2016年5月31日の日記


5月31日の日記です。

にわかタックスヘイヴンという記事を書いていましたが、実は続きを書こうをしています。

アマゾンでタックスヘイヴンがらみの本を買って読んでいるのですが、この問題は本当に複雑ですね。

何を切り口にすればよいのかわからなくなってきました。

結局、脱税とか節税とかが問題の最重要部分ではない気がします。

ただ、何が何だかわからなくなっているので、日記の振りして頭を整理します。まだ、整理段階なので、間違っていることがたくさんあるかもしれませんがそこはご容赦を。

まず、国際機関でこの問題が話し合われるとき、タックスヘイヴンという言葉はあまり登場しません。

オフショア金融センターという単語で問題が話し合われることが多いです。

もちろん、多くのタックスヘイヴンはオフショア金融センターでもありますが、3大オフショア金融センターと言えば、ロンドン、ウォール街、東京の3つです。

実際、国際的な租税回避も大きな問題ですが、オフショア金融センターが国際金融市場に引き起こしている問題の方が緊急度としては大きいのかな。

オフショア金融センターのオフショアという言葉遣いからも要注意。

イメージとしては、お台場に外国人観光客向けのカジノを作ろうという動きがありますが、あれに近い話です。日本国内にあるけども利用できるのは外国人だけ。

観光客を招くためにカジノを作る。そして、外国人観光客専門とすれば日本人に悪影響はないし、場所代だけ日本に落ちてきて儲かり、悪いことはないと。

そんな感じで、外国人(のお金)を集めるために、外国人だけ内国人(?)の守っているルールを守らなくても良い、という特別ルールを金融分野で作ったのがロンドン。

その結果、日本の会社がロンドンでドル債を発行し、日本の投資家がロンドンでそのドル債を買うということが起きる。世界中のお金が自国の規制を免れるべくロンドンに集まるようになる。

さらに、イギリスの特徴は世界中に旧植民地があること。

この旧植民地が厄介で、国際法上主権国家だったりするのに、事実上旧宗主国イギリスの言いなりだったりする。

つまり、お台場のカジノで言うと、もし、近くに日本の言いなりの旧植民地の小さな島国があったとしたら、日本がそこに圧力かけて、お前のところでは、外国人観光客専用のホテルやバーを作って麻薬を解禁しろと迫るようなもの。

どの国も自分の国の法律は自分で作れますし、他の国がそこに口出しすれば主権侵害ですから、どうしようもありません。先進国だと何やってんだと批判されますが、小国が観光客を集めるためにアグレッシブなことをするのは仕方がない面もあります。

そして、日本としては、「お台場にはカジノもありますよ、しかも、そこから船で1時間のX島では、外国人観光客は麻薬が合法です」と宣伝して人を集めます。

似たようなことしてイギリスは世界中からお金を集めています。

そんな感じで出てくる代表例が、イギリス近くの英国王室属領(イギリス領ではない)とかいう国なのか何なのかよくわからない島、ジャージー島。

(これは完全に想像の話です)

ロンドンで金融取引した方が有利だから、ロンドンの銀行に口座を作ろうとすると、そこで言われる。

飛行機で一時間位のところにジャージー島という島があって、そこであれば、簡単にペーパー会社が作れて、現地の弁護士事務所が役員や株主に代理人としてなってくれて、しかも、代理人の名義で登記できますから、御社の名前は一切出ません、その会社名義で口座作ったほうが何かと便利ではないですか、と。

そんな感じで、ロンドンを中心としてみていくと、イギリス旧植民地のタックスヘイヴンぶりが明らかになる。それらの地域が、ロンドンの金融街(シティ)と綿密なタッグを組んで脱法オプションを提供してくれる。

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ジャージー等々のヨーロッパの近くの旧植民地のタックスヘイヴンがヨーロッパ担当で、ケイマンやバミューダ諸島といったカリブ海の旧イギリス植民地のタックスヘイヴンがアメリカ大陸担当で、香港とシンガポールというアジアの旧イギリス植民地のタックスヘイヴンがアジア担当。

結局、タックスヘイヴンのほとんどが、旧大英帝国のネットワークにほかならなかったりする。

第二次世界大戦で、イギリスがドイツに壊滅寸前に追い込まれるまでアメリカがヨーロッパ戦線に参加しなかったのは有名な話ですが、さらに、大戦後(正確には大戦中から)アメリカは大英帝国の覇権を奪おうと弱ったイギリスを徹底的にいじめる。

大英帝国の威信を守るために孤軍奮闘するのが大天才ケインズですが、ブレトンウッズでアメリカにボコボコにされる。

その後、スエズ危機等を経て、5億人以上の人口を抱えポンドが統一通貨として流通する大英帝国は崩壊しますが、それと同じころに、ロンドンのオフショア金融センターとして機能や、旧植民地のタックスヘイヴン化が登場します。

なんとかして、世界経済におけるプレゼンスを死守しようと、イギリスの金融街が編み出した究極の一手です。

しかし、そうした水面下の金融ネットワークが進化しすぎて、結局、世界中を飛び回っているマネーがどこにいくらあるのか誰にも分からなくなっているという現実があります。

預金準備率が10%だとすると銀行による信用創造は10倍ですが、規制のないシャドウバンキングを行き来すればマネーは無限に増殖することになります。

オフショア金融センターのせいで、国際金融が管理できなくなっていることこそが本当の問題なんでしょうね。データ自体が無いらしいですから、話はかなり深刻みたいです。

他にも、アフリカの貧困問題もオフショア金融センターが絡んでいることが多いみたいです。

アフリカ等への莫大な寄付金額や10万円で学校が立つとかのニュースを見て、これだけ支援とかしてるのに何で貧困がなくならないのかと疑問に思う人はいないでしょうか。

実はその疑問はかなり的を得ていて、寄付や国際機関からの支援金等は、オフショア金融センターに流れて、その先は一切追跡不能になっているらしいです。ほとんどが現地に流れていないのではないかという話です。

他には、ビッグ4と言われる会計事務所の悪行の数々も避けては通れません。

監査法人が有限責任法人になったのは比較的最近の話ですが、ことの発端は、ビッグ4会計事務所が猛烈なロビー活動で、ジャージー島に監査法人も有限責任で良いよという法律を作らせます。そして、ジャージー島の法律を盾に、本国政府に、本国でも認めないとジャージー島に移るぞという脅しをかけて、各国で続々と有限責任の監査法人を認めるという法律が出来たりします。

これは、租税回避でもオフショア金融センター問題でもないのですが、一応は主権国家であるものの、金融資本の言いなりになってしまう小国を金融資本が悪用して、法律変えないならジャージー島に移るだけだという脅し文句のロビー活動で、各国の法律を次々に自分たちに有利に変えさせていくという、ある意味、ことの根本にある問題です。

そして、全く同じやり方で、連邦制のアメリカで、アメリカ全土の規則を変えるため起点として、最初に金融資本に陥落したのがアメリカで2番目に小さいデラウェア州です。本当の第一候補は別の州だったらしいのですが、そこは寒いということでデラウェアになったようです。

こういうロビー活動をする時に一番便利なのが、新自由主義的思想で、スローガンは規制緩和だったりします。

他には、パーマネントツーリストなんて言う話もあります。

マネーロンダリングやアングラマネーの話も避けて通れません。

だめだ、全然まとまらない。