ピカソとニーチェ


カッコイイのはタイトルだけです。

佐伯啓思という人の『さらば、資本主義』という本を読みました。

私は、この佐伯啓思という人が結構好きで良く読みます。

読んでて頭が良い人なんだろうなと思う反面、語り口が柔らかいからか、私の頭が悪いからかよくわかりませんが、とにかく突き抜けた頭の良さというものを感じさせないのが良いです。

失礼かもしれませんが、凡人の延長にいるような頭の良さで、何言ってるのか良く分からないという部分がないため、へぇーと素直に感心できます。

そんな、佐伯先生の最新の本が上記なのですが、なかなか面白いことを言っている個所がありました。

佐伯先生によると、

ニーチェは、価値というものは、すべたある観点から見たものに過ぎない

と言ったそうです。

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何が言いたいかというと、どんな主張も特定の観点から見たものにすぎず、その内側には遠近法(その人なりの価値の大小の判断)が含まれているということです。

そして、現代社会においては、

誰もが、広い意味で、何かの「専門家」になってしまっていて、特定の論点にしか関心を持てなくなってしまった

と言っています。

その結果

我々が描いている世界像は、いまや遠近法を失い、あたかも右目は左をみ、左目は前をみ、鼻は前を向いているといったピカソの絵のようになってしまっているのです。

としています。

まあ、立派な大先生の社会批評なので、ここで急に、筋トレとかダイエットも同じでなんて始めるのはおこがましいのですが、私は読んでてそんなことを考えました。

糖尿病資料の専門家の提唱する糖質制限食を取りながら、女性専門のボディメイクトレーナーのブログを参考に筋トレメニューを組み、個々のエクササイズはYoutubeでボディビルダーの解説動画をみる。

例えが悪いせいで今一つ何が悪いのか良く分かりませんが、どの主張にもその人なりの価値観が反映されているはずで、それを無節操にミックスするのはあまり良くない場合があるかもしれません。

私も、偉そうに筋トレとかダイエットの記事を書いたりしているのですが、いろいろと調べながら一つの記事にまとめたりしているので、根底を貫く価値観はしっかり意識するとともに明示して、ピカソの絵のような主張をしないように注意していきたいと思いました。