト人気が出てくると、iOSで出来ないとなればハマっている人は他のプラットフォームに移るだろうし、止めちゃう人はもともと大した課金額でもないだろう、と言う見積もりがあるんだと思います。

そして、このコロナ禍のゲームブームには、スマホで遊ぶというより、ゲーミングPCやゲーム機といった専用機で遊ぶヘビーゲーマーが増えているという特徴があります。

したがって、フォートナイト人気と相まった、家庭内で専用ゲーム機使ってゲームする人の増加も受けて、スマホユーザーを一気に切り崩そうとしているのでしょう。

確かに、練りに練ったタイミングなんだと思います。

スマホで出来なくなって不満を持ったユーザーの多くが、文句を言いながらも、他のプラットフォーム乗り換えているんじゃないだろうか。

一向にSonyが登場しませんが、やっと登場します。

化け物 PlayStation 5

11月に発売予定で、昨日から予約が始まったPS 5ですが、性能がバケモンです。

値段が5万円位なのですが、使われているパーツの性能だけを考えても、おそらく20万以上使って自分でパソコン組まないとあれを超えるものができないです。

しかし、PS5の性能のすごさはパーツの性能ではなく、全体としてのシステムの革新であり、おそらく今後10年位あれを超えるゲーミングパソコンは登場しないと思います。

百万使ってゲーミングパソコンを作っても、PS5を超える性能は出せないんじゃないだろうか。

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PS5は絶賛する人と、価格面以外大したことないという人がいますが、私は絶賛派に賛同します。

何がすごいのか。

パソコンというのは、CPUのほかにハードディスク(HDD)やSSDと言ったストレージとメモリからなります。

ストレージは長期記憶でメモリが短期記憶です。

大きな違いはデータの転送速度です。

ストレージには大量のデータを保存できますが、メモリのように高速で処理できません。

したがって、大量にあるゲームのデータはHDDやSSDに保存されますが、ゲーム状況に応じた必要なデータだけがメモリに送られ、そこで処理がされます。

しかし、最近はHDDからSSDへの転換が進み、さらにSSDの高速化が進み、SSDとメモリの違いが縮まってきました。

そして、PS5で使われているSSDになると、圧縮データで8ギガ/秒というとんでもない性能で、メモリと大差ありません。

PS4では、HDDからゲームデータを取り出して16ギガのメモリ領域でゲームの状況に応じたデータ処理をしており、つまり、メモリ領域内に収まるようなデータ処理が要求されています。

そして、メモリ内に今後数十秒以内に起こりそうなデータをあらかじめ作成しており、状況に応じそれを画面に高速で渡していくわけです。

したがって、どんなに画像がきれいだと言っても近くのものは精彩に、遠くのものは多少荒くして、近づいていくと細かく見えるようになるなんて感じで、データをメモリ内に収める工夫が必要でした。

しかし、転送速度8ギガとかになってくると、もうSSDだかメモリだか区別がなくなるので、そこを踏まえて設計を根本から変えました。

PS5というのは、メモリが16ギガということになっていますが、メモリ16ギガというより、約1テラのSSDをそのままメモリとして使えるように設計を最適化したマシンで、画像処理の仕組みそのものを根本から変えようとしています。

従来の、ストレージから必要なデータのみを取り出して、メモリ内で出来る限り綺麗な画像を作るという制約がなくなるわけです。

SSD内の一番細かいデータを取り出して、それをパッパッと組み合わせて高精細なデータを作って画面に送ればよく、メモリ内での作業という制約がなくなります。

しかし、その転送速度性能だけ見ると、パソコン用の最新型にはそれより早いものがすでに登場予定です。

ただ、パソコンの場合それを本当の意味フル活用できるか。

突然違う話が始まったように読めるかもしれませんが、オンラインゲームというのは無料が基本です。

なぜかと言えば、オンラインゲームの最大の醍醐味は世界中のユーザーとの対戦ですから、あるユーザーがゲームを始めたときに対戦相手がすぐ見つかることが何より大事だからです。

なので、無料でもいいから広く門戸を開き、ユーザー数を増やして、朝昼晩、いつでもログインするとすぐに対戦相手が見つかる状況を作ることが最優先で、課金はその後の話なわけです。

そう考えると、オンラインゲームというものは、数十万円する最新のゲーミングPCでしか遊べないという作りにするわけにはいきません。

最新型のSSDを使えばメモリと同じ転送速度になると言っても、それが末端まで普及するのは10年くらいかかります。

OSなどのシステムファイルはSSDにしても、ゲームはHDDに保存している人や、メモリも8ギガとか16ギガといった人もたくさんいます。

そして、もうすぐ登場予定の最新型SSDの搭載が一般化するのは10年はかかるでしょう(一部の人以外困らないし)。

つまり、最新型のSSDがすごいと言っても、全員がパソコンを一斉に買い替えるわけではないですから、ゲームを開発するにあたって、従来通りの、CPU、ストレージ、メモリという3点セットの仕組み自体は変えられないわけです(そもそもマザーボードなどの設計から変わってくれないと実現できない)。

その点、PS5の場合、SSDの高速化に合わせて、それが生きるように根本的な仕組み自体を変えてきましたから、同じゲームをするにも、PS5の方が高精細な画像処理ができると思います。

数十万円出して、最新のSSD入りのパソコンを作ったとしても、ゲーム自体が、ライトユーザーでも楽しめるように、必要なデータのみストレージから取り出して、なんとかして8ギガとか16ギガの範囲内で画像処理を完結させるなんて仕組みで設計されていれば、そのSSDの高速転送機能が本当に生きるとは言えません。

SSDの進化に対応して、もうSSDをメモリのように使うことで、従来のメモリによる制約そのものを取っ払ってしまおうというのがPS5の最大のポイントで、そしてそれは、パソコンという共通規格の装置ではなく、Sony独自の専用ゲーム機というプラットフォームだからこそできた進化なわけです。

以上から、もしゲーム会社がPS5に合わせてゲームを最適化して来たら、どんなゲーミングPCでも、勝てないんじゃないかと言われるわけです。

もちろん、Epic GamesはPS5を大絶賛しており、超協力的です。

PC、PS5、XBOX

PS5の発売に合わせて、PS5と並ぶ両雄の片割れ、マイクロソフトのXBOXの最新作、Series Xというモデルも登場します。

そして、このXBOX Series Xですが、使われているパーツの性能はPS5より上と言われています。

この機種も、性能と価格を比べると、20万越えのゲーミングPC以上の性能を持ちながら5万円くらいですから、PC派からするととんでもないバケモンです。

ほとんどのゲーミングPCユーザーがバカバカしくなるような性能です。

しかし、上記のPS5ような仕組みは導入されていないようです。

その理由は簡単で、製作元がマイクロソフトだからです。

もともとXBOXというのは、PCゲームをより手軽に遊べるようなゲーム機と言った感じで、ゲームの設計はパソコンと同じです。

それがある意味魅力のような機種で、ゲーム制作側としては、PC用、スマホ用、PS用、任天堂Switch用などといちいちカスタマイズする手間があるわけですが、XBOX用と言うのは、PC用をベースに移植が簡単にできることが魅力でした。

つまり、XBOXというのは、最新のゲーミングPCに、ゲーム性能だけは負けないようなゲーム機であり、PCと根本的な仕組みは同じです。

XBOXで遊べるけど、PCでは遊べないゲームなど、マイクロソフトは求めていません。

マイクロソフトが作る以上、ゲームに特化することでコスパを追求することはあっても、ハイスペックなゲーミングPCを凌駕するようなものではありません。

したがって、PS5と同様の最新型のSSDが導入されていますが、ただSSDからのデータの読み出しがはやいというだけで、画像処理をメモリ内で何とかしなくてはいけないという制約はそのままです(多分)。

しかもXBOXでオンラインゲームをやるには、マイクロソフトのサブスクリプションに加入して年会費などを支払わないといけない、確か(ここあまり詳しくない)。

ようするにマイクロソフトも、専用のゲームストアを運営することで、GoogleやAppleのように課金額の美味しいところをマイクロソフトが持っていく仕組みを作りたいわけです。

狙いは、年々進化するクロスプラットフォームのオンラインゲームの世界で、マニアは数十万円投資して高額なゲーミングPC使うけど、そこまで予算を割けない人向けに、ゲーム性能にのみ特化したパソコンの子分のようなゲーム機を作って、ゲーマーのメイン層を取りに行きたいわけです。

そして、Epic Gamesとしては、フォートナイトやリーグオブレジェンドなど、コロナの影響もあり、PCがメインのオンラインゲーム人気が高まり、ゲーミングPCが急速に売れ行きを伸ばしている中で、20万くらいまでのゲーミングPCならXBOXと大して変わらないなんて状況が生まれ、一部のマニア以外は、結局マイクロソフトのストア経由でゲームがダウンロードされ、ゲームストアの覇者にマイクロソフトがなるなんて言うのは認めるわけにはいきません。

Epic Gamesとしては、AppleとGoogleに喧嘩を売り、多くのスマホユーザーがこれを機にPCにプラットフォームを変更する状況は歓迎です。

しかし、フォートナイトをはじめとして、オンラインゲームのメインはあくまでPCなのが現状で、PC向けのゲームを進化させればさせるほど、マイクロソフトが甘い汁を吸う状況はおもしろくありません。

マイクロソフトだってAppleやGoogleと同じくアメリカの大企業であり、大統領のさじ加減一つで、ストアから締め出されたりしたらたまりません。

しかし、この日本にゲームの流行がPC中心になると困る企業がいて、それがSonyです。

Sonyというのは、任天堂のような家庭用ゲーム機としてのアイデンティティはもっていませんから、PCを中心としたクロスプラットフォームのゲームが大流行する中で、PlayStationがゲーミングPCの代用品としての家庭用ゲーム機になったらもう終わりです。

そこで、ゲーミングPC、すなわちゲームに特化していても、パソコンという広く普及している仕組に乗っからざるを得ないという根本的な部分を欠点にしてしまうような、とんでもない仕組みを持ったPS5を投入してきたわけです。

そして、Epic Gamesとしては急接近したわけです。

PS5がどこまで行くか

私をはじめとしたPCゲーマーの多くがPS5の性能を見て頭を抱えていると思います。

もう、ゲーミングPC要らないんじゃないかと思っているの私だけではないでしょう。

せっかく組んだ10万越えのPCがこうもあっさり家庭用ゲーム機にぶち抜かれるとは。

しかもメインのフォートナイトが、PS5に全力で最適化されそうだし。

PCを組むのが好きとか、動画編集をする人はもちろんPCが必要ですが、ただ、ゲームの為ならPS5で十分どころか、PS5の方が優秀なわけです。

フォートナイトにハマっていて、奮発してゲーミングPC買うかなんて考えていた人も、これならPS5でいいや、という感じだと思います。

コロナの自粛生活の下、ゲーム人気が高まり、とくにオンラインゲームの隆盛により、ゲーミングPCの爆売れ状況が数か月続きましたが、もしかしたもう終わりかもしれませんね。

そして、それをEpic Gamesが全力でサポート。

まあ、まだ発売前のPS5上げの意見ですが、PS5がどこまで普及するのか、個人的にすごい楽しみです。

まとめ

だいぶごちゃごちゃしてまとまりがないですが、まとめます。

要するに、今回Epic GamesがAppleに喧嘩を打ったのは、ゲームストアのプラットフォーマーを目指すテンセントしては、避けて通れない喧嘩です。

ゲーム課金市場を支配しても、その3割を上納するなんていうのは受け入れられません。

だから、いつか戦争する必要があり、後はタイミングです。

そうしたら、ゲームは普段しないけど、通勤途中などに多少無料ゲームをやるなんてライトユーザーが増えていた中で、コロナが来て、ライトユーザーが家の中でハイスペックなゲームをやるようになるというブームが来ました。

そこで、一部のスマホユーザーの犠牲の下、一気に戦争を仕掛けたわけです。

もともとスマホユーザーの売り上げは大したことないし、今なら、別のプラットフォーム乗り換えるだろうと。

しかし、だからといって、ゲーミングPC中心の市場になってしまうと、せっかくフォートナイトなどのゲームを進化させても、いや、進化させるほど、一部マニア以外はXBOXでゲームするなんて状況が生まれかねません(PCゲームの移植はXBOXが一番簡単でゲーム会社としても重点を置きやすい)。

その結果、ゲームストアの覇権をマイクロソフトにとられるなんていうのは看過できません。

しかし、同様にPCゲームの大流行の中で、任天堂ほどの独自性を出せず、ゲーミングPCのコスパ商品としてのゲーム機に甘んじるわけにいかないSonyが、PS5というとんでもないものを開発してきたわけです。

別に高いゲーミングPCなんて買わなくても、5万円のPS5で最高のゲーム体験ができますよと。

さらに、ゲーミングPCの劣化版ではなく、どんなゲーミングPCよりも高性能ですよと。

テンセントは中国企業ですから、AppleもGoogleもMicrosoftも嫌いです。

何とかして、あの連中の独裁をぶっ壊そうとしています。

そこに、Sonyがとんでもない独自商品をもって登場したわけです。

完全にSonyとは利害が一致していて、ゲームやるならPS5という状況の実現に大々的に協力していく気がします。

Epic GamesとAppleの喧嘩、裏側にはアメリカと中国の喧嘩があるわけですが、そこに、すさまじい技術を片手にSonyが登場し、Epic Gamesがそこに猛烈に食いついているというのが面白くて書いてみました。

おわりに

PS5はすごいですね。

フォートナイト目的ならPS5が一番の選択肢のような気がしています。

まあ、SonyにはPS3というほろ苦い経験があります。

今回のPS5同様、最強のスペックを片手に独自規格満載で登場し、発売前にはその性能の高さが散々喧伝され、話題沸騰、大いに注目を集めたのですが、あまりに独自仕様な開発環境にゲームメーカーがついていけなくなって、その性能を発揮する大作が開発されず、大失敗に終わりました。

しかし、今回はEpic Gamesがついています。

Epic Gamesはゲームソフト会社と言うだけでなく、Unreal Engineというゲーム開発会社向けの開発プラットフォームの最大手であり、多くのゲーム会社がこの仕組みを使ってゲームを開発しています。

したがって、この会社がPS5向けのゲーム開発に全力を注ぐとどんな影響を及ぼすのか。

中国対アメリカの大戦争にひょこっと現れた日系企業がどういう役割をするのか。

そもそも、PS3同様の超高性能だけど独自性満載というPS5がどのような顛末を迎えるのか。

まあ、大して流行らないで終わったりするかもしれませんがね。

果たしてゲームストアの覇者は誰になるのか今後が楽しみですね。

それにしても、フォートナイト勢としてはPS5が気になる(PC勢としてはXBOX Series Xの性能も気になるけど)。

せっかくだから今からパッドの練習でもしておこうかな。