エビデンスにホッとする


答えのない問題に向き合うのは結構大変で、そんな中で答えらしいものに出会うとホッとします。

何の話かというと、筋トレやダイエットをはじめとするボディメイクの話です。

体作りというのは正解がないです。正解がないと言ってしまうと開き直っているようで元も子もないのですが、やはり正解はないと言わざるを得ないと思います。

科学はそこまで進歩していないし、何よりも自分の体を実験した研究なんてありません。実験の対象となった人と自分の差がどこにあるのかはやってみなければわかりません。

結局、試行錯誤の連続しかないのですが、答えがない以上、試行錯誤と言っても、どこかにゴールがあるわけではなく、これでいいのかという不安が消えることはありません。

そんな中、最新の論文ではとか、最新の研究ではとか、何々について科学的根拠が得られたなんていう話を聞くと少しホッとします。

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しかし、不安の中で、正解らしいものに惹かれてしまうのはやむを得ないのですが、これが行き過ぎると、科学的根拠に基づかない情報は信頼できないなんて、科学的根拠なるものの不安定さや科学の限界を飛び越して、科学的根拠原理主義者が生まれてしまいます。

何の話かというと、ネット上で暴れまわっている糖質制限原理主義者のことで、彼らは、自分という唯一の個体にとってどんな手法が適切かなんてわからないという本質的な不確実性を感じとる感受性は持っているんだろうけど、いや、持っているからこそ、おそらく、その不確実性に耐えきれなくなって、確からしいものへ逃避してしまうのでしょう。

そして、学歴も立派で、文章も温和で、何より自ら糖尿病患者として糖質制限を実行していて健康そのものである江部先生なんかは、疑う余地のない確かな存在という意味で、原理主義的な思想の温床たるカリスマとなってしまうんでしょう。