クオリアとしてのダイエット


ダイエットも筋肥大もクオリアです。

最近読んだ本の影響でメインブログの記事を新しく書こうとしたのですが、アイデアを妻に話したら、あり得ないとか馬鹿じゃないのと全否定されたのでやめました。

新しい記事のタイトルは、

『論理と実証に基づく「検証可能な客観世界」というフィクションと主観世界におけるクオリアとしてのダイエット』

これ面白い記事となりそうなんですけどね。ダメですかね。

メインブログでもこの手の暴走記事は見事に誰も読んでないのでここで吐き出します。

クオリアというのは、脳科学者が使ったりしますが、「感じ」とか、「体験」という意味です。

赤い色の光を見た時に脳で何が起こるか、脳波とかをいろいろな装置で測定します。

では、仮に科学の力で、その脳波なり脳の中の電流の流れなりを完全に再現できるとしたら、その赤い光を見た時と同じ「感じ」(これがクオリア)が見た人の心(?)の中で再現されるのでしょうか。

これがポイントです。

怖いから鳥肌が立つのか、鳥肌が立つから怖いのか、この疑問の答えは、「鳥肌が立つから怖い」らしいです。

我々の体には、怖いとか思う以前に鳥肌が立つ仕組みがあるそうです。

つまり、体と脳は繋がっているわけです。脳が体を動かす半面、体も脳を動かしているのです。

そして、「人間が赤い光を見た時の反応はこうです」なんて脳波だけで説明することは不可能で、厳密には、赤い光を見た時のクオリアは見るときごとに違います。

体と脳は全てを記憶しているとは言いませんが、毎年毎日毎分毎秒の全ての過去があるから今の体と脳があります。

過去のすべての経験の延長上にある今の体で、今この場所このタイミングで、赤い光を見たからこそのクオリアがあるわけです。

つまり、クオリアを再現するには、赤い光を見せるだけでなく、これまでの全ての経験(インプット)を脳と体に与えるのでもまだ足りず、そのインプットが与えられた状況までも再現する必要があります。

結局、本人と本人以外、つまり、世界のすべてを再現しない限り、クオリアは再現できないわけです。

顔の特徴は、目の特徴、鼻の特徴、口の特徴、等々に細分化できます。

しかも、目の特徴は、瞳の色と大きさ、まぶたの形、まつ毛の特徴、等々に細分化でき、さらに、まつ毛だけでも、上と下、濃さ、生え方、等々いろいろあります。

つまり、顔の特徴を細分化すれば結局は無数に細分化できます。

では、顔を正確に再現できる無数のパーツチェックリストなどできるのでしょうか。おそらくできないでしょう。

にもかかわらず、私たちが家族や友人の顔を認識する時にはその無数の特徴を瞬時に分析しているのでしょうか。

そうではありません、もちろん、いくつかの特徴は把握しているかもしれませんが、個々の特徴の積み上げで誰か判断しているかというより、もっと包括的な判断をしています。

これは、世界が原子からできていて、それらが全て物理法則に従うのであれば、世の中の全ての出来事は必然なのかという疑問と同じです。

世界全ての原子の状態を把握しているスーパーコンピューター(これをラプラスの悪魔という)があれば未来は計算できるのでしょうか。

無数のミクロを積み上げていくとマクロになるのでしょうか。

何かそこに越えられない壁があるような気がします。

しかし、現代科学で一番重視されるのは検証可能性です。

実験により経験として実証・再現されないものは相手にされません。

しかし、あいまいなテーマにすると、全く再現性が得られなくて相手にされません。

その結果、研究分野はどんどん細分化して、ものすごいミクロなところを対象にして、実証と論理的推理で科学的結論とやらを出しています。

しかし、ダイエットにしろ、筋トレにしろ、したことある人は全員知っていますが、全然理屈通りにはいかないし、毎回の結果なんてほぼ説明不可能です。

でもそれは当然で、私たちの体は毎日どころか毎分毎秒違う体になっていて、ダイエットや筋肥大も、クオリアなわけです。

確かに体の中の細胞を数えていけばいつか数え終わるでしょうし、体の中で起きている化学反応をリストアップしていき、いつかリストが完成する時が来るかもしれません。

しかし、それらを足し上げていけば体の現象レベルの反応を予測できるようになるのでしょうか。

ラプラスの悪魔が想定する宇宙全体の原子と、一人の人間の中の原子ではスケールが違うとはいえ、一人の人間レベルでも、それが測定・計算できるのであれば、そもそもその個人の未来行動予測も完全にできるはずで、少なくとも分析対象の人の未来は全て必然となります。

しかし、そんなはずはないでしょう。

結局、実証と論理で再現可能な客観的な世界があることを前提とする科学では、世界や人間は記述できないのでしょう。

クオリアとしてのダイエットなり筋肥大に、検証可能なミクロ分析の積み上げで立ち向かおうという科学的態度なるもの自体に無理があるわけです。

ダイエットや筋トレに励んでいる皆さんにおかれましては、サプリやら栄養学やらトレーニング理論やら、最近は科学的議論が大流行ですが、個々の科学的結論という、あなたという主観世界では単なるイデオロギーに過ぎない経験知を集めて、一つ一つ積み上げていけば望んでいる結果になるかのような幻想はゆめゆめ抱かぬように注意してみてください。

いやあ、いい記事ですね。

自画自賛。

ちょっと詰めが甘いような気もしますが。

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