Android Payの使い方


遂に楽天に陥落しました。

目次

はじめに

Amazon信者だった私もついに楽天に陥落しました。

楽天銀行に口座を作り、楽天カードも作り、スマホにはRのマークのアプリがあふれています。

楽天カードを持っている場合、楽天Edyは、チャージしたときと使用したときでポイント二重取りができるので、使わない手はありません。

そこで、Edyカードを作っても良いのですが、新しいもの好きとして、Android Payで楽天Edyを使うことにしました。

そしたら便利なことこの上なく、今までおサイフケータイを使っていなかった自分を激しく後悔しました。

せっかくなので、Android Payとは何かについて、あっさり解説します。

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Android Payとは何か

Android Payとは語弊を恐れずに一言で言うと、スマホ決済のプラットフォームです。

機能的には、おサイフケータイやApple Payと同じで、決済のプラットフォームです。

何ができるのかというと、そのアプリに複数のクレジットカード、ポイントカード、電子マネーを登録しておいて、スマホで一元管理できるというものです。

一元管理というと伝わりにくいかもしれませんが、例えばポイントカードなど、薬局や本屋など、様々なポイントカードがありますが、ポイントカードお持ちですかと言われたときに、財布を漁る必要はなくて、あらかじめ登録しておけばカード現物は不要で、アプリ上でポイントカード探してスマホを見せるだけとなります。

さらには、電子マネーでいうと、nanaco、WAON、Suicaを登録しておくと、改札を通る時にスマホをかざせば自動でスイカから引き落とされ、コンビニでの買い物でも、nanacoで払うと言ってからスマホをかざせば、アプリを立ち上げて選ぶなんてことせずに、nanacoから引き落とされます(SuicaやWAONが登録されてあっても)。

そういった、クレジットカードや電子マネーを一カ所で統一的に管理できるのが、Android Pay、Apple pay、おサイフケータイという、スマホ決済プラットフォームです。

利用可能な電子マネーとクレジットカード

もっとも、では、Android Pay、Apple Pay、おサイフケータイの3つのプラットフォームの違いは何かといわれると、機能的には、登録できるカードの種類が一番大きな違いです。

あくまで、様々なクレジットカード、ポイントカード、電子マネーを一元管理できると言っても、それはコンセプトの話で、実際に管理できるのは、各プラットフォームが提携済みのカードだけです。

例えば、最近流行りのApple PayはSuicaは登録できますが、Pasmo、nanaco、WAONなどは登録できません。

そして、上記3つのいずれもも、カバー範囲は下記のように限定されていますから、たくさんのカードを使い分けている人などは、全てのカードの所持から解放されるような状況にはなっていません。

電子マネー
Apple Pay: Suicaのみ
Android Pay: 楽天Edyとnanaco
おサイフケータイ: Suica、楽天Edy、nanaco、WAON、スタバカード

ポストペイ
Apple Pay: iDとQUICPay
Android Pay: なし
おサイフケータイ: iDとQUICPay
※ポストペイとは、クレジットカードを登録し、スイカなどのようにタッチのみで使用できるが、クレジットカード払い扱いになる方法のこと。

日本では、おサイフケータイが、歴史も古くその結果、カバー範囲が一番広いです(のちに説明するように、Apple PayもAndroid Payも、海外と異なり日本ではおサイフケータイのネットワークを利用してサービスを提供しているので、両者にできておサイフケータイにできないことは基本的になし)。

従来、iPhoneはおサイフケータイに対応していなかったので、これまでずっとスマホ決済は出来ませんでした。

そんな状況が長く続いたいのですが、iPhone7でついに、Apple Payという独自サービスが日本でもスタートし、スマホ決済が使えるようになったわけです。

一方のAndroidでは、従来からおサイフケータイが使えたのですが、Googleが仕切る世界標準のAndroid Payが日本にも昨年末上陸して、二つのぷらっどフォームが存在するかのようになり、わけがわからなくなっているという状況です。

NFCとFeliCa

NFCとかFeliCaというのは、非接触型通信の規格です。

昔はカードを読み取るには、カードを端末に挿したりして、磁気コードやICチップを読み込まなくてはいけなかったのですが、Suicaのように、ピッと端末にカードをかざすだけで情報のやり取りができるようになりました。

この非接触型近距離通信の規格としては、我らがSonyが開発したFeliCaが最初の実用化例と言っても過言ではなく、日本では世界に先駆けて、Suica、Pasmo、EdyといったFeliCa方式の決済カードが普及していきました。

しかし、日本の規格が全世界に波及していくかもなんていうのは、高度成長期を経験した人たちの時代遅れの灰色の夢で、すさまじい成長が期待される分野ですから、世界は別の規格を普及させました。

その結果、同じようなサービスは世界中で広がっているのですが、日本だけがFeliCaという規格で動いていて、その他はNFCという規格で動いています(なお、FeliCaの方が優れた規格で、大量の人が駆け足で通り抜けるJR東日本の改札はFeliCaじゃないと対応できないと言われています)。

正確に言うと、FeliCaも、今となってはNFC Type Fという、NFCの一部ではあるのですが、そういった厳密な話は面倒なので、以下でも、NFCとFeliCaは別物という前提で話します。

Appleの決断

そんな感じのFeliCa支配の日本で世界に先駆けて登場したのが、おサイフケータイというスマホ決済プラットフォームでした(正確には携帯の時代からありますが)。

そして、かなり遅れてAppleが、Apple Payという同様のサービスを始め、世界で急速に普及します。

しかし、問題があり、iPhoneではおサイフケータイは導入できませんし、Apple Payも日本で導入できませんでした。

なぜかというと、グローバル端末たるiPhoneにはNFC対応のチップしか搭載されておらず、他方、日本の店舗のレジにはFeliCa対応のチップしか搭載されていませんから、ハードウェアのミスマッチで、どちらのサービスも導入できないわけです。

これは、ハードウェアの問題なので、なかなか溝が埋まらず、日本はガラパゴスと呼ばれました。

しかし、ご存知のように日本でのiPhone人気というのは、全世界で見ても異常なほど高く、Appleとしては、日本市場は特別でした。

そこで、AppleはiPhone7にFeliCaチップを載せてきました。グローバル端末に日本のためだけの機能を追加したのです。

こうして、晴れて2016年秋にApple Payが日本でも利用できるようになりました。

しかし、注意しなくてはいけないのは、グローバルでのApple PayというのはNFC規格なのですが、日本でだけはFeliCaで動くので、Apple Payと言いながら、日本ではおサイフケータイのプラットフォームに乗っかっています。

一方でAndroid Payは

GoogleのAndroid PayもApple Payと同じ状況で、NFC規格のスマホ決済プラットフォームとして、世界で爆発的に普及していますが、FeliCa規格ではありませんから日本では使えませんでした。

Googleにとって、日本市場は特別ではありません。

そのせいもあって、最新端末に日本のためだけにFeliCaを載せてきたAppleと異なり、Googleは最新端末にFeliCaを載せるなんてことまではしません。

また、Apple Payは金融機関側からAppleが手数料を取るのですが、Android Payはプラットフォームを提供するだけで、Googleは手数料をとりませんから、日本のためだけに大量のコストをかけるつもりもないかもしれません。

そんな状況なのですが、Googleは2016年末にAndroid Payを日本でもスタートさせました。

もちろん、日本では店舗側のレジがFeliCaにしか対応していませんから、Apple Payと同じで既存のNFC前提のグローバル仕様のAndroid Payをそのまま導入することはできず、おサイフケータイのプラットフォームに乗っかるだけです。

その結果、いろいろ問題があります。

まず、Android Payが使えるのは、もともとFeliCaチップ搭載の端末のみです。

つまり、Android Payが使えるのは、そもそもおサイフケータイ対応の端末のみとなり、その端末にとって、日本で追加的にAndroid Payを使うメリットは何も無いという状況になっています。

Android Payという名を冠したところで、おサーフケータイのプラットフォームに乗っかる以上、おサイフケータイで使える電子マネー等しか原理的に利用できず、しかもおサーフケータイ対応のスマホでしかAndroid Payは使えないわけですから、ようするに、Android Payで追加的にできることは何もないということです。

実際、今のところAndroid Payで使えるカードは、楽天Edyとnanacoのみという状況で、もともとおサイフケータイがカバーしている電子マネーですから、あえてAndroid Payをインストールする必要はありません。

使える端末と使いかた

以上、イントロが長くなりましたが、Android Payの具体的な使い方です。

まず、Android端末でかつおサイフケータイに対応している端末しか使えません。前述した通り、NFCのみ対応で、おサイフケータイには対応していないGoogle純正のNexusシリーズやHuawei製のSIMフリー端末などは使えません。

格安SIMを使う私としては、SIMフリー端末でおサイフケータイ対応はいい端末が無いので、白ロムを使ってます。

そして、Android Payのアプリをインストールしたところで、登録して使えるのは楽天Edyとnanacoのみです。

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Android Payのアプリをインストールしたら、カードの追加を選び、楽天Edyやnanacoを選んで追加します。

そして、チャージは、Googleアカウントに登録したクレジットカードからアプリ上で行います(もちろん、コンビニレジでの現金でのチャージも可能)。なお、Android Payアプリでチャージできるのは楽天Edyのみで、nanacoにチャージするにはnanacoアプリで行う必要があります。

後は、コンビニ等で、楽天Edyもしくはnanacoで払う旨伝えて、スマホをかざすだけです。

この時、スマホのスリープやロックを解除する必要も、アプリを立ち上げる必要もありません。

原則的に、データのやり取りに電気を使うので、電源はOnでなくてはいけないのですが(画面Onではなく)、微弱な電流でも動くので、バッテリーを抜いたり、バッテリーが空になってから長時間経っていたりしてバッテリーから放電しきっていたりしない限り、電源をオフでもしばらくは使えるそうです。

スマホの紛失・盗難

Android Payで使えるのは今のところ、楽天Edyとnanacoの二つの電子マネーだけなので、それを前提に説明します。

まず、Android Payにしろおサイフケータイにしろ、スマホのロックを解除することなく読み取り機にかざすだけで使用することが出来ます。

したがって、スマホを盗まれたりした場合に、スマホ本体をパスワードや指紋でロックしていたとしても、チャージ済みの金額の利用を防ぐことはできません。

スマホを盗んだ人が、どの電子マネーにいくら残高があるかは読み取り機にかざせば簡単にわかりますし、とりあえず使ってみるというのも簡単にできます。これは、電子マネーのカードを落とした場合と同じで、いくら不正利用であっても補償の対象外です。

もっとも、いくつかロックする方法があります。

まず、キャリアのスマホを利用している場合には、各キャリアの遠隔ロックサービスを利用すれば遠隔操作でFelica機能をロックしてもらうことが可能なので、残高の利用もロック可能です。

また、nanacoであれば、下記サイトから利用停止登録が可能です。
https://www.nanaco-net.jp/rescue.html

なお、楽天Edyの場合、利用停止手続きはできません。

チャージ済み残高が利用されてしまうのは、電子マネーカードを落とした場合と同じですから、仕方がないとしても、問題は登録したクレジットカードによるチャージの不正利用の防止です。

まず、楽天Edyの場合は、Android Payアプリ上でクレジットチャージが可能ですが、下記サイトからGoogleアカウントのロックを行えば、登録クレジットカードからのチャージは出来なくなります。

https://myaccount.google.com/intro/find-your-phone

また、nanacoの場合、Android Payアプリ上ではクレジットチャージはできず、クレジットチャージをしたい場合は別途nanacoアプリをインストールする必要があるのですが、nanacoアプリでは、クレジットチャージには専用パスワードの設定が必須となっているので、基本的にパスワードが解読されない限り不正チャージは防止できます。しかし、チャージ機能自体を停止したい場合は、上記のサイトからnanacoの利用停止をした方が無難です。

ポイントカード

Android Payでは、電子マネーやクレジットカードだけではなく、ポイントカードも登録できます。

ポイントカードというのは、よくよく考えてみると、ただの紙もしくはプラスチックの板で、ほとんどの場合そのカードには何の情報もありません。ただ、そのカード個体を識別するバーコードが貼ってあるだけです。

そのバーコードが示す顧客番号にポイントなどが貯まるわけで、カード自体にはポイント情報などどこにもありません。

したがって、スマホでそのバーコードが表示できれば良いわけで、カード自体を電子化するのは非常に簡単です。何枚ものカードを持ち歩く必要はなく、必要なバーコードを選んでスマホの画面に表示して、レジで読み取ってもらえばよいだけです。

Android Payでも各種のポイントカードを登録することが出来ます。

アプリを起動して、該当するポイントカードを選ぶ手間はありますが、カードの所持からは解放されます。

もっとも、ある会社のポイントカードの裏に書いてあるバーコードのコピーを、名刺かなんかに貼って、これでお願いしますと言っても、不正のにおいがプンプンして普通は取り合ってもらえません。

それと同じで、Android Payへのポイントカードの登録は、原理上は非常に簡単なのですが、やはり、承認済み提携先のポイントカードのみが登録できます。

Androdi Payで「ポイントカードを追加する」を選んで、提携済みポイントカードの一覧にあれば追加可能です。

しかし、提携先はまだまだ不十分で、私の場合、Tomod’s、T-Point、hontoのいずれも登録できなかったので、全く使っていません。

また、提携済みでも認知が不十分のためにレジで取り合ってもらえないケースもあるそうです(出来るからバーコードを読み取ってくれと頼む必要があります)。

情弱と呼ばれないために

Play StoreのAndorid Payアプリのレビュー欄はすごいことになっているので、ここでは、上記を復習がてら、情弱と呼ばれないための知識を書いていきます。

楽天Edyとnanacoしか使えない

今のところ、Android Payで使えるのは楽天Edyとnaancoのみです。

GoogleのAndroid Payのサイトには、様々なクレジットカードやポイントカードを一つに、なんてことが書かれていますが、それはコンセプトの話であって、提携していないカードなんて登録できません。

また、チャージするクレジットカードは、Googleアカウントに登録しているカードを使うのであって、Android Payに登録したカードを使うわけではありません。

楽天Edyにチャージできない

Android Payに楽天Edyを登録して、Googleアカウントに登録したクレジットカードでチャージしようとしたら、出来なかったと嘆いている人もいたりします。

楽天Edyにチャージが出来るクレジットカードは多いですが、出来ないカードもあります。

したがって、それらのカードをGoogleアカウントに登録している場合、チャージはできません。Android Payではなく、それは、楽天Edy側の問題です。

Suicaへの対応を希望

Android Payも早くSuicaに対応してほしいと時々言っている人がいますが、これは意味不明。

そもそも、Android Payが使える端末は、おサイフケータイ対応端末のみですから、モバイルSuicaは基本的に使用可能です。Android PayがSuicaに対応したところで、Android Payアプリ上でSuica残高が見えるようになるというだけです。もちろん、便利と言えば便利ですが、使える/使えないとは別次元の話です。

Android Payは決済方法ではない

レジで、「支払いはAndroid Payで」なんて言わないようにしましょう。

店員さんは怪訝な顔をしますが、それは、Android Payが普及しいないからでも、店員さんがAndroid Payを知らないからでもありません。

支払いはどうしますかと聞かれて、漠然と「電子マネーで」と言っているに近い所業で、質問に答えていないからです。

Apple Pay、Android Pay、おサイフケータイはいずれも、スマホ決済用のプラットフォームであって、決済方法自体は、それらのアプリに登録された具体的な電子マネーやクレジットカードであり、Suicaや楽天Edyです。

「楽天Edyで」もしくは「nanacoで」と伝えます。

Apple Pay対応レジ、Android Pay対応レジ、おサイフケータイ対応レジというものは存在せず、プラットフォームが何であれ、楽天Edy対応レジであれば楽天Edyは使えますし、nanaco対応レジであればnaancoは使えます。時々レジにApple Pay対応なんて書いてある場合がありますが、SuicaとiDに対応しているというだけです。

Android Payとおサイフケータイの違い

コンセプト的には違いますが、日本国内での決済に関しては、Android Payという名前で、おサイフケータイのプラットフォームの一部を利用させてもらっているだけです。

つまり、現状では、バーコードを読み取るだけのポイントカードの登録以外、Android Payに出来て、おサイフケータイに出来ないという機能はありません。

今後対応カードが増加したときに、カード追加のやり方がAndroid Payの方がアプリとして使い勝手が高いといった程度の優位性が生じるくらいでしょう。

しかし、それ以上の違いは今のところ考えにくいです。

対応のポイントカードが増えれば、それだけでもかなり良いのですけどね。

Android Payを使うメリット

今のところ提携済みのポイントカードが無い限り、特段メリットはありません。数年はないかもしれません。

現時点のみで考えると、Android Payが使えるのは、おサイフケータイ対応のスマホですから、Android Payを導入しなくても楽天Edyやnanacoは使えます。

もっとも、これから伸びていくサービスで、いろいろと利便性が増していくはずで、最近は、マルエツなんかでも、レジで現金をガサガサやっていると肩身が狭くなってきたので、電子マネーを導入するきっかけには良いかもしれません。

なんとなく敬遠している人も多いかもしれませんが、おサイフケータイは本当に便利です。

おサイフケータイの唯一の問題点は使える端末がほぼキャリア端末のみという状態で、格安SIMへの移行が困難なことでしょうか(SIMフリー端末にもいくつか対応機種がありますが、どれも安かろう悪かろう端末のみ)。

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