大手コンビニ3社の新POSレジから見えること


面白いニュースを読みました。

この秋から、大手コンビニ3社、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートで、POSレジの全面的な置き換えが始まっているそうです。

詳細は下記を参照
コンビニのレジで消え行く「例のボタン」、セブンだけ残した理由

この記事を読んでいて、おもしろいというか、日本人的だなと思ったのが、この記事の主題でもある「例のボタン」に関する意思決定。

例のボタンというのは、知っている人も多いかもしれませんが、客層ボタンのこと。

コンビニでは、レジでお会計をするときに、店員が、客の見た目から年齢層を判断して、20代とか、30代とか、50歳以上とか、ボタンを押しています。

そして、そこから顧客の年齢層別の購買行動データを作成・分析し、マーケティングに生かしています。

それが、今回のPOSレジの刷新で、セブンイレブンはこのボタンを残したのですが、ローソンとファミリーマートは廃止することに決めたという話です。

その理由はなぜかというと、ポイントカードの利用率が上がったおかげで、ポイントカードの顧客情報からより正確な年齢がわかるようになったからとのこと。

現状のレジで行われている見た目ベースの年齢判断は正解率が80%くらいらしいです。

その点、ポイントカードの顧客情報からは100%正確にわかります。

そうはいっても、これまではポイントカードなどの利用率も低かったので利用には難があったのですが、最近では、ポンタ、Tポイント、dポイントなど、いろいろなポイントカードがあるもののそれらを合計すれば利用者の過半数について分析できるようになったため、将来も見越して、年齢判定ボタンは廃止したとのこと。

個人的には、この判断、手段が目的化しているように見えます。

目的はあくまでマーケティングで、その手段として、年齢層別の顧客行動分析があるはずです。

しかし、年齢層別の顧客行動分析自体が完全に目的になっているような気がするのです。

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年齢別の分析をしたいから、レジで見た目で判断して店員がボタンを押しているけど、正解率は80%しかない。

その点、ポイントカードの顧客情報データに基づくと、100%正確な年齢情報が得られる。

正確なデータの方が精緻な分析ができるような気もしますが・・・。

でもそれってどうなんでしょうね。

何が言いたいかというと、見た目が若い人は気持ちも行動も若いと思うんですよね。

つまり、2つのデータがあるとします。

1.見た目から判断される年齢層別の顧客行動分析
2.真実の年齢に基づく年齢層別の顧客行動分析

マーケティングに活かしやすいのは見た目ベースの分析なんじゃないかと思うのはマーケティング未経験者の浅知恵でしょうか。

そもそも年齢によっても人それぞれで、年齢でくくるのはもともと難しいと思いますが、そうはいっても一定の行動パターンなどを抽出できるとしたときに、真実の年齢と見た目から判断される年齢で、真実の年齢をベースにするとデータは厳密になったかのように見えるものの、かえって年齢層と行動の相関性は低くなりそうな気がしますけどね。

つまり、データを厳密化した結果、かえってマーケティングには役に立たなくなるという事態にはならないかと。

ポイントは、年齢をより正確に識別できるのはどちらかではなく、どちらのデータがマーケティングに有効かであるのに、そこが担当者の説明に登場しないのが気になるわけです。

もちろん、どちらが有効かは、実際に比較してみないとわかりませんが、どうなんでしょうか。

ただ、データ分析をしているうちに、データ自体が目的化して、そもそもの目的との関係を一切顧みることなく、「より正確なデータ」みたいな言葉が目的化していくところに、日系企業のシステム開発あるあるを見るのは私だけではないはず。

昨日、駅で前の職場の同僚に声をかけられことから、システム開発のことを思い出していたので、ちょうどこのニュースを見て、相変わらずなのかなと考えた次第です。