IH対応のマキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)まとめ


目次


はじめに

お正月に実家に帰省した時に、自分が飲みたいということもあってillyのコーヒーを持って帰りました。

そしたら実家で、マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)でエスプレッソを入れてくれたのですが、それがあまりに美味しかったので、自分でもマキネッタを買おうと思ったのですが、私の家はIHコンロ。

IHでマキネッタは使えるのでしょうか。

そこで、IH対応のマキネッタについて調べてみました。

(追記)
結局デロンギの電気ケトル型のEMK6を購入しましたのでレビュー記事書きました。
電気ケトル型マキネッタ:デロンギEMK6購入レビュー

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マキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)とは

マキネッタと聞くと、なんだそれは?となる人も多いかもしれませんが、物自体は誰もが一度くらいは見たことあるものだと思います。

世界で一番有名なのはビアレッティの下記のものでしょう。


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マキネッタは、通常の電気式エスプレッソメーカーとは異なり、電気稼働のポンプではなく、金属製の容器に閉じ込めた水をガスコンロの直火で沸騰させることで得られる蒸気圧で、エスプレッソを淹れる道具です。


自分で描きました。

高価な電気式ほどの圧力は出せないので、クレマはできないのですが、そうはいっても直火ですからそれなりの圧力は出せるため、エスプレッソ用の粉を使用すれば、重力のみを使うペーパードリップとは比較にならないレベルの深いコクが出せます(もちろん味は好みの問題ですが)。実際、淹れ終わった後の残りのコーヒーの粉は固まっています。

つまり、マキネッタというのは、家庭で手軽にエスプレッソを淹れる道具であり、イタリアではどの家庭にも一台はあると言われていて、日本における急須のようなものです。

構造も非常にシンプルで手入れも楽です(そもそも水洗い程度で済ませコーヒーをなじませながら使うものです)。

そして、コクはありますが、電気式エスプレッソほどはキツクくはなく、少しマイルドで、家庭的なエスプレッソという表現がぴったりのおいしいコーヒーが淹れられます。

もっとも原始的な器具なためいくつか注意が必要です。

上記のような加圧抽出のため、フィルターの中にコーヒーが詰まっていることが重要で、フィルターの中でコーヒーの粉が踊ってしまっては十分な抽出が出来ません。

したがって、マキネッタにおいては、付属金属フィルター一杯にコーヒーを入れます(電気式ほど高圧にならないため叩いて圧縮することまでは必要はなし)。


こんな感じ

つまり、マキネッタでコーヒーを淹れる場合、1杯分だけ入れるとかの量的な調整はできず(その分計量も不要)、その容器ごとに1回の抽出量は決まっています。その結果として、どのメーカーの製品も、1カップ用、2カップ用、3カップ用・・・と製品のサイズが容量ごとに用意されています。

なお、1カップは大体50mlです。一度に何カップ飲むかは人それぞれですが、二人で3カップくらいが一般的かと思います。

また、容器ごとに1回で抽出する量は決まっていますから、水の量も必然的に決まります。

どの大きさの容器にしろ、安全弁の真下くらいまで入れるのが基本で、後はお好みに合わせて加減します。コーヒーの粉の量と異なり、水の量に関しては、安全弁の真下までという基準を厳格に守らなくてはならない理論的な理由はなく、単に粉の量が一定だから水の量も決まってくるというだけです。

また、粉に関しては、エスプレッソですから細挽きが基本です。

電気式ほどの圧が出せないため超細挽きにすると目が詰まると言われますが、業務用の高性能ミルでも持っていない限り目が詰まるほどの細挽きには出来ないといってもよく、不安な方はラバッツァ、イリー、キンボなどのイタリア製のエスプレッソの粉を買ってみると良いと思います。かなり細挽きですが、家庭でマキネッタで使われることも当然想定されており、目が詰まるなんてことはありません。

以上がマキネッタです。

原理的にはガスコンロかIHコンロかは関係なさそうですが、IH対応製品はあるのでしょうか。

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IH対応のマキネッタ製品

アマゾンでIH対応のマキネッタを調べると下記の二つが出てきました。


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IH対応かどうかは材質の問題なので、IH対応金属であれば問題解決かと思いきや、実はそうではありません。

というのも、日本のIHコンロは安全面から直径12cm以上あるものを置かないと過熱しないような規格になっているからです。

その点、上記の2つは、底面の直径が約10cmなので、これをIHコンロにおいても過熱は始まりません。

レビューを見ると、皆さん、横に水を入れた鍋を置いたりして、IHコンロをだまして使用しているようです。

<2017年12月追記>
なお、直径の小さいマキネッタをIHコンロで使えるようにするためのヒーティングプレート(金属板)があるみたいですね。

<追記終わり>

では、直径が12cm以上のIH対応マキネッタはないのかと探していたらありました。

ただ、ALESSI(6カップ用で12.5cm、3カップ用は11cm)。


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確かにデザインはおしゃれですが、2万5千円は高いです。デロンギの中堅クラスの電気式のエスプレッソマシンが買えてしまいます。


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そう思いつつあれこれ探していたら、なんと、電気ケトルのような方法の、電気式マキネッタがあるんですね。

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電気式マキネッタ

電気式マキネッタをアマゾンで探すと下記の二つが出てきました。

メーカーもイタリアが誇る2強たるデロンギとビアレッティなので安心です。


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これで万時解決かと思いきや、実は問題があります。

両方ともよく見ると、並行輸入品です。したがって、万が一故障や不具合があっても日本でアフターサービスを受けるのは難しそうです。

それは仕方がないとしても、もっと大きな問題があります。

両方ともメーカーのページで確認したところ、海外製なので当たり前ですが、適用電圧は120Vとなっています。

日本のコンセントから出てくる電流の電圧は100Vですからそのままでは使えません(火力は電圧の二乗に比例するので約3分の2の火力しか出ない)。

Amazonのレビューを見ると、時間がかかりすぎるとか湯が沸かないといったコメントもありますが、コンセント形状ではなく、電圧自体を変える必要があります(なお、デロンギEMK6はコンセント形状がアメリカ用の2ピンA型で日本と同じなのでそのまま刺さります)。

この場合、日本のコンセントから出てくる100Vの電流を、製品が想定している120Vに変えなくてはいけませんから、アップトランスといわれるタイプの変圧器が必要です。しかも湯沸かし機能は出力が高いので5000円くらいする定格容量が約500W以上のものが必要です(デロンギのEMK6は定格容量が450Wですが、Bialettiの方は不明なのでもっと大きなものが必要かも)。また、デロンギEMK6のコンセント形状は日本と同じ2ピンのA型なので変換プラグは不要。


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アップトランス型の変圧器は、通常日本人が海外旅行にもっていくのとは逆方向の変圧器なので、普通持っていないものです。そして、これがそこそこ高い。

せっかく、こんな良いものがあるんだと思ったのですが、なかなかうまくいきませんね。

まとめ

以上、IHコンロでマキネッタを使いたい場合は以下の3通りの解決方法があります。

  1. IH対応のマキネッタを買うが、底面の直径が小さくてIHコンロが反応しないので、水を入れた鍋等を脇に置いて、IHコンロを無理やり反応させる。
  2. お手軽&家庭的な直火式エスプレッソを、デロンギのエスプレッソマシンより高価なALESSI製品で楽しむ。
  3. 電気式マキネッタを、アップトランス変圧器と共に買って、イタリアに住んでいたことがあるかのように装って使う。

さて、どうしよう。

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